【プロ人材インタビュー】食品業界の0→1を牽引。商品開発・ブランディング・マーケティングのプロ人材 | 株式会社Beehive Japan 近藤大作さん

今回はトレジャーフットでプロ人材として活躍していただいている近藤大作さんにインタビューを行いました。近藤さんのこれまでのキャリアから、得意領域、今実施しているプロジェクトや今後について、深くお伺いしました。

▼近藤大作様プロフィール
大学院にて工学修士取得後、2003年にキユーピー株式会社に入社。11年全国営業最優秀賞獲得、社内論文3年連続優秀賞受賞。15年新たなヒット調味料の創出を始め、新たなトレンドの創出から商品開発までを一気通貫して行い、売れる仕組みの構築を手掛ける。19年に副業を機に起業し、大手企業の新規事業支援やスタートアップの事業創出をはじめ、東京理科大オープンカレッジや一般社団法人マーケティング共創協会など、社内外でブランディング、マーケティング、ビジネスプレゼンテーションの講師を務める。

ーー 近藤さんのこれまでのご経歴について教えてください

私は、2003年にキユーピー株式会社に入社し、以来、様々な役職を経験してきました。
初めの10年間は全国各地を飛び回る営業として、市場と消費者の声に直接耳を傾ける役割を担っていました。

その後、商品開発本部に異動し、新商品開発の責任者として、特にコンビニ業界向けの商品の新規開発を主導しました。2015年には、ある調味料が大ヒットし、社内記録を塗り替えるほどの売り上げを記録しました。

ーー その後は、どのようなキャリアパスを経て現在に繋がっているのでしょうか?

2019年に、キユーピー社での副業が解禁され、私はおそらく最初の副業実践者として、いくつかの企業の新規事業立ち上げやマーケティングに関わる機会をいただきました。企業だけでなく、大学や協会にてマーケティングの講師業も行いました。

これらの経験を通じて、困っている中小企業や人をより身近に感じ、自分の持っている知見やノウハウ、スキルを活かして、積極的に支援していきたいという気持ちが芽生えたことが今に繋がっています。

結果として、現在の「株式会社Beehive Japan」を設立するに至りました。現在では、主に食品の新商品開発やマーケティング戦略のコンサルティングを中心に、企業のブランディング支援などに貢献しています。「Beehive Japan」は、私一人だけでなく、自社の業務委託メンバーや様々な企業が寄り添って1つの巣(Beehive=蜂の巣)を作って、取り組んでいきたいという想いを込めた名前です。

ーー プロフェッショナルとして、近藤さんの1番の得意分野はどこになるのでしょうか?

私が1番得意とする分野は「0から1を生み出す過程」です。新規プロジェクトの立ち上げや何か新しいことを創り出すことが、私の仕事の中で最も熱量を生む瞬間です。これまでのキャリアの中で、0→1の過程で必要な創造性や戦略性が培われたと思います。

ただ、この過程は決して簡単ではないというのも事実です。私が人生で大事にしていることは「苦労する方を選ぶ」ということです。楽な方を選択しても、今までと変わらないですし、惰性でどうにかなってしまうと感じています。

苦労する道を選ぶ方が、思考を深めることもできますし、自分自身の為にもなります。結果としてやりがいを感じることができると信じています。

ーー 素晴らしい考え方ですね。ちなみに、なぜ「0→1」をすることが好きになったんですか?

キャリアの側面では、キユーピー社での商品開発本部での経験が大きいです。会社としてもコンビニ攻略の実績が全くない中で、1人で進めていくことになったのですが、最初は何から行なえばよいか全然分からない状態でした。苦しい状況でしたが、無我夢中で進めていくことで、結果的には実績も出せましたし、一番成長した濃い2年間だったなと振り返ります。

あとは、2011年の東日本大震災の影響も大きいです。
正直なところ、それまでの私は、ある意味「天狗」になっていました。自分一人で何でもできると思い込んでいたのですが、被災をした際に一人でできることの限界を感じたのです。

そのターニングポイントから、もともとコミュニケーションが苦手だったのですが、意図的に社会人交流会に参加したり、働きながら社会人の大学院に通ったりと、様々な経験をしました。毎日忙しく大変なことの思い出の方が多いですが、その時に苦労した経験は今の自分自身を作ったと思います。

ちなみに、0→1が得意と申し上げていますが、企業様への支援時には、1→10や10→100がそれぞれ得意なメンバーがいるので、役割によって、支援ができるように進めています。

ーー ありがとうございます。弊社トレジャーフットとは、メンバーの斉藤晃久との繋がりがあり、ご登録いただいているかと思います

はい、そうですね。斉藤晃久さんとは、彼が前職で働いていた「ハイファイブサラダ」というパワーサラダ専門店での仕事を通じて知り合いました。

私がキユーピーで新しいサラダのトレンドであるパワーサラダを推進している時に、初の外食とのコラボでパワーサラダ専門店であるハイファイブサラダ社と、共同で市場に新しい動きを生み出すことができました。その時の営業としていたのが晃久さんで、そこから成長戦略・営業戦略を二人三脚で始動させてもらって、関係性を構築していきました。

ーー 現在支援していただいているトレジャーフットのプロジェクトについて教えていただけますか?

