2025年12月18日、「ここから、しまね ~島根×スポーツ地域をつなぐ島根スサノオマジック~」が開催されました。このイベントは、公益財団法人ふるさと島根定住財団としまね移住支援サテライト東京が主催。島根の食や文化、ヒトをテーマに島根の暮らしについてご紹介し、「島根について興味をもっている」、「都市部にいながらにして島根と"つながりたい"、"かかわりたい"」、そんな方へ島根の魅力をお届けするトーク&交流イベントです。
全3回シリーズとなる「ここから、しまね」。第2回目は、島根県松江市生まれのプロバスケットボールチーム【島根スサノオマジック】をテーマに実施。ゲストには、チームを経営、運営する「株式会社バンダイナムコ島根スサノオマジック」の代表取締役社長、榎本幸司(えのもと こうじ)さんをお迎えし、熱気あふれる一夜が繰り広げられました。
満席の会場に広がる期待感
会場は当日参加の方々も加わり、盛況なスタートとなりました。開場前から期待に胸を膨らませる参加者の姿が見受けられ、イベントへの関心の高さがうかがえます。
今回のイベントにあわせて特別にラッピングされたビールが参加者の手元に届くと、すかさず写真に収める姿があちこちで見られました。
定刻となり、いよいよイベントがスタートしました。まずは各テーブルで自己紹介などのアイスブレイクが始まります。このイベントに参加したきっかけを話したり、島根との関連について語り合ったりするうちに、スサノオマジックのファンという方もちらほら見受けられました。共通の話題で意気投合し、初対面とは思えないほど大盛り上がりの幕開けとなったのです。
三つの地域が織りなす島根の個性
続いて、ふるさと島根定住財団の持田さんより島根県の魅力が紹介されました。
持田さんは「チョンボシ(島根の方言で『ちょっとだけ』)だけ、島根ってどんなところ?」と親しみやすい口調で切り出し、会場の雰囲気を一気に和ませます。
島根県には出雲地方・石見地方・隠岐地方と大きく三つに分かれており、それぞれに独自の食文化や伝統が息づいていることを丁寧に解説されました。国宝の松江城や玉造温泉などの観光スポットが紹介されるほか、島根ならではのエピソードも披露されます。治安の良さから、家の鍵をかけない、軽トラの鍵を刺しっぱなしにするといった光景が日常的に見られるといいます。また、近所から魚が「舟盛り」で届くような、島根特有の温かな「お裾分け文化」についても触れ、会場を笑いに包みました。都会では考えられないような人と人との距離の近さ、信頼関係の深さが、島根の日常には当たり前のように存在しているのです。
参加者の皆さんも初めは緊張した面持ちでしたが、持田さんのユーモアあふれる語り口に引き込まれ、時折笑い声も混じるほどすぐに楽しい雰囲気へと変わっていきました。
榎本社長によるスサノオマジック紹介
続いて本題となる、プロバスケットチーム「島根スサノオマジック」の話題へと移ります。
株式会社バンダイナムコ 島根スサノオマジックの代表取締役である榎本さんより、島根県での生活のお話とともに、スサノオマジックについて詳しく紹介いただきました。
榎本さんはまず、松江市での暮らしについて語り始めました。東京からのアクセスの良さ、住宅環境の充実、そして生活コストの低さなど、松江市の暮らしやすさを具体的な数字も交えて説明します。
クラブ運営に関しては、「風を起こそう」というクラブコンセプトを掲げ、島根から日本、そしてアジアにファンのいるクラブを目指すと力強く宣言されました。また、Bプレミア参入を見据えた「改修アリーナ日本一」への挑戦についても触れ、新築ではなく既存のアリーナを改修することで独自の価値を作り出す決意が示されました。地域に根ざしながらも、世界を見据えたビジョンが語られる榎本さんの言葉に、参加者たちは真剣な眼差しで聞き入っていました。
地域とスポーツの未来を語る
そして質問コーナーへ。熱量の高いブースターをはじめ、島根やスサノオマジックについて深い関心を持つ参加者から、鋭い質疑応答が繰り広げられました。
Q1. 地域活性化に向けた具体的な検討事項は?
