トレジャーフットでは、地場産業の中小企業に対し、専門的な知見やスキルを持つプロ人材を業務委託でご紹介し、企業が抱える課題解決のための支援を行っています。
これまで多くの企業と外部人材とのプロジェクトを推進していく中で、我々はプロジェクトの成果を最大化させるために「期待値調整」が何より必要であると考えます。このプロセスが不十分であると、プロジェクトが思わぬ方向に進んでしまい、外部人材を活用しても、思うような成果を得られないことも少なくありません。
今回は、期待値調整の定義と重要性、そしてトレジャーフットの取り組みや事例を通じてその必要性を深掘りします。
外部人材活用で重要な「期待値調整」とは
トレジャーフットが考える「期待値調整」とは、企業の目標や課題を明確にし、外部人材がそれらの課題解決や、目標の実現に向けてのアクションを取るために、企業、外部人材、トレジャーフットとの間で共通認識を形成するプロセスになります。
企業との期待値調整を行う際は以下のポイントが重要です。
・真の課題を特定する
表面的な問題だけではなく、企業が抱える根本的な課題を明確にすること。
・中長期的な視点を見据える
一時的な課題解決だけではなく、売上向上、コスト削減、リスク低減といった長期的な企業成長を見据えた目標設定を行う。
・現実的な目標の設定する
外部人材が達成可能な現実的な目標を設定し、プロジェクトの方向性を固める。
・共通認識の形成を行う
企業、外部人材、そしてトレジャーフットの三者が一致したプロジェクトのゴールとアプローチを共有する。
期待値調整がなぜ重要か
中でも期待値調整を行うことが重要である理由は以下が挙げられます。
1.成功・失敗の分岐点
期待値調整が不足すると、目標が非現実的になり、プロジェクトが思い通りに進まない可能性があります。
2.ステークホルダー全員の満足度向上
外部人材、企業、そしてトレジャーフットが、目指すゴールを共有し、同じ共通認識を持つことで、方向性のミスマッチを防ぎ円滑にプロジェクトを推進することができます。
トレジャーフットの期待値調整のための取り組み
トレジャーフットでは、以下のようなプロセスを通じて期待値調整を行い、プロジェクトを円滑に進めるために取り組んでいます。
1.企業課題の深掘り
・クライアントとの詳細なヒアリングを通じて、目標や課題を明確化
・表面的な課題ではなく、根本的な原因や解決すべき優先事項を特定
2.外部人材の適正なマッチング
・企業の課題に適した人材を提案
・人材の強みと企業のニーズを擦り合わせ、現実的なゴールを設定
3.三者間での綿密なコミュニケーション
・外部人材を紹介後、企業と人材を交えた三者面談を実施
・面談前に、プロ人材との事前MTGを通じて、提案内容と課題解決策を具体化
・面談後には企業・人材それぞれの懸念や期待のズレを吸い上げるフォローアップを実施
4.プロジェクト中の伴走支援
・プロジェクト進行中も定期的に状況を確認し、課題の再設定や方向性の修正をサポート
これらのプロセスを経ることで、企業と外部人材双方の目指すゴールの方向性を定めることを可能にし、満足度の高いプロジェクトに繋がります。
事例から学ぶ期待値調整の重要性
先述した「期待値調整」を行うことでプロジェクトを成功に導いたトレジャーフットでの事例を紹介します。
「期待値調整」に成功したプロジェクト事例
■企業/プロジェクト:日用品メーカー業、従業員数約100名、EC//SNS支援プロジェクト
■状況:SNSでの認知度向上、さらにそれらに紐づくECサイトでの売り上げ増加を目標とし、プロジェクトがスタート。約1年間のプロジェクトを経て、SNSフォロワー、EC売上ともに昨年対比2倍以上の向上を実現。結果的にプロジェクトは約2年間にわたり継続的なプロジェクトとなっている。
→企業、外部人材との定例ミーティングに積極的に参加。フェーズごとに変化する企業のニーズを的確に捉え、支援内容とそれらに伴う最終的なゴールのすり合わせを実施。これらのアップデートを重ねることで、企業とのミスマッチを防ぎかつ、求める成果に直結したプロジェクトの推進が可能となっている。
しかしながら、期待値調整を行ったとしても、必ずしもすべてのプロジェクトが成功するわけではありません。
以下、これまでトレジャーフットが行ってきたプロジェクトの中で、「期待値調整」がうまくいかなかったプロジェクト事例と、そこから得た反省点をいくつかご紹介します。
1. 小売×ECプロジェクト
■企業/プロジェクト:食品小売業、従業員数約40名、EC支援プロジェクト
■状況:EC売上の利益率改善には成功したものの、想定を超える市場全体の低迷により、会社全体の売上構成を見直す必要が生じた。結果的にプロジェクトは短期間で終了。
→市場環境や外部要因の回復を見越した目標設定を実施していた。企業の内部状況のみならず、より深い視点から市場環境などを考慮した上で、現実的な選択を行うという気づきを得た。
2. 製造業×広報プロジェクト
・企業/プロジェクト:製造業、創業25年、広報支援プロジェクト
・状況:新商品の販促広報を実施するも、想定される成果と期待値のギャップが発生。メディアPRの実績を創出できたものの、企業側が求める成果スピードには到達できず、契約期間の3ヶ月で終了。
→短期と長期で達成可能な目標設定を細かく共有する必要性があった。プロジェクトを開始するタイミングでフェーズに合わせた達成基準やマイルストーンの目線合わせ、さらに定例ミーティングなどの定期的なコミュニケーションを行うことで、ギャップを埋めることができたのではないかという反省に繋がった。
3.不動産×営業プロジェクト
・企業/プロジェクト:不動産業、従業員数約15名、新規営業支援プロジェクト
・課題:営業プロセスを改善するプロジェクトを立ち上げたが、企業のリソース不足が原因で十分な成果を得られず終了。高い売上目標を掲げたものの、現実的な達成可能性を事前に共有できていなかった。
→リソース配分を含めた期待値調整がプロジェクト成功の鍵。今後は、目標設定の調整だけではなく、現実的なリソース状況を踏まえた達成可能性の検討を行い、目標達成において現状のメンバー体制に問題はないか?という視点を持つ必要があった。
4. 小売×営業プロジェクト
・企業/プロジェクト:小売業、従業員数約70名、EC支援プロジェクト
・課題:昨対比での売上は向上したものの、他業務との兼務での運営状況の影響もあり、十分なリソースの確保や、当該業務におけるコミットメントが困難な状況に。そのためKPI、KGIなどといった企業としてのゴールや目的が不明瞭に。
→十分なリソース確保と、目標設定の目線合わせをしていく必要性。兼務体制の中でもプロジェクト専任者やチームを設けることでコミットメントを強化し、KPIやKGIを明確化したうえで全員で共有・認識する仕組みを整える。また、リソース配分を見直し、他業務との優先順位を適切に管理することの重要性を再認識した。
「期待値調整」でスムーズでかつ、効果を最大化させるプロジェクトに
外部人材活用の成功には、適切な期待値調整が欠かせません。企業が抱える課題を深く掘り下げ、現実的な目標とアプローチなどといった共通認識を共有することで、ステークホルダー全員が満足する結果を得ることができます。
トレジャーフットでは、先述したように「期待値調整」を行うことで、プロジェクトの成果の最大化に向けた支援をおこなっています。
外部人材活用を検討している企業の皆様、まずはお気軽にお問い合わせください。また、プロ人材のインタビュー記事も併せてご覧いただければ、より具体的な活用事例をご理解いただけます。
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