今は、食品事業の新商品開発、マーケティング、新規事業などの支援を行っています。その中で現在は2社のプロジェクトに携わっています。

①株式会社ミキインターナショナル

ミキ様のプロジェクトでは、外食チェーン店がコロナ禍を経て、新たな収益源を開拓するための支援を行っています。具体的には、店舗を持たない地域の顧客にアプローチするための戦略策定です。

このプロジェクトの中心は、パスタソースの新商品開発です。もともと社内で、パスタソースの試作は始まっていたのですが、過去に経験がないため、どのように流れで意思決定をし、どのように販売・拡散していけばよいか困っていらっしゃいました。支援3ヶ月目には商品化ができ、Makuakeを通してクラウドファンディングを実施しました。

実際に、商品を作ること自体はそこまで大変ではなく、どの企業でも商品開発後の課題に壁を感じていらっしゃることが多いです。具体的には「商品開発の全体のフローが分からないので、今がどの段階で、次は何かがわからず立ち止まってしまう」「原価は出てきたけど、どのように売価設定して良いか分からない」「商品は製造できるけど、そもそもどうやって販売して良いか分からない」といった商品開発にはつきものの課題です。
頭で考えると簡単に答えは出せない難しい課題となります。これら1つ1つのリスクを可視化して対策を立てていくことで、本来やりたかった事を具現化し、喜んでいただいています。

また現在は、新しいサービスの1つとして、健康志向のメニューである「ギルティフリー」のイタリア料理のフルコースの商品開発に着手しております。社長の三木様が元プロゴルファーということもあり健康に対して敏感であり、とても想いが強いので、その想いを1つずつ具現化して行くことになりました。

創業から40年を超えるイタリア料理レストランの挑戦|株式会社ミキインターナショナル【プロジェクトレポート】

②株式会社さかいまちづくり公社

さかいまちプロジェクトはスタートしたばかりですが、商品の品質・生産性の向上とブランディングを強化することを目的としています。特に、干し芋とうなぎの販売を通じて、ふるさと納税以外への販路の拡大ができる体制作りの支援を行っています。

もともと商品の品質と歩留について企業さまが不安に感じており、生産管理と品質管理のプロセスを整備し、品質の向上を図っています。具体的には、生産工程の標準化、品質管理のマニュアル作成、人材教育などを支援しています。

今後さらに、干し芋の商品自体は、質の高い半生の干し芋で、非常においしい商品ですが、購入者にしか良さを実感してもらえていない状態です。ブランディング戦略の策定と、消費者に直接伝えるためのマーケティング活動も行っていく予定です。

ーー 近藤さんがプロジェクトにおいて特に大事にしていることや意識していることはありますか?

はい、まずプロジェクトのスタート前に企業様の目的を理解し、特に現状把握に注力するようにしております。ご相談頂く企業様の視点から課題感などを共有頂きますが、実はその課題が本質でないことも多くあるからです。その為、プロジェクトをスタートする前に、しっかりと置かれている環境や現状を包括的に分析し、取り組むべき課題を特定し、数多くある対策案の中から、最適解をご提案することを常に心がけております。

その中でも1点意識していることは、「一度否定する」ということです。
もちろんむやみに、不躾に否定するのではなく、その企業様の戦略として「本当にそうなのか?」という仮説を持つことです。

間違っていることについては、しっかりと否定するようにしていますし、その企業における成功体験があったとしても、そのバイアスに囚われずに、戦略を練り直すことで成功確率が上がると思っています。

その上で、メリットだけでなく、リスクを可視化することや、私たちではできないことも明確にした上でご提案差し上げています。とはいえ、できないことがあった場合には、スキルを持っている人を探して、一緒に参画してもらえるように心がけています。

プロジェクトがスタートしてからは、必ず目的に沿いながら与件通りに進めていきますが、「内製化」については常に心がけています。会社としては、外部委託に頼ってしまう方が楽ではありますが、結果として自社のためにならない事が非常に多くあります。

私たちも全てを代行することは可能なのですが、企業から1人でも社員さんをつけて頂くことで、社内で内製化を行い、資産が会社に残るように、結果として企業が強くなるように、支援を行っています。

ーー ありがとうございます。最後に、今後取り組みたいプロジェクトや支援領域などはありますか?また将来的に作りたい世界観などございますか?

広い視点で考えると、今後は、もっともっと複業人材が活躍するような社会になればよいなと考えています。特に地方での働き手不足が顕著な中、私たちのスキルと知見を活かして、地域の企業様とのプロジェクト創出はもっとできると思っています。

今はまだ複業人材の時間単価が低かったり、支援に対して、固い考えを持たれている企業様も多くいらっしゃったりすると思います。ですが、社会全体で自分たちのスキルや知見をどんどん提供していくことで、働き手不足の世の中で「副業での貢献の価値」を上げていきたいです。

また個人的には、現在は食品関係が多いですが、今後は「ロジスティクス分野」にも興味があります。こちらも人手不足がある中で、多くの課題が顕在化されています。もしかすると、これまで激動の時代を生き抜いてきたようなシニア世代の方々が活躍する機会もあると思います。自分たちの活動を通じて、社会全体の持続可能な発展に貢献したいと考えています。

トレジャーフットには地方に想いを持たれているプロ人材が多数ご登録いただいております。
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