稼げるフリーランスは何が違うのか?【Treasurefoot College #1】

現代日本におけるフリーランスの定義とその多様性

2021年に策定されたフリーランスのガイドライン「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」の中では、新たな労働形態としてのフリーランスを正式に認識し、その基準を明確に設けました。このガイドラインによると、フリーランスは実店舗を持たない自営業者や、企業の枠組みにとらわれずに単独でビジネスを展開する一人社長と定義されています。これにより、フリーランスが自身の経験やスキルを活かして独立した職業人として働くことの法的な土台が整備されました。

また、フリーランスの実態に関するランサーズの調査では、フリーランスを生活スタイルや収入源に基づいて4つのタイプに分類しています。それは「副業系隙間ワーカー」「複業系パラレルワーカー」「自由業系フリーワーカー」「自営業系独立オーナー」というカテゴリです。これらの分類は、フリーランスが単一の職業群ではなく、さまざまな背景や目的を持つ個人から成り立っていることを浮き彫りにしています。

フリーランス4つの種類

「副業系隙間ワーカー」は本業がありながら、隙間時間を利用して副業としてフリーランスの仕事を行う人々を指します。彼らは安定した収入源を持ちつつ、余暇を活用して副収入を得ることを目指しています。

次に「複業系パラレルワーカー」は、複数の職業やプロジェクトに同時に従事する人々で、多角的なキャリアを築いています。彼らは一つの会社に依存するのではなく、複数の源泉から収入を得ることで、経済的な安定とキャリアの多様性を追求しています。

「自由業系フリーワーカー」は特定の勤務先を持たず、完全に独立したプロフェッショナルです。彼らは自分の専門性を市場に提供し、個人の能力を最大限に活かして働いています。

最後に「自営業系独立オーナー」は、自分自身のビジネスを持ち、それを経営する個人です。彼らは一人で全てのビジネス活動を行い、自己責任のもとで事業を運営しています。

日本のフリーランス市場における多様性を理解するためには、これらのタイプを個別に考察することが重要です。それぞれのフリーランスタイプは、異なるニーズや価値観、そして働き方を持っており、その違いが日本の労働市場に新たな風を吹き込んでいます。

ランサーズの調査結果に基づくと、フリーランスの働き方の多様性が経済に与える影響は計り知れず、今後もこの分野の発展とともに、労働市場のダイナミクスはさらに変化していくと予想されます。フリーランスとしての生き方が一般化するにつれ、政府や企業は彼らが直面する課題に対応し、サポートするための新たな方策を模索する必要があります。フリーランスという働き方が、今後も日本の労働市場において重要な位置を占めていくでしょう。
https://www.lancers.co.jp/news/info/20563/
(出所)「【ランサーズ】フリーランス実態調査 2021」

稼げるフリーランスと稼げないフリーランスの違い

日本は現在、深刻な人手不足に直面しています。国立社会保障人口問題研究所の報告によると、1995年に8726万人だった生産年齢人口は減少傾向にあり、2056年には5000万人を下回ると予測されています。この人手不足は、一部の分野ではフリーランスにとって大きな機会をもたらしています。特に、専門技術や独自のスキルを持つフリーランスは、人材が不足している分野で重宝される可能性があります。

一方で、労働力の不足と高度人材の不足は異なる問題ということには留意すべきでしょう。特にここが、稼げるフリーランスと稼げないフリーランスを分ける大きな境目にもなります。

単なる労働力の不足では、時間を単純に切り売りすることになります。しかし、それでは、個人の収入とキャリアの成長には限界があります。これに対して、知的生産を提供できる高度人材は、その専門性とスキルにより、時間にとらわれず、かつ価値のあるサービスを提供することができます。

だからこそ、稼げるフリーランスにとって、知的生産のスキルは極めて重要です。時間に依存しないスキルや知識は、限られた時間の中で最大限の収入を生み出す鍵です。自分自身の知識や経験を活用することで、フリーランスはより大きな価値を提供できます。「時給で働く」という考え方とは別の方法で仕事を進めることができるからです。

例えば、フリーランス協会が発表した「フリーランス白書2023」をみると、フリーランスの6割が時給4000円未満で働いており、7000円以上は1割にすぎません。時給に縛られない高度人材になるためには、専門知識、創造性、問題解決能力などの能力の取得が必要ですが、これらのスキルは、限られた時間の中で最大限の成果を生むことを可能にします。経験やスキルは、使えば使うほど増える資産となり、フリーランスの価値を高める重要な要素となります。

(出所)「フリーランス白書2023」フリーランス協会

「砂漠で水を売る」戦略とは?

