はじめに
2025年10月、下北沢のBONUS TRACKにて「Local Good Ibaraki」が開催されました。茨城県が取り組む「令和7年度つながる茨城チャレンジフィールドプロジェクト業務」の一環として企画・運営されています。
茨城県からそれぞれの産品を持ち寄った出店者が集まり、自治体の暮らしのPRイベント、茨城の地域を知ることができるトークイベントなどを行います。今年で4回目となるこのイベントは、「茨城に関わる人を増やしたい!」という狙いを持った取り組みです。
話して、出会う、茨城の魅力
当日は過ごしやすい気温の下、イベントが開催されました。11時のオープンを前に、街ゆく人々は会場の賑やかな様子に興味津々。配布するチラシもワクワクした面持ちで手に取る方が多く見られました。BONUS TRACKの敷地には各市町村のブースが並び、大いに盛り上がっています。茨城にゆかりのある方や、あまり詳しく知らない方もスタッフの話を楽しそうに聞いていました。ブースには茨城県の特産品が並び、茨城県の沖合で獲れるあんこうを使った「あんこう鍋」や全国収穫量1位の栗を使用した「モンブラン」などが飛ぶように売れていきます。
会場では、「いばらきクイズチャレンジラリー〜話して、知って、おいしい茨城〜」も実施されました。
茨城県に興味・関心・ゆかりがある方々のコミュニティ「いばコミ!」に登録後、クイズラリーに参加すると、茨城の美味しいお土産をゲットできる企画です。各ブースを巡りながら直接自治体の方と話せる機会が生まれ、参加者は茨城の魅力について深く知ることができたのではないでしょうか。ブースでの対話を通じて、移住や観光に関する具体的な情報を得られる貴重な時間となりました。
おいしい いばらき
さらにトークイベントも開催されました。4日(土)に2部制で実施となり、それぞれの市町村が茨城の魅力を発信しています。
1部:ご飯が進む!4つのまちの食べ比べ
第1部は、笠間市・北茨城市・筑西市・東海村の4つの地域の紹介から始まりました。職員の方が各地域でのローカルな暮らし方や観光スポット、グルメなどを熱く語ります。「都心へのアクセスがいい」「自然に囲まれながらのんびり暮らせる」などの特徴があがる中、地域おこし協力隊や移住関係の話も話題となりました。
その後は、それぞれの土地で親しまれているご飯のお供を食べ比べする時間です。笠間市の香楽美祖(からみそ)、北茨城市のあんこう鍋、筑西市の牛すじカレー、東海村のラムいもチーズケーキが揃いました。初めて食べる茨城の味に「美味しい!」の声が止まりません。どれもご飯が進むものばかりで、参加者は大満足の様子。食べ比べをしながら自治体の方々との交流も行われました。気になっている移住者数や定住のこと、実際に定住している方はどんな方が多いのかなどを直接質問する姿が見られました。
少人数の参加となりましたが、この人数だからこそ各地域のコアな話ができた貴重な時間となったのです。参加者ひとりひとりの疑問や関心に丁寧に応える、密度の濃いトークセッションとなりました。
2部:乾杯!4つのまちのドリンク飲み比べ
第2部では、古河市・常陸太田市・大子町・五霞町が登壇しました。トークテーマは同様ですが、「県内で最も面積が小さい町」や「全方位、アウトドアな自然溢れるまち」など各地の色が出ています。
登壇者の中には、茨城と東京の2拠点生活をしている方も交えてまちの良さをアピールする場面がありました。「都内でしか体験できないことを子供にも経験させたい」「田舎暮らしをしたいという同じ思いを持つ人を茨城の地でもてなしたい」この2つの思いから2拠点での生活を始めたそうです。地元の方との交流の仕方や実際の1週間の生活の様子など、とてもリアルな話を聞くことができました。
この回では、各地域のドリンクを飲み比べということで、古河市から「ももかのじぃじが作った古河の味」、常陸太田市の「里美のむヨーグルト」、大子町から「大子ブルワリービール」、五霞町は「舎はちみつあかぼっけのはちみつ酒『Mead(ミード)』」が登場。すっきりした味わいのジュースから素材の味が感じられるお酒まで、幅広く楽しむことができます。自治体スタッフ、参加者で飲み比べを堪能しつつ、和やかな交流会へと移りました。
