【プロ人材インタビュー】パナソニックでの30年の勤務経験。自身のスキルで業務改善・DXを推進し、中小企業をサポート。| プロ人材 田川潤一さん

今回はトレジャーフットでプロ人材として活躍していただいている田川潤一さんにインタビューを行いました。
田川さんは、パナソニックでの30年の勤務経験を持ち、現在は独立をされ中小企業様へ業務効率化の技術サポートを実施しています。

今回は、昨今中小企業にとって重要なテーマとなっている「DX・業務効率化」について、田川さんがどのような支援を行っているのか、さらに中小企業に対する思いについてお伺いしました。

田川 潤一様 プロフィール
パナソニックコネクト株式会社データサービス開発室長、 AI・IoTソリューション部長などを歴任。2023年3月TeraGroove合同会社を設立。これまで培ってきたノウハウを生かし、業務改善、ITシステム導入、データ分析などの領域のコンサルティングとソフトウェア開発を通じて中堅中小企業の現場課題解決をハンズオン型で伴走支援を行う。

—田川さんのこれまでの経歴を教えてください

パナソニックにて約30年間、ソフトウェアエンジニアとして、オーディオ/ビデオ関連製品の新規ソフトウェア開発や、企業の業務効率化ソリューションの提案を行ってきました。

後半は、製造業向けのAI画像認識を活用した品質管理自動化ソフトや、物流業向けの予測モデルを活用した作業最適化支援システムなど、BtoBの企業様に向けた業務効率化ソリューションの提案や導入支援を行ってきました。

その後、パナソニックを早期定年退職いたしまして、地方中小企業の企業様を中心に業務改善ソリューションやDX化のサポートを行う会社を2023年に設立しました。

現在は、これまでパナソニックでのキャリアで培ってきた、AIやソフトウェアを活用した業務改善や効率化のための技術サポートを地方中小企業向けに行っています。

—パナソニックでの長きにわたるキャリアを経て、なぜ独立をしたのですか?

パナソニック時代では、主に大手企業を中心に業務効率化のサポートを行ってきたのですが、やはり大企業よりも中小企業の方がリソースが限られていますし、業務効率化の必要性が高いのでは?と感じたからです。

実際に独立をしてから多くの中小企業とお話しをする中で、課題の認識はしているものの、予算やリソースの問題もあり、自社内で業務効率化のプロジェクトを推進できないといったケースを見てきました。

ですので、先ほど申し上げたような本当に困っているお客様に対して、これまで会社員時代で培ってきた、企業の業務改善のためのソリューションや、システムの開発などの自身の価値を提供し、企業の事業成長のお手伝いをしたいといった思いがあり独立しました。

—現在トレジャーフットとはどのようなプロジェクトを実施しているのでしょうか?

熊本県の海苔製造メーカー「株式会社通宝」様の業務効率化、データ活用支援を行っております。

「ペーパーレス化」や「営業、経営数値のデジタル化」など数あるテーマの中から、推進テーマについて議論を重ねていく中で、まずは正しい営業/経営数値の「見える化」に着手しました。

通宝様はより経営を良くしていきたいという思いを持っている一方で、営業や経営に関わるデータを紙やエクセルで管理しており、正確なデータを得ることが困難な状況でした。

そこで、企業の必要な情報を集約・分析し、経営や業務に活用でき、ビジネスの意思決定を支援するためのソフトウェアである「BIツール」を活用して、それぞれの数値をデジタル化したダッシュボードを開発し、会社の意思決定に関わる営業や経営数値のデジタル化を図りました。

それによって、従業員の勘や経験によって導き出された属人的なデータではなく、実際の数値に基づいた正しい営業/経営数値の「見える化」を実現させました。

1年近くプロジェクトを行っておりますが、経営状況の把握と意思決定スピードが大きく向上している感覚があります。

次のステップとしては、より現場レベルの方が関わる業務のデジタル化やツール導入、さらに在庫管理などのペーパーレス化を進め、会社全体の業務効率化を図っていく方針です。

—プロジェクトの中では、田川さんはどのような役割を担っているのでしょうか?

要件定義などのコンサルティング的な要素から、さらにはシステムの設計や構築そして運用まで一気通貫でサポートをしています。

具体的には、毎週企業の方々も交えた定例のミーティングを実施し、ソリューションの提案や、意識のすりわせや方向性を定めながら、スピーディーにサービスやシステムを実装していきます。

おそらく従来の企業であれば、コンサルティングや開発などが分断されるケースが非常に多く、ステークホルダーが増えれば増えるほど、企業様のご負担が増えるかと思います。

しかし、私がすべての工程に関わることで、各フェーズで役割が分断せずに、かつこれまでの経緯や、企業理解ができている状態ですので、シームレスな支援が可能になっていると思います。

—支援をしている中で、成果を残すために意識していることはありますか?

企業様の立場に立って「伴走」をするということを特に意識しています。

これは前職時代に、BtoBのソリューション開発をしていた時の経験なのですが、企業に業務効率化の提案をする際に、自社のソリューションを中心に提案していたのですが、それが必ずしも依頼企業の困りごとに対する最適解になっていないのではないかと疑問を持つようなこともありました。

つまりプロダクトアウト志向になっていて、本当に企業が困っていることに対して適切なアプローチが出来ていなかったのだと気付かされたのです。

このような経験もあり、企業の文化やノウハウ、事業内容などを理解し、企業に当事者意識を持っていただきながら、企業の思いや意思を常に共有し合った上でサポートすることを大事にしています。

それこそが、企業様にとって本当の意味で必要なソリューションとなると思います。

—最後に、どういった企業様とお仕事をしたいですか?

エンドユーザーに対して「よい商品/サービス」を一生懸命提供しようとしている、でもリソースが足りなくて業務効率化の必要性を感じているが具体的に何から手を付けていいかわからない、という企業とのお仕事をしたいです。

我々プロ人材はソリューション提供が仕事なのですが、その出発点である課題感が明確であれば、その解決策も一緒に考えやすくなり、ご支援の費用対効果も高まります。

ですので、その解決策に対して、自分のスキルやノウハウを使ってお役に立てるような仕事ができればと考えています。

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