ツギハギだらけの履歴書は私の宝物だった 複業時代の「かけ算思考」【SAGA Smart Terakoya 受講者レポート】

今回はこれまでトレジャーフットが佐賀県と協働で進めていた佐賀県内企業におけるDX推進プログラム
「Saga Smart Terakoya」の受講生、鈴木美弥子さんに寄稿をいただきました。

★Saga Smart Terakoyaの関連記事はこちらから

「キャリアのブランクは大敵!」と言われる今、私には仕事を辞めて専業主婦だった期間が6年ほどあります。

そんな私ですが、今はやりたい仕事をし、夢や希望に満ちあふれた毎日を送っています。

そのきっかけの一つは、間違いなく「Terakoya」との出合いでした。

 女性が正社員を辞めるとかけられる「呪い」

新卒時、私は総合職(企画職)として住宅設備メーカーに就職しました。大学時代に広告を学んでいたことから、広報ができればいいな、という期待を持っていましたが、配属されたのはシステム推進室。思いかけず社内SEをすることになりました。できる限りのことはやろう!と夢中で仕事に取り組みましたが、帰宅は午前0時をまわり、慢性的な睡眠不足やストレスから心身を壊し、一時期休職したこともありました。

遠方に住んでいる相手と結婚することになったのを機に、私は仕事を辞めることにしました。
悩みましたが、結婚の先にある出産や子育てを考えると、両実家も遠方で頼れない中、別居(もしくは遠距離通勤)で今の仕事を続けながらの子育ては難しいと思ったからです。

周りからは驚かれました。
色々と意見をもらった中で「女性が正社員を辞めると2度とやりがいのある仕事に就けないから、よく考えた方がいいよ」と言われたことが、まるで「呪い」のように心に引っかかっていました。将来のことは誰にもわからないのに、なぜ決めつけられるのか。同時に、当時の状況を考えると「そうかもしれない」と思っている自分もいました。ただ、一番重要なのは幸せに生きること。それを見失わないように行動しよう、と心に決めていました。

やりたいことをやっていたら18年ごしの夢が叶った

愛知県から夫の勤務地である三重県に転居。ここから今に至るまで、私は家庭や子どもの状況に応じて仕事を変えていく選択をしました。

最初は派遣社員として、製薬メーカーの事務。妊娠・出産を経て専業主婦時代は、友人と子育てサークルを立ち上げて月1でのイベント企画や、地元のマルシェでハンドメイド品の出展販売をしました。

2人目の子が幼稚園に入園したのを機に、短時間パートとしてパソコン教室の講師を始めます。夫の転勤で佐賀県に引っ越してからは、学校のICT化を支援する企業で、先生向けマニュアルを作成する扶養内パートとなりました。

佐賀県の住みやすさに感動し、もっと知りたい・伝えたいとの気持ちで「街なかかわらばん佐賀」のボランティアライターにもなりました。そんな中、そろそろフルタイムの仕事を、と考え「SSS」でPythonを学んだ後、本格的に就職活動を開始しました。

この時ちょうど40才になっていた私は書類落ちの連続でした。冒頭の「呪い」が頭をかすめる中、「佐賀県庁 広報広聴課 福岡メディアへの広報業務(雇用期間の定めあり)」という求人を見つけました。学んだPythonスキルは活かせない仕事でしたが、私は大学時代の広報をやりたい、といった夢を思い出し、ダメもとで応募することにしました。ライター活動経験、熱意とやる気で奇跡的に採用されました。

全ての経験が価値になる「複業」 Terakoyaとの出合い

18年ごしの夢が叶い、広報担当となったものの臨時職員、3年で別の職に就く必要があります。尊敬できる人に囲まれて、やりがいのある仕事が日々できています。自分が担当した番組での広報がきっかけで、イベント参加者が増えるなど反響があると本当に嬉しく思っています。

今の職が終わっても、こんな喜びを感じる仕事を続けていきたい。そんな時に見つけたのが、「シゴトに繋げる起業複業支援塾 - Saga Smart Terakoya」でした。今の仕事に近い複業ができれば、今後も好きな仕事を続けられるかもしれない!何となくそう感じた私は、即座に申し込みをしました。

