今回のテーマはフリーランスの「値決め」に焦点を当て、フリーランスとして働いている方にとって悩みの種であるフリーランスの仕事の収入の確保、提供価値の評価などについて判断いただくためのポイントを紹介しています。
値決めの難しさと重要性
情報不足による不安と値決めの基本原則
フリーランスにとって値決めが難しい理由の一つは、他の人がサービスを提供している価格の情報が手に入りにくいことです。一般的な商品やサービスには定価が存在しますが、フリーランスの仕事にはそれがありません。そのため、自分の価格設定が適切かどうかを判断する基準がなく、不安を感じることが多いと思います。
また、フリーランスとして行なっていく上での、価格設定はビジネスの成否を左右する非常に重要な要素です。
安すぎる価格設定は利益を圧迫し、結果的にビジネスを続けることが難しくなります。
一方、高すぎる価格設定は顧客を遠ざけるリスクがあります。そのため、適切なバランスを見つけることが求められます。
フリーランスは自分自身が商品であり、サービスの提供者であるため、自己評価が価格設定に直結します。自己評価が低いと、低い価格設定をしてしまいがちですが、それでは十分な収入を得ることができません。
また、市場価値を理解し、それに見合った価格設定をすることが重要です。
フリーランスとしての価格設定において、「正解はない」という前提を理解することが重要です。価格設定においては、正しい考え方や方法をいくつか持っておくことが有効です。
フリーランスとしての価格設定で最も避けるべきことは、会社員時代の給料を基にした価格設定です。
会社員の給料は法律で守られており、年功序列や終身雇用の影響で上げにくい一方で、フリーランスの報酬は企業にとって外注費として扱われ、契約内容次第で大きく変動します。
会社員の給料は労働法によって保護されており、解雇や減給が難しいため、フリーランスの報酬とは全く異なる性質を持っていることをしっかりと理解した上で価格設定をすることが大切です。
リスクと責任
フリーランスの報酬は、雇用とは異なり、納品物に対する対価として支払われます。納品できなかった場合のリスクを考慮し、適切な価格設定を行う必要があります。例えば、納品が遅れたり、クオリティが期待に達しなかったりした場合、その報酬を受け取れないリスクがあります。このため、会社員時代の給料から単価を割り戻すのではなく、リスクを反映した高い価格設定が求められます。
しかし、一度設定した価格を上げ続けることが重要です。
価格を上げ続けることで、自分のスキルの向上を反映し、顧客にとっても「お得感」を感じてもらえるようになります。例えば、最初に10万円で受けた仕事を半年後に15万円に、1年後には20万円に設定することで、過去に安い価格でサービスを受けた顧客は得をしたと感じ、新しい顧客にも高い価値を提供できると感じてもらえます。
金額を下げて案件数を増やすということも可能ですが、先程お伝えした利益の減少と同時に稼働する自分自身のタイムパフォーマンスを下げる要因にもなりかねません。
値決めの具体的な方法
次にフリーランスが実際に値決めを行う際に参考になる具体的な方法をいくつか紹介します。
市場調査を行う
価格設定の第一歩は市場調査です。同業他社や他のフリーランスの価格を調査し、自分のスキルや経験に見合った価格設定を行います。インターネットや業界のイベント、ネットワークを活用して情報収集を行いましょう。また、コミュニティやソーシャルメディアで他のフリーランスとの交流を通じて、最新の市場動向を把握することも有効です。
価値に基づく価格設定と必要経費
提供するサービスや製品の価値を考慮した価格設定を行います。例えば、100万円の価値があると感じるサービスを提供する場合、その価値に見合った価格を設定することが重要です。この場合、自分のスキルや経験が顧客にどのような価値を提供できるかを明確に伝えることが大切です。価格設定においては、自分が提供する価値をしっかりと理解し、それを基に価格を設定することが求められます。
フリーランスは、会社員と異なり、自分で経費を負担する必要があります。例えば、保険料や事務用品、営業活動にかかる費用などを考慮した上で、適切な価格を設定することが求められます。また、税金の支払いや退職金の積立など、将来的な費用も考慮に入れて価格を設定することが重要です。
定期的に価格を見直す
市場の変化や自分のスキルの向上に応じて、定期的に価格を見直すことが重要です。
価格を上げ続けることで、自分のスキルや経験を正当に評価し、適切な報酬を得ることができます。特に新しいスキルの習得や大きなプロジェクトを成功させた場合など、自分の価値が上がったと感じるタイミングで価格を見直すことが有効です。
フリーランスとして成功するためには、適切な価格設定が欠かせません。
本記事で紹介したポイントを参考にして頂き、自分のスキルや経験を正当に評価した価格設定を行うことが大切です。
この記事がご自身での価格設定に悩まれているフリーランスの方々にとってのご参考になりましたら幸いです。