「自分事化」の第一歩。「トレフの虎」と新拠点で挑む、トレジャーフットのアップデートプロジェクトとは。

2025年2月、株式会社トレジャーフットが従来の経営理念およびMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)をリニューアルしてから1年、私たちの組織は静かに、しかし劇的に変わり始めています。(リニューアルについての詳細はこちら
社員主導の福利厚生提案プログラム「トレフの虎」からは、単なる制度を超えたユニークな福利厚生案が次々と生まれ、鎌倉の由比ヶ浜には新たな思想を体現する拠点、2号館が完成しました。なぜ今、制度と場所を同時に、しかも抜本的に刷新する必要があったのか。その根底にあるのは、正解のない地域課題という荒波に挑み続けるための揺るぎない人づくりへの哲学と、組織としての新たな一歩でした。

今回の記事では、トレジャーフットが組織をアップデートするために進めてきたプロジェクトをご紹介します。

◆ 「自分ごと」化への第一歩こそが「トレフの虎」

多様な働き方が広がる中で私たちが目指したのは、会社を自分ごと化し、強くしなやかな組織を作ることでした。そのための具体的なアクションとして始まったのが、社員が経営陣に対して新たな福利厚生を提案するプログラム「トレフの虎」です。これは単なる目安箱やアイデアコンテストではありません。予算配分、実現までのロードマップ、そしてその施策が会社にどのようなインパクトを与えるかまでを社員自らが設計し、経営陣に本気でプレゼンする、いわば経営の模擬戦です。
なぜテーマを新規事業ではなく福利厚生にしたのか。そこには、組織論における構造的な矛盾を解消するという明確な意図がありました。多くの企業が社員に対し、主体的に働いてほしい、イニシアチブを持って動いてほしいと号令をかけます。

しかし、会社から「主体性を持って行動してほしい」と指示されて行動すること自体、受動的であり、本来の主体性とは矛盾しています。言われて発揮する主体性は、本当の主体性ではありません。本質的な主体性を育てるためには、社員が100%自分たちにメリットがある「福利厚生」について、誰に言われるでもなく自ら進んで考えられるよう「トレフの虎」では新たな福利厚生をテーマにしています。
通常のクライアントワークでは、どうしても顧客の要望、予算、納期といった外部要因に左右され、すべてを自分でコントロールすることは困難です。しかし、自分たちの福利厚生であれば、予算の使い方も制度の内容も、すべての決定権を持ってコントロールが可能です。
まずは自分たちのメリットのために自分で考え、提案し、勝ち取る。このプロセスは、スポーツにおける走り込みのような基礎トレーニングと同様です。プロスポーツ選手は華やかなプレーの裏に地味で過酷な基礎トレーニングを積んでいます。

スポーツの基礎である走り込みこそが、トレジャーフットにとっての主体性です。主体性という筋肉がついて初めて、クライアントや地域という他者の複雑な課題に対しても自分ごととして向き合い、最後までやり抜く力が備わるのです。

トレジャーフットには、決まりきったワンパッケージのソリューションはありません。私たちが向き合う地域企業の課題は多種多様であり、かつ深刻です。それに対して小手先のテクニックではなく、本質主義で向き合い、現場の知恵と工夫で乗り越えていく必要があります。マニュアル通りの対応しかできない組織では地域の課題は解決できません。社員一人ひとりが目の前の事象を自分ごととして捉え、自律的に判断して動く個の強さが不可欠なのです。
実際に、普段は人前で積極的に話すタイプではないメンバーが自ら発起してプレゼン資料を作り込み、熱量を持って形にする、という場面もみられました。会社を良くするためのスタートラインに社員自身が立った。この熱量は確実に他のメンバーへと伝播し、組織全体の体温を上げ始めています。

◆ 人が育つから、会社が育つ。

トレフの虎採択プロジェクト① あしひかり

厳しい審査を経て、採択された3案のうち、1つ目が「あしひかり」です。

これは秋田県の契約農家と連携し、社員へ毎月お米を届ける福利厚生ですが、単なる⾷料⽀援ではありません。現地での田植えや稲刈り体験を組み合わせることで、食を通じて社員の健康を支えつつ、地域との継続的なつながり(関係人口)を創出します。「宝物は、地場にある。」という信念を社員自らが体現する試みとして、採択されました。