この回で登場した市町村も同様に、若い世代の方が地域おこし協力隊になってそのまま定住するパターンがあるようです。また普段から手にする野菜や果物などが、実は茨城県産が多いこと、物価も安く生活しやすいことなどの情報も飛び交いました。
交流会では、自治体同士で意見交換や互いの特色を共有する有意義なひとときとなりました。それぞれの自治体が抱える課題や成功事例を共有し、今後の取り組みに活かせる貴重な機会となったのです。
広がる笑顔、深まる関心
清々しい青空の下、2日目が開催されました。恵まれた天候のおかげで朝から会場は多くの来場者で賑わいをみせています。五霞町のイメージキャラクター「ごかりん」や大子町のゆるキャラ「たき丸」も2日間登場し、家族連れを中心に笑顔を届けていました。
愛らしいキャラクターたちとの写真撮影を楽しむ姿があちこちで見られ、会場に華やかな雰囲気を添えています。
来場者の中には、「昨日購入した大子町のさつまいもが美味しくて、今日も買いに来ました!」という方も見られました。茨城の特産品はこの2日間で多くの方を虜にしていたのです。リピーターの存在は、商品の品質の高さと出店者の丁寧な対応を物語っています。来場者からは「今まで茨城といえば納豆しか思いつかなかったけど、香楽美祖(からみそ)やさつまいも、栗といった名産品がたくさんあるということを知れた」「街の特徴を詳しく知ることができた。今度遊びに行ってみたい」といった声を聞くことができました。
イベントを通じて、茨城に対するイメージが大きく広がり、実際に足を運んでみたいという具体的な行動につながる声が多く聞かれたことは、主催者にとっても大きな成果と言えるでしょう。
また、ブースに出店した事業者、自治体の方々からは、「SNSで私たちの商品を知ってくれていたお客様が買いに来てくれた」「毎年開催しているからこそ、リピーターが増えてきたのが凄く良かったです」と前向きなコメントがありました。
SNSでの情報発信が実際の購買につながっていることや、継続的なイベント開催によって確実にファンが増えている手応えを感じている様子がうかがえます。出店者にとっても新たな顧客との出会いの場として、このイベントが重要な役割を果たしていることが分かりました。
2日間でクイズラリーに参加いただいた方は約200名、茨城県のコミュニティ「いばコミ!」への参加者は約90名増加し、このイベントの成功を表していました。数字が示す通り、茨城に関心を持つ人々の輪は着実に広がっています。
茨城を、もっと身近な場所へ
今回のイベントでは多くの方に茨城県の魅力を知ってもらう良い機会となったのではないでしょうか。トークイベントでは各地域の個性や暮らしやすさが具体的に伝わり、食やドリンクの試食・試飲を通じて茨城の豊かな食文化も体感していただけました。
「いばらきクイズチャレンジラリー」では楽しみながら茨城を学び、職員との直接の対話を通じて移住や2拠点生活などの具体的な情報を得られる場となりました。参加者からは「茨城がもっと身近に感じられた」「実際に訪れてみたい」といった声が聞かれ、イベントの目的である「茨城に関わる人を増やす」第一歩を踏み出せたと感じています。
4回目の開催となった今回は、リピーターの存在や新規来場者の関心の高さから、イベント自体が着実に成長していることを実感できました。出店者と来場者、自治体職員と参加者、それぞれの出会いと対話が生まれる場として、Local Good Ibarakiは確実にその役割を果たしています。
今後も茨城の知られざる魅力をお届けし、もっと地域を身近に感じられるようなイベントを企画していきます。都心と地方をつなぐ架け橋として、このようなイベントが多くの方々にとって茨城を知るきっかけとなることを願っています。