8月2日、地域の足として親しまれている高松のローカル線「高松琴平電気鉄道(通称:ことでん)」に乗って旅する特別イベント「琴電サイコロ旅と商店街ダーツの旅in高松」が開催されました。サイコロとダーツという運の要素を取り入れた斬新な企画は、参加者に予期せぬ発見と出会いをもたらす、まさに冒険心をくすぐる一日となりました。
今回は当日の様子をご紹介します。
高松の素晴らしさを体感する
今回のイベントは、これまでYOKKE高松が実施してきた地域活性化をテーマとした従来型のイベントとは異なる、まったく新しいアプローチでした。今までは「高松について一緒に考えていこう」「まちを盛り上げるためにこんな活動をしてみよう」といった交流やディスカッションが中心でしたが、今回は何よりも「参加者の皆さんに心から楽しんでもらうこと」を最優先にした企画づくりに挑戦したのです。
また、「参加者の皆さんにはまち歩きを通じて高松の新たな発見をしてもらいたい」という強い想いも事務局側にはありました。高松市の公共交通網を語る上で欠かせない存在といえば、やはり市民の足として長年愛され続けている琴電です。琴平線、長尾線、志度線という3つの路線を擁し、32もの駅を結ぶこの私鉄は、まさに高松の街と人々を繋ぐライフラインとして機能しています。この琴電を最大限活用することで生まれたのが、今回の目玉企画「琴電サイコロ旅」です。
さらに、これまでのオフラインイベントや懇親会において大きな盛り上がりを見せていたことから、今回も「参加者の皆さんと美味しい料理を囲みながら楽しく交流したい」という純粋な願いもありました。この想いが形となって実現したのが、夜の部の「商店街ダーツの旅」です。高松中央商店街を舞台に、ダーツの結果で行き先を決めるという偶然性を楽しみながら、参加者同士の親睦を深める場を提供したいという考えから生まれました。
イベントへの熱い想い
昼の部「琴電サイコロ旅」には7名の方々にご参加いただきました。参加者の顔ぶれもさまざまで、高松在住の方々に加えて、他県からこのイベントのためにわざわざ高松まで足を運んでくださったという、熱量の高い方もいらっしゃいました。このような遠方からの参加があることは、企画した事務局メンバーにとって何よりも嬉しい驚きです。
事務局側の熱意も参加者の皆さんに負けてはおらず、今回のイベントを機にYOKKE高松のオリジナルTシャツを特別に制作し、メンバー全員がお揃いで着用してイベントに臨みました。
このTシャツの背面には、YOKKE高松のオンラインコミュニティへ参加できるQRコードがプリントされており、イベント終了後も継続的な交流を促進する工夫が凝らされています。
そしていよいよ、琴電の起点駅である「瓦町駅」付近の会場から、イベントの幕が上がったのです。
サイコロ旅で高松を探索
昼の部「琴電サイコロ旅」では、参加者を2チームに分けて実施しました。各チームがサイコロを振り、出た目の数だけ琴電に乗車して降りる駅を決定するというシンプルながらもワクワク感満載のルールです。サイコロの目次第でどこに向かうことになるのか、まさに運命に委ねられた旅の始まりでした。
今回の企画では、単なる移動だけでなく、降り立った駅周辺で地域の特産品や文化に触れる機会を増やし、高松の新たな魅力を発見してもらうことを目的としています。そのため各チームには「降りた駅で新たな発見を探そう」というミッションが与えられ、それぞれが独自の視点で街の魅力を見つけていくことになりました。
初めてのまちの顔
第1チームはサイコロで1の目が出たため、1駅目の栗林公園駅を目指すことに。国の特別名勝に指定されている栗林公園の最寄り駅として人気が高く、周辺には洗練されたカフェや個性的なショップが点在しています。
駅近くで香川県名産の和三盆を扱うカフェを発見し、参加者は和三盆を使った繊細な甘さのスイーツや飲み物を堪能しました。
続いて向かった仏生山駅周辺では、古き良き日本の街並みが立ち並び、コインランドリーやクラフトビール店までもが古民家のような佇まいを見せ、景観保護への地域の取り組みを実感できます。
通りで見つけた生地店や呉服店では、店員さんが温かく迎え入れてくださり、お店の歴史や地域との関わりなど貴重な話を聞くことができました。このような地域に住んでいる方との自然な交流こそが、今回のイベントが目指していた「新たな発見」だったといえます。
第2チームが向かったのは太田駅と一宮駅。まさに食べ歩きツアーのような楽しい発見の旅となりました。
太田駅周辺では地元で愛される和菓子屋さんを発見し、美味しいシュークリームとの出会いが待っていたのです。伝統的な和菓子店でありながら、現代的なスイーツも手がけるギャップに驚きながらも、その絶妙な味わいを楽しむことができました。
一宮駅では駅に降り立つと、すぐに夏にぴったりの冷たいかき氷を提供するお店を発見。暑い夏の日のまち歩きだったのでひんやりとしたかき氷に、参加者全員が思わず笑顔になりました。
