トレジャーフットでは、専門的な知見やスキルを持つプロの外部人材を企業へマッチングし、課題解決の伴走をしています。外部人材活用時の重要なポイントは「プロジェクトテーマ」を決めることです。
働き方が多様になっている中、企業が競争力を維持し、成長を続けるためには、外部人材の活用がますます重要になっています。特に中小企業やスタートアップにとって、外部のプロフェッショナルの力を借りることは大きなメリットをもたらします。
今回は、企業の経営者や事業責任者の方が、外部のプロ人材とプロジェクトを始める際に役立つ「プロジェクトテーマ」の決め方について紹介していきます。
プロ人材活用の種類
プロフェッショナルな外部人材の活用方法には、「エージェント型」「マッチングプラットフォーム型」と大きく分けて2つの種類があります。
エージェント型の特徴
エージェント型は、クライアント企業とプロ人材の間に、紹介企業が介在するやり方です。例えばトレジャーフットは、ここに属しており、問題や課題のヒアリングを通し、プロジェクトテーマを設定しています。また、プロ人材の紹介後も伴走していることも特徴の1つです。
会社により、サービス内容の違いはありますが、エージェントが企業のニーズを詳細にヒアリングし、最適な人材を紹介するため、質の高いサポートが受けられます。利点としては、プロジェクトの方向性を定めやすいことと、専門的なアドバイスを得られる点です。
各サービスとの違いについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
▼自社にあっている人材活用サービスは?~各サービスとのコストパフォーマンスと成果の違い~
マッチングプラットフォーム型の特徴
一方マッチングプラットフォーム型では、企業と外部人材が直接やり取りできるプラットフォームを提供します。企業が候補者を選び、直接交渉できるため、コストを抑えつつ迅速に人材を確保できますが、企業側が主体的にプロジェクトを進める必要があります。そのため、プロジェクトテーマが明確であることが成功の鍵となります。
「プロジェクトテーマ」を決定することが重要
ここで定義する「プロジェクトテーマ」とは、一言で言えば「プロ人材とともに取り組むべき課題」です。プロジェクトテーマは、次の3つの要素を満たした上で成り立つと定義しています。
①その企業の経営に対してインパクトが創出される(と仮説立てできる)こと
②その課題は、今この時点から解くべき問題であること
③外部のプロ人材とプロジェクトを立てる必要があること
このテーマ設定を明確にすることで、外部人材が自社にどう貢献できるのかが具体的に示され、プロジェクトの成功率が向上します。
また、経営者や事業責任者が、プロジェクトの可否判断をする意思決定時にも、このプロジェクトテーマを元に判断します。さらにはプロジェクト開始後も、問題が発生したり、方向性に迷うことがあっても、立ち返る場所となります。
なぜプロジェクトテーマの設定は難しいのか
しかし、プロジェクトテーマの設定は容易ではありません。
企業が抱える課題は複雑で、最も重要なテーマを選び出すことは難しいです。企業内部の視点だけで議論すると内向きになりがちで、外部の視点を取り入れることが難しくなります。このため、外部人材やエージェントの力を借りて、客観的にテーマを設定することが求められます。
例えば、経営者の方との商談では、当初、売上を拡大するために新たな販路を開拓する施策が必要だと考えていたが、実際には営業メンバーの育成の方が優先順位が高い、といった場合もあります。このような見落としがあると、正しいテーマ設定ができず、プロジェクトの方向性がずれてしまうリスクが高まります。
漠然としたテーマを設定してしまうリスク
さらには、プロジェクトテーマが漠然としていると、プロジェクトの方向性がぶれてしまい、最終的な成果を得ることが難しくなります。外部人材がどう貢献すべきかが不明確なため、スキルや経験を最大限に活かせません。
プロジェクトテーマを「それっぽい」漠然としたもので始めてしまうと、後々に認識が合わず、方向性がブレることもあります。事前に、プロジェクトテーマの背景や、設定した理由、方向性について共通認識をとっておくと、問題が発生せずに、本質的な目標に向かって進むことができます。
失敗してしまう例として、例えば、そのプロジェクトテーマ、すなわち「解決すべき課題」が、実は優先順位が低いことに後から気づくことがあります。そうすると、社内の担当者が、プロジェクトに割くリソースやマインドシェアが奪われ、外部のプロ人材が孤軍奮闘することになり、最終的に成果に繋がらない、といった事態も考えられます。