全3回の講座を全て受講し、私が特に感動したのは「キャリアのかけ算」という考え方です。

「平凡な人でも、3つのキャリアを掛け算すれば、100万人に1人の希少性の高い人になれる」というものです。私はこれまでも述べてきた通り、転居や転職も多く、掛け合わせる要素がありすぎるほどありました。つまり、希少性の高い人材になっていたのです。

「専業主婦」や「子育て」、「転勤」も見方によっては強みになる。そしてそれは、私が複業を始める際の「商品のタネ」にもなり得るのです。この考え方は、大きな励みにもなりました。

また、講座外でも「Terakoya」には多くの仕掛けがありました。

複業案件獲得には「人脈」が重要になってきますが、「Terakoya」は参加するだけでコミュニティの一員となり、人脈が広がります。受講生は全員Slackというコミュニケーションツールを導入することになっており、これにより他の受講生や、「Terakoya」の主催者と直接連絡をとることができるのです。SlackからZoomで行われる復習会や座談会への参加もできます。

そして、この講座外の部分を一番使い倒した受講生、それはきっと私です。

大真面目に周りを巻き込み実行したら…

Terakoyaを盛り上げるため「enTIKA」というサポートメンバー制度がありました。「enTIKA」に登録していた私は、2回目の会議で「Terakoyaのお見合い大作戦!」という企画の提案をしました。これは、「仕事探し」と「嫁探し」が似ていることから着想を得た、複業したい人と、仕事を発注したい企業や人をつなぐイベントです。某お見合い番組のイメージで、笑いながら提案したことを覚えています。

提案の数日後、「企画実現のため、鈴木さん中心に動いてみませんか?」とトレジャーフットの辻さんからお声がけいただきました。講座で考えた「商品のタネ」でイベント企画も考えていた私は迷わず「やります!」と返答しました。

辻さんと企画会議や講座で出会った3名と共に、まずは企画内容を固めるためのZoom会議を行いました。事前に作成した企画書を共有しながらプレゼンをした結果、皆さんから本気のコメントをいただき、最後には「いい会議だった!」と讃えあう、アツい会議となりました。その後、参加者を集めるためには内容をわかりやすく伝える必要があると思い、企画のホームページも自作しました。「イベント企画からホームページ作成まで1人でできるのは強い、商品になるよ!」とのお声をいただいたことは自信にも繋がりました。

企画を進める中で、当初の企画はまだ実現が難しいと判断、複業人材として受講生のレベルアップを目的とした「複業人材壁打ち大作戦!プレ版」を計画し、3月末に実施しました。参加者からは「想像よりよかった!次回も参加したい!」との声をいただき、今後もこの企画をレベルアップしながら開催していくことになりました。

何歳になっても、やりたい仕事で生きていく。

「今日の会議で、鈴木さんに仕事を発注することに決めたよ!」実はイベント企画のアツい会議の後、受講生でもある方からSlackにメッセージが届いていました。今まで、仕事はどこかに所属して貰うものでしたが、私個人を見て信頼していただいた結果、仕事を発注していただけるという、今までに感じたことのない喜びがそこにはありました。

正社員として仕事をすることだけが「やりがいのある仕事」ではない、と今までの仕事でも感じていましたが、私の中では冒頭の「呪い」が完全に解けた瞬間でした。

座談会やSlackで交流していた中で、自己開示の大切さも実感しました。自分の今の仕事や、やりたいことを発信することで、「鈴木さんの未来の働き方に近い方がいたよ!」と参考になる記事と共にメッセージをくれた方もいましたし、元キャリアアドバイザーの方からは、今後つけていくといいスキルなどのアドバイスもいただきました。

私の今の夢、それは「伝える」を仕事にすることです。

現職では「佐賀県のいいところ」を伝える仕事をしています。今の仕事に関わる知識を深めながら、複業でも「伝える」周りの様々なツール作成をできたらと思っています。この文章を書いているのも、その夢の一部です。複業で実績を積み、何歳になっても、やりたい仕事で生きたいと考えています。

また、私は自分がそうだったように、キャリアを中断した人や、思うように働けていない人を応援したいという野望もあります。働き方に関する悩みのある人は、ぜひ「Terakoya」を受講してください。絶対にヒントが見つかります。私も「Terakoyaのお見合い大作戦!」を実現させて、仕事を発注してくれる人とのマッチングを後押ししていきます。

関連記事