プロジェクトの背景と経緯
株式会社ヨシカワ様は、金属加工技術が集まるモノづくりの町・金物の町として知られる新潟県燕三条にて、長きにわたり家庭・キッチン用調理器具や、生活用品などの製造、販売を行なっています。
また、近年では「aikata」、「EAトCO/イイトコ」などの自社ブランドの展開を積極的に行なっており、卸販売だけではなく、一般消費者に向けたメーカーが自社で企画・製造した商品を、卸売業者や店舗などの中間業者を介さず一般消費者に販売するDtoC販売を行なっています。
自社ブランドを展開している同社ですが、自社ブランドの商品をより多くの方に届けるために、ブランド自体の認知度を上げるためのきっかけ作りや、商品のファンとなりうる顧客を獲得する必要がありました。
しかしながら、これまで卸事業を中心に事業を展開していたこともあり、ウェブマーケティングの専門的なノウハウや知見に精通している人材が社内に不足していました。
そのため、効果的なプロモーションを実施することが難しく、自社ブランドの新たなファンの獲得に苦慮している状況でした。
今回弊社では、SNSを通じた自社ブランドのプロモーション強化を実施し、自社ブランドの更なる認知度向上と、中長期的に価値を高めるためのファンベースの構築を目指すため、外部人材活用プロジェクトを発足しました。
マッチング人材
今回のプロジェクトでは、国内最大級のアウトドアメディアを運営する企業にて新規事業部の部長を務めた経験を持ち、現在はフリーランスとして活動する経験豊富なマーケターである菅谷様に参画いただきました。
菅谷様は、これまで同メディアが運営を行うECサイトの責任者として、立ち上げから数億円規模まで拡大させたご経験を有しており、同ストアのインスタグラムアカウントも20万人規模まで成長させた実績など、ECサイトやSNSを含めたなどのウェブマーケティングにおいて幅広い知見を有しています。
具体的なプロジェクトの進行
今回のプロジェクトでは、更なるブランドのファン獲得という目標に対し、インスタグラムやユーチューブなどで活動するインフルエンサーをPRアンバサダーとして活用したギフティングマーケティングを実施しました。
ギフティングマーケティングとは、ソーシャルメディア上で影響力を持ち、さらに商材やサービスに適した購買層に対してエンゲージメントが見込めるインフルエンサーに、商品やサービスを提供し、商品に関する投稿をインフルエンサーが行うことによって、消費者の関心を引き、ブランドの認知度や好感度を高めるマーケティング手法です。
プロジェクトの最初のステップでは、ブランドとの親和性がある適切なインフルエンサーをPRアンバサダーとして選定しました。インフルエンサーのフォロワー層やアクティブなコンテンツの適合性を綿密に調査し、ブランドとの共通点を見出しました。これにより、プロモーションがターゲット層に響くようなインフルエンサーの選択が実現しました。
直面した課題とその克服
プランニング段階では、コンテンツの企画、ギフトアイテムの選定などを含む包括的な戦略を構築しました。これにより、PRアンバサダーとのコラボレーションがブランドメッセージに沿った魅力的なものとなり、期待される効果を最大化しました。同時に、投稿の作成やインフルエンサーへの折衝などの実務作業も同時進行で進め、効率的なプロジェクト進行を実現しました。
今回のプロジェクトでは、ヨシカワ様として初めての取り組みかつ、ウェブマーケティングに精通したメンバーがいないこともあり、正しく的確に業務を行うことが困難な状態でした。
しかし、プロジェクトの企画などの全体設計の企画、ディレクション業務から実務作業に至るまで、幅広い業務を担当し、業務の遂行をスムーズに進めることができました。
さらに、隔週程度の定例ミーティングを実施し、プロジェクトの目標達成に向けた実際の進捗や課題について、関係者全員が共有し合いました。定期的なミーティングは、迅速な調整や改善の機会を提供し、スムーズなプロジェクト進行を実現しました。
外部人材活用による一方通行のコミュニケーションではなく、外部人材と、企業が双方が積極的にプロジェクトに参加をすることで、プロジェクトの円滑な推進を促し、さらに既存メンバーのスキルや視座の底上げとの相乗効果を生みました。
最終的な成果、現状
本プロジェクトを通じて、ヨシカワ様の製品やブランドは、プロジェクトを通じてSNS上で注目を浴び、多くのユーザーに知られるようになりました。インフルエンサーとのコラボレーションや魅力的なコンテンツを積極的に発信することにより、商品の魅力や価値が広くリーチされ、認知度が大きく向上しました。
特に、インスタグラムアカウントはプロジェクト開始前から、1,000人近くの新しいフォロワーを獲得することに成功しました。これは、インスタグラムユーザー層に向けた戦略的なアプローチと、PRアンバサダーとの連携が相まって実現したものであり、ファンベースの拡大に大いに貢献しました。
今後は、本プロジェクトの成功を基盤に、更なるファンベースの拡大を目指します。特に、2024年内にオープン予定の自社ECサイトとの連携を通じて、顧客との強固なつながりを築き、CRM(顧客管理)化を実現していきます。その過程で、よりお客様とのコミュニケーションを強化し、持続可能な成長を目指します。
近年コロナ禍を経て、メーカーなどの業種・業態の企業様がDtoC販売に取り組むケースが増えています。
一方で消費者に対して直接商品を販売するという形態は、多くの企業様にとって、これまで社内で経験をしたことのない取り組みとなる場合が多く、新たな業務の推進や、メンバーの専門的なスキルの醸成が必要不可欠になっています。
弊社では、外部人材活用を通じて、プロの知見やアイデアを活用し、企業様のDtoC事業を推進するための業務支援、さらに専門的なスキルを社内で還元するための内製化支援を通じて、企業様のDtoC事業サポートいたします。
今回の記事を通じて、これからDtoC事業の展開を検討している企業様の参考になれれば幸いです。