トレジャーフットの新たなる挑戦  ~経営理念リニューアルプロジェクト~

私たち株式会社トレジャーフットは、創業以来「新しい働き方を想像し、地場産業の発展に貢献します」というミッションを掲げ、多彩な事業に取り組んできました。2025年1月からは創業から8期目を迎えています。私たちはこれを「第2創業期」と位置づけ、従来の経営理念およびMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)をリニューアルいたしました。

新しく私たちが掲げるのは「Belief(ビリーフ)」と「Principle(プリンシプル)」という理念と行動規範です。
今回の記事では、リニューアルの背景やプロジェクトを牽引した柳川さんへのインタビューを通じて、トレジャーフットのリニューアルプロジェクトをご紹介します。

◆なぜリニューアルするのか

創業当初よりトレジャーフットは、地場産業支援から始まり、人材育成事業、金融事業など、様々な事業に取り組み、成長を続けてきました。今年1月には第8期目を迎え、社内では「さらに地域の課題解決に取り組んでいきたい」という機運が高まっています。
人口減少や高齢化、さらにはテクノロジーの急速な進歩によって、地域を取り巻く課題は日々大きく変化しています。その中で、私たちは「ただ事業を拡大するのではなく、経営理念を根本から見直し、ステークホルダーとどう関わっていくかを再定義したい」という想いが生まれました。こうして「MVVという枠組みそのものを、より開かれた概念に進化させる」という大きな方向に舵を切ることになったのです。

◆リニューアルまでの道のり

今回のリニューアルプロジェクトでは、あえて社員や役員にも事前に内容を明かさないという独自のアプローチを取りました。まずは全社員を対象に「あなたにとってトレジャーフットを何かに例えるなら?」という少し変わった質問を投げかけたのです。

すると「動物園」「カメレオン」「水面下で足を動かす白鳥」「青い炎」「スラムダンクのような熱量」など、多彩なイメージが浮かび上がりました。
社員へのヒアリングを重ねるうちに浮かんだのが、「MVVは一体誰のものなのか?」という根源的な問いです。これまでのMVVは社内向けのメッセージとして主に機能してきました。


しかし、「社内だけで完結する理念ではなく、もっと広い世界に開かれた信念へ昇華させよう」という声が高まり、「これからは、トレジャーフットの事業と関わるすべての人のものにしたい」という思いから「MVVをやめる」という思い切った決断をしています。

これは決してこれまでのトレジャーフットが掲げてきた理念を否定するものではありません。

◆ミッション・ビジョンを内包する信念「Belief」

リニューアルを経て、ミッション・ビジョンを内包する「Belief(ビリーフ)」が生まれました。
これは、トレジャーフットが信じていることであり、全ステークホルダーで共有したい新年です。
このBeliefこそが「宝物は、地場にある。」です。

これは、トレジャーフットの会社名である「Treasure×Foot」が示す通り、「足元(地場)にこそ大切なものが眠っている」という原点から着想を得た言葉です。
創業以来、地場産業と向き合ってきた経験の中で、実際に地域には多くの可能性が眠っていることを実感してきました。

このBeliefは、旧来のミッションやビジョンを否定するものではありません。むしろ、これまで大切にしてきた想いをアップデートし、すべて内包する「核」として位置づけています。

そして、この信念を伝えていく私たち自身を「WE ARE NEIGHBORHOOD COMPANY 私たちは、地場産業の発展に貢献し、経済と文化がめぐる社会の実現に向けて『共走』し続けます。」と定義しました。この言葉には信念と共に「私たち=トレジャーフットとは何者なのか?」という問いに対する回答でもあります。

ここで「共創」ではなく「共走」という言葉を選んだのは、「一緒にものを作る」以前から、課題の芽やアイデアの種を見つける段階で並走していきたいからです。プロジェクト完了後も、良い距離感を保ちながら走り続けることで、新たな価値を共に創造していきたいという想いが込められています。

◆行動を促す規範「Principle」

従来のバリューにあたる部分は、今回「Principle(プリンシプル)」として再定義し、Beliefを支える行動規範、全ステークホルダーで共有したい指針として以下の6つを定めました。もっともっと強く、前に進める言葉にしたいという思いが込められており、信念として定めたBeliefに負けない、芯のある規範が定まったと言えるでしょう。

①本質主義
プロジェクトに関わるお客様、パートナー、そしてトレジャーフットにとって、本当に価値のある、意味のある仕事とは何か、向き合い続けること。
その本質にこそ、地場の未来があるということ。