もうひとつ、実際に弊社の社員の事例をだしながら、稼げるフリーランスになるために押さえておきたいポイントをご紹介します。それは「砂漠で水を売る」という発想です。

弊社の社員で、東京都と山梨県の2拠点で生活している女性がいます。彼女は現在30代で、山梨から上京したあとは、5年ほど総合職として働いていました。当時のキャリアは一般的で、特別な独立スキルもなく、広く浅いジェネラリストでした。

しかし、彼女は退職して約4年前にフリーランスの道を選びました。その際、東京都と実家のある山梨県に里帰りしながら、2拠点での生活をスタートさせました。2拠点生活というライフスタイルがまだ一般的でなかった頃であり、そのことが地元の山梨県で話題になりました。これにより、総合職として働いていた時より、自分の希少価値が高まったのです。

山梨と東京!注目を浴びた2拠点生活

東京都と地方の2拠点で生活しながらフリーで働いている20代の女性として、彼女のライフスタイルは山梨県では大きな注目を浴び、ラジオや雑誌の取材も多く受けました。その後、彼女はフリーランスから弊社の社員になり、現在では取締役に昇進しました。

結果として、彼女は行政案件のアドバイザーとして公募案件の審査員を務め、現在ではいくつかの大学で講師として授業を行い、指導をする立場になりました。東京の都市部では水を売っても売れませんが、砂漠で水を売れば高く売れます。

つまり、自分という商品をどこに持っていくかで価値は大きく変わるのです。多くの人は頭で理解していても、自分にそんなことが実現できるのか、スキルはあるのか、通用するのか、わからないと感じるかもしれません。しかし、スキルを磨いて希少価値を高めることはできます。必ず知的生産者になれるのです。

自分の付加価値を高め続けるということ

日本のフリーランス市場は、非常に大きな成長の可能性を秘めており、多くのフリーランスたちがその波に乗る準備をしています。しかし、単にフリーランスとして活動を始めたからといって、成功が約束されるわけではありません。市場には無数のフリーランスが存在し、その中で一際目立つ存在になるためには、個々の専門性の向上と戦略的なキャリアデザインが欠かせないのです。

成功するフリーランスとなるためには、まず自分自身の内面を深く掘り下げ、自己の強みや弱みを正確に把握することから始めます。自分が何を最もよくできるのか、また市場でどのようなニーズがあるのかを理解し、そのギャップを埋めるための独自性や専門性を磨き上げる必要があります。たとえば、デジタルマーケティングのスキルを持っている場合、さらに特化してSNSマーケティングやSEO対策といった分野で専門家となることで、より多くのクライアントに自分を必要としてもらえるようになります。

次に、そのスキルを市場に適切にアピールし、価値を認識してもらうための戦略が重要です。ポートフォリオの作成、SNSでの積極的な発信、ネットワーキングイベントへの参加などを通じて、自分の専門性を知ってもらい、信頼を築き上げていくことが成功への鍵となります。また、クライアントとの良好な関係を維持することで、リピート率を高め、安定した収入源を確保することも大切です。

フリーランスとしてのキャリアを長期的に考えたとき、継続的な学習とスキルアップは不可欠です。テクノロジーやトレンドは日々進化しているため、常に最新の情報を得て、自分のサービスをアップデートし続けることで、市場での競争力を保つことができます。オンラインコースの受講や資格取得、業界内のワークショップへの参加などを通じて、自己投資を惜しまずに行うことが重要です。

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