榎本さんは「プロスポーツの興行だけでは経営は厳しい」と現実を率直に語りつつ、ファンの宿泊を伴う観光やホテル事業との提携、さらには人口減少が進む地域での「空き家のリノベーションによる宿泊施設化」などのアイデアを披露されました。
Q2. バンダイナムコのIP(知的財産)とバスケットボールのバランスは?
「バウンティラッシュやガンダムといったIPを使えば人は呼べるのでは?」という問いに対し、榎本さんは「スサノオマジック自体も一つのIPである」と明確に答えられました。ガンダムなどの既存ファンは一過性になりやすいため、あくまで「バスケットボールの試合そのものが面白い」と思ってもらえる空間作りを優先し、さらにライセンスビジネスの獲得も目指すと語られました。
Q3. 人口減少の中で必要な存在であり続けるには?
秋田の事例(TDK)を引いた質問に対し、榎本さんは「住みたい街じゃないと人は離れる。松江にはスサノオがあると思ってもらうことが重要」と述べられました。松江市の人口約20万人の中で、毎試合4,000人を集めることは、東京の人口比に換算すると10万人を集める規模の難易度であり、そのために東京開催などの試行錯誤も行っていると明かされました。
ファンの声から生まれる
白熱した質問コーナーの後には、各テーブルごとに分かれてワークを実施しました。
「大好きなスサノオマジックの企画を考えよう!~私の理想の島根スサノオマジック~」をテーマに妄想会議を行います。新しいファンづくりの仕掛けやこんな応援グッズが欲しいなど、自由に妄想して理想の島根スサノオマジックについて話し合いました。
思いの外、各テーブルでは真剣に、かつ熱意が伝わってくるようなディスカッションが繰り広げられていました。挙げられた項目としては、「日常的に使用できるようなものをグッズに取り入れてはどうか」「遠方に住むファンにももっと繋がりを感じられる、ファンクラブの遠方ファン向けプランがあったら嬉しい」「ホーム開催時、各自治体の名産品を販売するのはどうか」など、具体的なアイデアが次々と上がりました。
挙げられた案は共通して、島根県を盛り上げるという想いとスサノオマジックに対する熱意が込められています。榎本さんをはじめ、スタッフ一同、新たに上がるアイデアに大きく頷いたり、メモをとることに必死になっていました。
サプライズが最高の思い出に
その後、参加者から「榎本さんとのジャンケン大会に勝った人が明日の試合のチケットをプレゼント」という無茶振りが飛び出しました。
突然の要望にも関わらず、榎本さんは笑顔でこれを受け入れ、12月20日の川崎ブレイブサンダース戦のペアチケットがプレゼントされることになりました。
参加者のボルテージが一気に高まり、会場は大盛り上がり。ジャンケン大会がスタートしました。見事チケットを獲得された方は、元々バスケットが好きでBリーグ観戦にも足を運んでいるとのこと。「島根スサノオマジックの試合を見に行くのは初めてなので楽しみです」と笑顔で話されていました。
突然始まった企画をきっかけに、スサノオマジックの試合を観戦し、島根にも興味を持つ。この循環こそが地域を活性化させる第一歩なのかもしれません。
つながりが生んだ新しい可能性
最後に、全員で「GO GO MAGIC!」の掛け声とともに記念撮影を行い、イベントは幕を閉じました。参加者たちの笑顔が会場いっぱいに広がり、充実した時間を過ごした一体感が伝わります。
今回のイベントは、単なるプロスポーツの紹介に留まらず、島根という地域の魅力と、それを支える人々の熱量が融合した貴重な機会となりました。
会場を見回すと、応援グッズのTシャツを着て参加する姿や、イベント翌日の試合観戦について熱く語り合う姿があちらこちらで見られるなど、島根愛、島根スサノオマジック愛が溢れていました。
都会にいながらにして島根とつながり、スサノオマジックを通じて地域を応援する。そんな新しい地域との関係性の可能性を示した、意義深いひとときだったと言えるでしょう。
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