②ロマンとそろばん
ソロバンはロマンを輝かせる。
ソロバンがあってこそロマンは価値を発揮するということ。

③リスペクトスタート
常に関わる人たちにリスペクトをもつこと。
リスペクトからいい仕事が生まれ、それはやがて感謝に変わり、また新たな仕事につながるということ。

④やさしさ解像度
やさしさの解像度を上げていくこと。
思いやるだけでなく、時にぶつかることが、相手にも自分にも本当にやさしくあるのだということ。

⑤可能性思考
課題ではなく、可能性に目を向けること。
そこに社会を変えるアイデアが潜んでいるということ。

⑥正直マンシップ
誰に対しても正直であり続けること。
それが信頼関係の根っこであるということ。

◆担当の柳川さんに聞く、リニューアルの裏話

最後に、今回リニューアルを担当した柳川さんへプロジェクト進行時の裏話を伺いました。

――今回のリニューアルは、そもそもどんな経緯で始まったのですか?
柳川:昨年の夏頃、ラジオ収録のため鎌倉のオフィスへ伺った際に「8期目に入るタイミングでMVVを大きく見直したい」という話を代表の田中さんからいただいたのがきっかけです。9月の社内イベントであるビジョンデイで正式にリニューアルを発表して、そこから3か月ほどかけて、社員・業務委託含め全員にヒアリングを行いました。

――リニューアルにあたり印象的だったエピソードはありますか?
柳川:トレジャーフットを何かに例えるなら?」という質問ですね。「動物園」「カメレオン」「サーカス」「マザーテレサ」など、感性の多様性が面白かったです。
僕の印象としては「こうなりたい」という思いが言語化されていると感じました。これまでトレジャーフットのメンバーとして作ってきた土台に対して、素材というメンバーがどんどん乗ってきているような着想を得ています。

――Beliefではよくある「共創」ではなく「共走」を掲げています。理由を教えてください。
柳川:よく「共創」という言葉は使われますが、僕は創る前の段階から「一緒に走る」ことの大切さを伝えたかったんです。何を創るかが固まっていない段階から並走し、作った後も一緒に走り続ける。そこにトレジャーフットの強みがあるんじゃないかと思いました。ここの文章は1番悩んで作りましたね。

――6つのPrincipleの中で特に推したいものはありますか?
柳川:みんなが気に入ってくれているのは全部なんですけど、やっぱり「正直マンシップ」でしょうか。田中さんは従来のバリューに記載している、「徹底的に正直に」を絶対外せないものだと考えていました。
どう表現するのかを考えていた時「クラフトマンシップ」をいう言葉を見て「正直マンシップだ!」となりました。語感がちょっと昭和っぽい感じもありますが(笑)、スルメみたいに噛めば噛むほど良さがにじみ出るフレーズかなと思っています。実は、従来のバリューを残すことも案として存在していました。ですが、このままだとトレジャーフットの多様さを表現しきれないと感じたんです。そこで、多様さを言葉でも表現したいと思って6つのPrincipleとしました。

――最後に、リニューアルしたトレジャーフットにどんな未来を期待しますか?
柳川:僕は創業当初、トレジャーフットが田中さんと辻さんしかいなかった時期を知っており、その頃から掲げられている思いに共感してきました。そして、その先の未来も何か一緒に想像したいと考えてきたんです。今回のリニューアルで「宝物は、地場にある」という会社名の原点に立ち返れたのは感慨深いです。これが今後、みなさんの行動指針や誇れるキーワードになってくれたら嬉しいですね。「こういう考え方をしている会社なんです!」と社外の人に胸を張って言えて、それをきっかけに新しい出会いが生まれる。そんな未来を楽しみにしています。

◆一緒に挑戦しませんか?

トレジャーフットは8期目を「第2創業期」と位置づけ、「MVVをやめる」という思い切ったリニューアルに踏み切りました。その背景には、地場産業や地域社会、さらには全国のパートナーとともに、「ただ掲げるだけの理念」ではない信念を軸に未来を切り拓いていきたいという強い意志があります。

「宝物は、地場にある」という言葉は、トレジャーフットの存在意義そのものです。そして6つのPrincipleは、その意義を行動に移すための具体的な指針です。私たちは「NEIGHBORHOOD COMPANY」として、人や地域の可能性を信じ、共走し続けます。

もし「トレジャーフットと一緒にこんなことをやりたい!」「自社の課題を解決したい!」という思いをお持ちの方がいらっしゃれば、ぜひお声がけください。
私たちは、皆さまとともに地場に眠る宝物を掘り起こし、新しい価値を創造していく企業でありたいと願っています。

関連記事