「プロジェクトテーマ」の決め方
効果的なプロジェクトテーマを設定し、それを基に外部人材と共にプロジェクトを進めるためのステップを紹介します。
1、現状の問題を可視化
そもそも外部人材の活用を検討するきっかけ・背景や、現状の問題を洗い出します。
よくある問題としては、事業の進捗状況がよくない、売上が停滞している、自社の良さを発信できていない、進めたい施策があるができていない、意思決定できない事象がある、離職が起きている、採用ができない、といったことが挙げられます。
2、問題が発生している理由を探る
次に、1番で可視化した問題の原因を検討します。
様々な企業からヒアリングする上で、よくある要因は、次のような理由が多いです。
知見やノウハウがない、会社として過去にやったことがない領域、社長(キーパーソン)が1人で進めておりリソースがない、社内に経験者がいない、社員のスキルが足りない、市場が変化したなどです。
3、問題を解決するためにやるべきことの仮説立て
問題と原因が可視化できれば、対策を考えることができます。これが、すなわち「課題」となります。「何をすべきか」ということを考えていきます。
しかし、この課題の仮説立ては、考える幅が広く、変数が多い点と、間違えてしまう可能性があるので注意が必要です。そして「これをすれば必ず解決する!」といった施策を求めがちですが、大抵の場合、そうした秘策や奥の手は存在しないことの方が多いと考えた方が良いでしょう。
4、そもそも課題が必要な理由を明確化する(目的の再確認)
プロジェクトテーマを決めるにあたって、課題の仮説立てで完了させることも可能です。しかし、明確なプロジェクトテーマにするために、4番以降の検討をすることもおすすめです。
3番で炙り出した課題が、自社にとって「そもそも必要かどうか」を検討します。その指標として、株式会社の活動目的である「売上が上がる」「リスクを下げる」「コストを下げる」のいずれかに合致しているか、直結しているかどうかを確認します。もし合致していない場合は、プロジェクトテーマになり得ない可能性があります。
言い換えると、プロジェクトテーマが、経営方針や事業目標と合っていることが確認できれば良いとも言えます。
5、タイミングと手法をチェックする
このプロジェクトを実行するタイミングが「今」かどうかをチェックします。
またプロジェクトを実行する手法として、「自社でできないのか」「社員採用で解決しないのか」「他に手法がないのか」などを検討した上で、プロ人材と協働で進める意義を再確認します。
ここで疑問が湧く場合には、今一度プロジェクトの体制について検討する必要があります。プロ人材への期待値が明確になることがあります。
正社員と外部人材との比較については、こちらの記事を参考にしてください。
▼外部人材活用が正社員1名を採用するより費用対効果が高い理由
以上、1〜5番の順序を行うことで、課題が特定され、プロジェクトテーマを決定することができます。自社でやるべきことを、1〜2文程度で表現したものがプロジェクトテーマとなります。場合によっては、短期的なテーマと、中長期的なテーマに分けることも効果的です。
プロジェクトテーマ設定後のチェックポイント
記事冒頭に記載しましたが、決定したプロジェクトテーマに対して、以下の要素を満たしているかをチェックすることで、より強固なテーマ設定が完了します。
①その企業の経営に対してインパクトが創出される(と仮説立てできる)こと
②その課題は、今この時点から解くべき問題であること
③外部のプロ人材とプロジェクトを立てる必要があること
プロジェクトテーマを設定する際には、以下のチェックポイントを確認することが重要です。漠然としたテーマではなく、具体性を持たせることが成功の鍵となります。
最も重要な「プロジェクトテーマ」の設定
外部人材の活用は、企業にとって大きなチャンスです。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、明確なプロジェクトテーマの設定が不可欠です。テーマが定まれば、企業と外部人材が一丸となり、プロジェクトを成功へと導くことができます。プロジェクトテーマの設定においては、外部の視点を取り入れ、客観的かつ戦略的に進めることが求められます。このプロセスを通じて、企業はさらなる成長の機会をつかむことができるでしょう。