トレフの虎採択プロジェクト② Cultivate Garden

2つ目に採択されたのが、組織文化を醸成する「Cultivate Garden」です。

これは組織を「庭」に見立て、成果だけでなくプロセスや関係性の質を重視する文化を、対話を通じて耕していく試みです。トレジャーフットでは、このエッセンスを毎日の朝礼やコミュニケーションに導入することからスタートしました。効率重視の業務の中で、あえて立ち止まり、互いの感性を認め合う「余白」を作ることで、強くしなやかなチームの土壌を育んでいます。

トレフの虎採択プロジェクト③ ヘルスケアパッケージ

3つ目に採択されたのが社員の心身を守る基盤の「トレジャーフット ヘルスケアパッケージ」です。

長く安心して働ける環境を整備するプロジェクトとして、予防接種の費用補助や健康診断のオプションサポートなどを実施することになりました。それぞれのライフステージや健康課題に合わせて「自分の体を守るための選択」を会社がバックアップします。

◆同じ空間にいることで得られる価値を

「トレフの虎」を通じた、社員の主体性育成と同時に、私たちは会社のハード面とも言えるオフィス拡大を決断しました。それが、鎌倉市の由比ヶ浜に構えた鎌倉オフィス2号館です。コロナ禍を経てリモートワークは定着し、多くの企業がオフィスを縮小する中で、私たちはあえて顔を合わせる環境への回帰を選びました。
もちろんリモートワークの利便性を否定するわけではありません。しかし、私たちが目指す高いレベルの主体性や、言葉にしなくても意図が伝わる阿吽の呼吸での連携を育てるには、オンラインだけでは時間がかかりすぎると痛感しました。画面越しのコミュニケーションでは、どうしても情報の解像度が落ち、熱量が減衰してしまうのです。
人を育てるビジネスモデルだからこそ、膝を突き合わせ、空気感を共有する環境が必要です。顔を合わせて議論し、悩み、笑い合い、時には激論を交わす。その密度の濃さが成長のスピードを加速させると確信しています。

野球の練習で行う守備強化メニューのひとつに、「1000本ノック」と呼ばれるものがあります。打たれたボールの捕球と送球を繰り返しひたすら続ける練習は厳しいものです。1人で行っていると心が折れ、孤独に押しつぶされてしまうでしょう。しかし後ろで声を枯らして応援してくれる仲間がいれば、あるいは隣で同じように泥まみれになっている仲間がいれば、それは苦行ではなく熱狂に変わります。
リモートワークの最大の弊害はこの孤独です。1人で悩んでいる状態になりやすく、セーフティネットが機能しづらい。鎌倉オフィス2号館は、隣で苦しんでいる人がいる、頑張っている人が見える環境を作るための装置です。孤独を解消し、チームとして困難に立ち向かう集団的熱狂を生み出す。それこそが難易度の高い地域課題を突破するためのエネルギー源になります。

新拠点は鎌倉を代表するローカル電車、江ノ電が走り、長谷寺へと続く参道沿いにある由比ヶ浜ビルにあります。これは私たちが鎌倉という地域に根を張り、その風景の一部として責任を持つという地域に対する覚悟の表れです。
内装や空間設計は、代表取締役である田中がプロデュース。意識したのは、無機質なオフィスではなく働きやすいリビングのような空間です。効率だけを求めて机を並べるのではなく、イベントを行ったりクライアントを招いて語り合ったり、あるいはリラックスしてアイデアを練ったりできるフレキシブルなオフィスになりました。

◆ 未来に向けて

トレフの虎で鍛えた個の強さと、鎌倉オフィス2号館で生まれるチームの熱狂。この両輪が揃った今、トレジャーフットは次のフェーズへと進みます。

鎌倉に根を張り、寝食を共にするような濃いチームワークで、私たちは地場産業の宝物を次々と輝かせていきます。私たちが自ら変化し続ける姿こそが、地域の未来を照らす灯火になると信じて。

関連記事