地域の未来をデジタルで創る! 「バルーナーズお仕事体験 2025」 イベントレポート

2024年11月29日(土)と12月21日(日)の2日間にわたり、佐賀のプロバスケットボールチーム「佐賀バルーナーズ」と、佐賀県が推進する起業・複業支援事業「SAGA Smart Terakoya」が共同で、中学生向けワークショップ「バルーナーズお仕事体験 2025」を開催しました。

今回のコラボレーションのきっかけは、昨年度に行われた「バルーナーズ企画アイデアソン」です。プロバスケットボールの最高峰リーグであるB1リーグへ昇格したチームのファンを増やしたいという課題に対し、Terakoyaの受講生たちが出した「バルーナーズ版・子どもお仕事体験」という案が、実際のイベントとして具体化したものです。

地元の中学生が「デジタルスキル」を駆使して、プロスポーツチームの裏側を支える仕事を体験する。単なる体験に留まらず、参加者が制作したコンテンツが実際の試合会場で活用されるという極めて実践的な内容となりました。
熱気に包まれた2日間の様子をお届けします。

【DAY1】デジタルを学び、創造する

11月29日、BALLOONERS CAFEにてDAY1を開催。集まったのは、デジタルスキルに関心を持つ地元の中学生たちです。
冒頭、今回のプロジェクトの意義が語られました。背景にあるのは、佐賀県が支援する「起業」や「複業」という新しい働き方の普及です。

起業:自分のアイデアを形にして社会に届ける働き方。自ら会社を作り、社長になることも含まれます。
複業:一つの会社に勤めながら、自分の強みや「好き」を活かして多様なプロジェクトに挑戦する働き方です。

その中で、デジタルスキルを身につければ「佐賀にいながら全国、そして世界と仕事ができる」というメッセージが中学生たちに伝えられました。これは、仕事がないという理由で若者が佐賀を離れてしまう現状に対し、「大好きな佐賀で、楽しく仕事をしながら過ごせる」という選択肢があることを知ってほしい、そんな願いも込められています。

3つの専門チームで学ぶプロの技術

ワークショップは「生成AI」「デザイン」「ライティング」の3チームに分かれ、第一線で活躍する講師陣が指導にあたりました。

生成AIチームでは最新の動画生成AIを使い、バルーナーズの魅力を伝えるプロモーション動画を制作しました。最初は戸惑っていた中学生たちも、プロンプト入力のコツを掴み始めると「カメラワークはどうすればいいか」など具体的な質問が出るようになり、次第に積極的に手が動き始めます。こだわり抜いた作品作りに没頭する姿が印象的でした。

デザインチームではCanvaを用い、試合の集客を目的としたバナー画像のデザインを体験しました。デザインの基礎を「トンマナ」や「アイキャッチ」などの専門用語に絡めながら学びます。中学生たちは、「誰に何を伝えるか」を意識しながら作業開始。選手をより魅力的に見せるための構図や、試合の迫力を想像させるような躍動感を表現するなど、中学生ならではの感性を発揮してくれました。

ライティングチームでは情報の洪水と言われる現代において、「いかに心に届く文章を書くか」を学びました。ライターの仕事は「書く」だけでなく、「知る(事前調査)」「感じる(インタビュー)」「届ける(執筆)」の3ステップが重要であると説かれ、後のインタビューに向けた準備が進みます。

プロ選手の言葉を引き出す

ワークショップに熱心に取り組む中、佐賀バルーナーズの内尾聡理選手が会場に登場。ライティングチームの中学生は、プロの選手に直接インタビューを行うという貴重な体験をすることができました。

選手として活躍する傍ら、子ども支援プロジェクト「S.U future」を立ち上げ、ひとりおや家庭の子ども支援にも取り組んでいる内尾選手。その活動の両立の難しさについての質問には、「支えてくれるスタッフがいるからバスケとの両立ができている。一緒に活動してくれているスタッフには感謝しています」とコメントをくださいました。
また、こういった活動に熱心な内尾選手ですが、以前所属していた千葉のチームでは、試合前に「一発ギャグ」をしてから試合に入ることがあったというユーモアたっぷりなエピソードも披露。さらには、佐賀のお気に入りの飲食店や、遠征にお気に入りの香水を持っていく習慣など、プライベートな話まで披露していただきました。