偶然の出会いがもたらした「食」を通じた地域発見の旅は、地域の方との交流を持つことができるのと同時に、YOKKE高松のコミュニティを紹介することにも繋がり、とても貴重な時間となったのです。
垣根をこえた交流
事務局側では、当日会場に足を運ぶことができなかったYOKKE高松のコミュニティメンバーにも、イベントの臨場感や楽しい雰囲気を共有したいという想いがありました。また、参加者が発見した新しい高松の魅力を、より多くの人に伝えたいという考えもあったのです。そこで、イベント進行中はSlackを活用して、写真付きの投稿をリアルタイムで行う取り組みを実施しました。
この試みは予想以上に盛り上がり、会場にいない YOKKE高松のメンバーからも次々とスタンプや温かいコメントが寄せられたのです。参加者からの投稿に対してもオンライン上で積極的に反応し、まるで全員がその場で参加しているかのような一体感が生まれます。オフラインイベントの枠を超え「オンラインコミュニティ全体で、イベントを楽しもう!」という新しい参加スタイルが実現した瞬間でした。
夜の商店街で新たな出会い
日が暮れ、いよいよ夜の部「商店街ダーツの旅」の時間に。この企画の舞台となったのは、全長2.7kmにも及ぶ西日本最大級のアーケード商店街として知られる高松中央商店街です。夜の部から新たに合流された方々も含め、総勢で3つのチームに分かれて新たな冒険が始まりました。
「商店街ダーツの旅」のルールは、高松中央商店街を5つの特徴的なエリアに区分し、各チームがダーツを投げて刺さったポイント数によって向かうエリアを決める、というものです。参加者は、ダーツボードの前で「どんな場所に行けるのだろう」とワクワクしながらダーツを投げていました。ダーツの結果、各チームはそれぞれ兵庫町エリア、ライオン通り、鍛冶屋町エリアという異なる目的地に分かれ、懇親会を行うお店探しの旅に出発したのです。
各チームの懇親会は、メンバー構成や向かったエリアの特性によって、それぞれ異なる楽しげな雰囲気が感じられました。土曜日の夜ということもあって空いているお店探しに苦労したチームもありましたが、そうした状況がかえってチームメンバー同士の結束を深める結果に。「一緒に店を探す」という共通の目標を通じて、自然と親睦が深まっていく様子を見ることができました。
移住者と地元民のつながり
また、初対面のメンバーが多いチームでは、最初は少し緊張した表情を浮かべる参加者もいましたが、美味しい料理とお酒を前に徐々に会話が弾み、和気藹々とした雰囲気へと変わっていきました。参加者の中には地元高松出身の方も多くいらっしゃり、他県から来られた参加者に向けておすすめの店舗を積極的に紹介する場面も。まさに地元民ならではのガイドツアーのような展開となり、懇親会の席では「今度は自分たちが高松の魅力を伝えるツアーガイドをやってみたい」という前向きな意見も飛び出したのです。
懇親会では、今後の活動への期待と可能性だけでなく地域への愛着と誇りが参加者間で自然に共有されていることが実感できる時間となりました。さらに「高松に移住したばかりで、知り合いがほとんど居なかったけれど、イベントをきっかけに知り合いが増えました!高松の新しい一面も知ることができたので、とても楽しかったです」という感想も伺うことができました。
地域コミュニティとの繋がりを求める新住民の方にとって、このようなイベントが貴重な出会いの場となっていることを実感できる瞬間と言えるでしょう。
懇親会は大いに盛り上がり、予定していた時間があっという間に過ぎてしまいました。しかし参加者の皆さんの熱量を受け、自由参加形式での二次会を開催することに。驚くべきことに、ほぼ全員の参加者が二次会にも参加し、楽しい時間は夜遅くまで続いたのです。これほどまでに参加者の満足度が高いイベントとなったことは、事務局メンバーにとって何よりの喜びであり、今回も大成功のイベントとして幕を閉じることができました。
終わりに
毎月継続的に開催しているイベントを通じて、常に新たな挑戦を続けているYOKKE高松。今回の「琴電サイコロ旅と商店街ダーツの旅」も、従来の枠にとらわれない斬新なアプローチで参加者の皆さんやコミュニティメンバーに新しい体験を提供することができました。偶然性を取り入れたゲーム的要素と地域資源の活用を組み合わせた今回の企画は、地域活性化イベントの新たな可能性を示すものとなりました。
来月は、さらなる挑戦として他県の学生との交流を目的としたワークショップの開催が予定されています。これまでは地域住民や社会人を対象としてきたイベントでしたが、今回は学生の皆さんと、高松市の新たな可能性を広げていきます。
他県に住む学生の皆さんへ高松という都市の魅力をどのように伝えていくのか、学生の皆さんがイベントからどのようなことを感じるのか楽しみですね!
YOKKE高松は今後も、参加者の皆さんの笑顔と満足を第一に考えながら、地域の魅力を再発見し、新たな繋がりを生み出すイベントを企画し続けます。次回のイベントでも、また新しい発見と出会いが待っていることを確信しつつ、コミュニティ全体でその成功を目指してまいります。