【インタビュー】「想いを大切にしたい」トレジャーフットがM&Aで迎え入れたい企業とは

2024年、株式会社トレジャーフットとソーシャルM&AファームGOZEN(ゴゼン)は共同で地場産業の成長支援に特化したM&A事業 FUERUCO(フエルコ)を開始いたしました。
そして、この度トレジャーフットが買い手となるM&Aを実施すべく、事業売却のご相談に関する受付を開始いたしました。
今回はトレジャーフットが買い手となってM&Aを目指すにあたり、出会いたい企業やM&A事業への想いについてインタビュー形式でご紹介します。

話し手

田中祐樹(たなか ゆうき)
株式会社トレジャーフット 代表取締役社長
新卒で株式会社セプテーニ入社後、マーケティングの力をローカルで活かすために沖縄県へ移住。地域密着メディアを運営する株式会社パムローカルメディア代表取締役社長に就任し、地域課題の解決に奔走。その後、株式会社ベネフィット・ワンにてサービス開発部部長代理 兼 新規事業開発の責任者を経て、2018年3月に株式会社トレジャーフット設立。

聞き手

ソーシャルM&A®️ファームGOZEN代表
スモールビジネス、ソーシャルビジネスの経営とM&Aが専門。ソーシャルM&AファームGOZEN代表。2022年、3年間経営したボディポジティブなランジェリーブランドfeastの事業グロースとバイアウトを実現。現在株式会社feastにて取締役社長としてPMIに従事。直近ではForbes カルチャープレナー受賞企業のM&Aを支援。
▶詳細はこちら
https://forbesjapan.com/articles/detail/74587
https://www.fashionsnap.com/article/2024-10-29/relier81/
concon株式会社CSO/株式会社水中メンター/2018.2019年渋谷ファッション&アート専門学校 非常勤講師/日本マーケティング学会会員。一橋大学 社会学部/同大学院 社会学研究科修士課程修了。WSD28期ワークショップデザイナー。1983年東京生まれ。

8年間の地方支援から見えた事業承継ニーズ

布田:本日は、地場産業支援を行う株式会社トレジャーフット(以下、トレジャーフット)の代表である田中さんにM&A事業に対する想いを伺っていきます。
まず、トレジャーフットがM&A事業を始めようと考えられた背景について教えてください。

田中:ありがとうございます。M&A事業を行おうと思った原体験、それは実際に事業承継のご相談をいただいたことがきっかけなんです。もともと弊社は創業から約8年間、地場で課題を抱える中小企業をプロ人材と共に支援してきました。その中で、高齢の経営者の方から「事業を引き継いでほしい」と相談を受けたことがあったんです。しかし、当時は会社として準備が整っておらず、お受けできませんでした。この時の経験が「将来的には事業承継も含めてクライアントのサポートができる会社になりたい」という思いにつながりました。

さらにM&A事業を進める中で、いずれトレジャーフット自身もM&Aの当事者となり、実際に事業の買い手となる経験を持つことで、より実践的で価値あるサービスを提供できるはずだという確信を得ました。自らが買い手として現場に入り、成功も失敗も含めて学びを得ることで、クライアントに還元できる知見が格段に深まると考えています。

実際、一般的なM&Aエージェントの場合「事業を売るか売らないか」の二択で収めてしまう場合が多いんですね。ですが、私たちは、外部人材活用による事業再生や新規事業開発といった多角的な手段を通じて企業を支援してきました。だからこそ事業承継においても「事業を売る・売らない」だけでない幅広い選択肢を提示できると考えています。その選択肢こそが、トレジャーフットが提供するM&A事業として、お客様へ高い価値を発揮できると信じています。

7年連続黒字と「第二創業期」のビジョン

布田:トレジャーフットは長年地方企業をサポートされてきたとのことですが、現在の経営状況はいかがでしょうか?

田中:ありがたいことに、創業以来7年連続で黒字経営を維持しています。2025年2月からは経営理念をBeliefに変更し「宝物は地場にある」というスローガンを掲げ、これを「第二創業期」と位置づけました。(経営理念リニューアルプロジェクトについてはこちら:https://treasurefoot.com/report/4998/ )今後の目標としては、私たち自身が実際にM&Aを行い、地場産業を承継、運営することで、地域経済の活性化をさらに推し進めたいと考えています。

トレジャーフットは、これまで数百もの課題を抱えた企業の支援を手がけてきました。このノウハウがあれば、買収後のPMI(経営統合)の部分もスムーズに対応できるはずです。「地域経済を本気で元気にしていきたい」という想いを胸に取り組んでいきたいと考えていますので、まずは事業承継と言わずとも「良い経営環境を作りたい」といったことでも良いので、気軽にご相談いただきたいと思います。

強みは「地場の製造業×デジタルマーケティング支援」

布田:なるほど、コロナ禍もあった中で7年連続での黒字は大きな強みですね。そこからM&A事業を進めるにあたり、トレジャーフットが得意とする支援領域はどのような部分になるのでしょうか?

田中:そうですね、トレジャーフット独自の強みは製造業系の企業様が抱える課題の支援です。弊社では、これまで多くの製造業を中心に販路拡大や経営支援を行ってきました。製造業と一言で表しても、食品・雑貨・酒類など、様々な領域のクライアントがいらっしゃいました。そういった企業が抱える課題、特にデジタルマーケティングやECなどの販売促進領域に強みがあります。創業当初から「地方にはデジタル人材が不足している」という課題に着目し、プロ人材を活用するビジネスモデルを展開してきました。

そのため、社内にはデジタル分野やIT分野に精通したメンバーが多いのも強みですね。M&A後の「売上をどう伸ばすか」という局面で、かなり力を発揮できると思います。

「儲かるだけじゃ意味がない」―― ストーリーと想いを大切にするM&A

布田:ありがとうございます。確かに「売り上げを伸ばす」という領域において、トレジャーフットの実績は再現性の高いものと言えると思いますし、大きな魅力ですね。
そのような中で、M&A候補となる企業を考えていく際、どのような会社とM&Aを行いたいと考えていますか?

田中:もちろん収益性は大切ですが、それだけではありません。企業が歩んできたストーリーや、創業者の想い、地域とのつながりなど、数字には表れない価値を私たちは重視しています。たとえば、長年培われた製造技術やブランドストーリー、地域に根ざしたファンとの関係性などですね。
弊社の信念であるBeliefは「宝物は地場にある」です。これは地方がもつ潜在的な力や魅力を大切にしたいという想いの表れでもあります。社会性と経済性のバランスを保ちながら美しい絵を一緒に描いていきたいですね。

布田:ありがとうございます。やはり、トレジャーフットは黒字の状況を長く続けつつも想いという部分を大切にしているということで、社会性と経済性のバランスが非常に良い企業ですよね。
現代では、ソーシャルビジネスやゼブラ企業のような社会性を大切にしている企業も多くある中で、想いも一緒に繋いでいくというトレジャーフットはM&A先としても魅力的であると思います。

地域の価値を未来へ――「宝物は地場にある」の真意

布田:それでは最後に、M&Aを検討している経営者の方々へメッセージをお願いします。

田中:先ほどもお話ししたように、トレジャーフットは想いと経済性という2つの観点を踏まえた上で、事業承継を行いたいと考えています。
もし「自分が培ってきた事業の火種を大きく育てたい」「次の世代にしっかり思いを受け継いでほしい」という経営者の方がいれば、ぜひトレジャーフットにご相談ください。
私たちのノウハウを最大限活かし、社会性と経済性を両立する形で、事業の成長を後押しできればと考えています。

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