また、将来ライターや教師を目指す中学生たちに対し、「人と話をする能力は非常に大切。今のうちに練習を積むのは良いこと。このような機会を大切に頑張ってください」と熱いエールを送りました。
緊張した面持ちで手が震え、なかなか質問に入れない子もいれば、積極的に質問を投げかける子も。選手も子どもたちも笑顔でやり取りを楽しむ、和やかな時間となりました。

【DAY2】成果が彩る試合会場

12月21日、ついに成果発表の場となる試合当日を迎えました。舞台は多くのファンが詰めかけるSAGAアリーナです。

アリーナ全体に広がる中学生たちの作品

DAY1のワークショップを経て、参加者たちが磨き上げた作品がアリーナの随所で公開されました。デザインチームが作成したバナーは今回の試合告知に使用され、アリーナ中央の巨大ビジョンには、DAY1の活動の様子や、中学生たちが生成AIで制作したダイナミックなプロモーション動画が映し出されます。プロの試合演出の一部として自分の作品が流れる様子に、参加者たちは大いに盛り上がりました。

また、ライティングチームが執筆した内尾選手へのインタビュー記事は、「内尾選手の特設ブース」や「Terakoyaブース」に掲示されました。内尾選手の思いや素顔を、参加者自身の言葉で伝えた記事は、来場した多くのファンの注目の的となりました。

【SAGA Take Action】中学生ライターが内尾選手の素顔に迫る!バスケット選手としての素顔 #01
https://note.com/balloonersdao/n/n0f5ef76543ca

【SAGA Take Action】中学生ライターが内尾選手の素顔に迫る!「S.U future代表」としての素顔 #02
https://note.com/balloonersdao/n/ndf6a1b9d9e75

 

ファンも体験!会場を彩るデジタルの楽しさ

アリーナ内では、来場者が参加できる体験ブースも設置され、ここでも2つのデジタルスキルの魅力が伝えられました。

1つ目はネームプレート作り。デジタルツールを使い、自分だけのネームプレートを制作するという体験は、用意した限定数30個が早々に終了するほどの人気ぶり。特に、自分の推し選手の背番号を入れたいという要望が相次ぎ、ファンそれぞれの個性が光る作品が次々と誕生しました。 
一方、DAY1でも活用した動画生成AIの体験コーナーには、多くの家族連れが訪れました。参加者たちは、佐賀バルーナーズ公式マスコットキャラクター「バルたん」を使ったショート動画を熱心に制作。目の前で動画が完成していく様子に夢中になり、完成した作品を持ち帰りたいという声が多数挙がったため、急遽QRコードで共有しました。

若き才能が拓く、地域の可能性

「バルーナーズお仕事体験 2025」は、中学生たちが「デジタルスキル」に触れ、自分たちの力で地域やプロチームを盛り上げることができると実感した2日間でした。
参加した中学生からは、「将来広報の仕事に就きたい」「AIでこれからも動画を作っていきたい」などの声が届きました。また、ワークショップ後も納得がいくまで自宅で制作を続ける子もいたようです。今回の経験は、参加した中学生たちにとって、自分の名前が載った「実績」となり、将来の夢への大きな財産となることでしょう。

こうした若者たちの挑戦は、佐賀を単なる「住む場所」から、「デジタルで世界と繋がり、自分らしく輝ける場所」へと変えていく第一歩となるはずです。今後も、AIをはじめとしたデジタル技術を体験してもらう活動を継続し、地域の若者たちがさらなる挑戦を重ねていける機会を創出していきたいと考えています。
中学生たちが学んだデジタルスキルは、佐賀にいながら世界へ挑戦するための、確かな武器となっていくでしょう。バルーナーズと佐賀の若者たちが紡ぐ物語は、これからも続いていきます。

 

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