イベントレポート:\屋久島を語る会 #1/ 食文化を守る手仕事と想い 〜島唯一の伝統製法で作る“サバ節“とは?〜

2021年9月7日(火) に屋久島町役場主催(協力:株式会社トレジャーフット)ふるさと納税PRトークイベント「 \屋久島を語る会 #1/ 食文化を守る手仕事と想い 〜島唯一の伝統製法で作る“サバ節“とは?〜」 を開催いたしました。
屋久島町に興味関心をお持ちの皆様・屋久島ファンの皆様と、屋久島町の産業を支える地域の方々・屋久島町役場がつながり、屋久島町の魅力を体感し交流するオンラインイベントです。
今回の記事では、屋久島町初のふるさと納税PRイベントである当日の様子をお伝えしていきます。



■今回のイベントゲストプロフィール

屋久島町観光まちづくり課 地域振興係長
田口 剛様
屋久島町出身。2002年4月旧屋久町役場に入庁。2007年10月の市町村合併以降、屋久島町役場で財政係や監査員事務局などを担当。2019年年5月から地域振興係長として人口減少対策やふるさと納税、集落の活性化に取り組んでいる。屋久島町の関係人口としてのステップを1つ進めてもらえるような取組ができればいいなと思っています。

丸勝水産株式会社
眞邉 勝志様
1966年 屋久島・一湊に生まれる。
中学卒業後、親元を離れて鹿児島市内にて高校・大学生活を過ごす。
1989年 就職のため上京。約6年間サラリーマン生活を送る。
1995年 家業である丸勝水産㈱を継ぐために屋久島へUターン。
以来、江戸時代より伝わる古式直火窯西方を守り、島の大自然の恩恵を受けた食文化を誇りに、サバ節製造と向き合う日々を送っている。

■屋久島を考える会とは?

屋久島町は、樹齢数千年の屋久杉をはじめとする特殊な森林植生や、亜熱帯から冷温帯に及ぶ植生分布など、貴重な自然環境・自然資源が世界的に評価を受け、1993年に日本初の世界自然遺産登録、2005年にラムサール条約登録湿地、2016年に屋久島・口永良部島ユネスコエコパークとして拡張登録されるなど、豊かな自然環境を持つユネスコ3冠の町です。
そんな屋久島町では、多様で豊饒な自然の価値を損なうことなく将来に引き継ぐという、この大きな役割を果たすために、屋久島を縁にした知恵と力の結集が必要です。
そこで今回は、屋久島町に興味関心をお持ちの皆様・屋久島ファンの皆様と、屋久島町の産業を支える地域の方々・屋久島町役場がつながり、屋久島町の魅力を体感し交流するオンラインイベントを開催することになりました。

記念すべき第一回のゲストは、屋久島最北端の町 一湊にて屋久島特産品『サバ節』を作る丸勝水産株式会社の眞邉 勝志さん。新鮮なサバを機械ではなく、全て手作業で捌き、屋久島唯一である昔ながらの『古式直火窯製法』を守り、島の大自然の恩恵を受けた食文化を誇りに製造していらっしゃいます。
一つ一つ丁寧に“本物の伝承”にこだわる製品作りの歴史や、そこに込めた想いを聞きながら、「屋久島町の魅力や可能性」に触れ、観光やふるさと納税の寄付者から一歩踏み込み、一緒に屋久島町の未来を考えたい、そんな思いからこのイベントは始まります。

■まずは屋久島町を知る




イベントでは、まず最初に屋久島町役場の田口さんから「屋久島町ってどんなところ?」というテーマでお話をいただきました。

鹿児島市から南方約135km、1ヶ月に35日雨が降ると言われる水の島「屋久島」と火山が育む大自然が残る島「口永良部島」からなる屋久島町。実は島の21%が世界自然遺産登録エリアとなっている屋久島は、その広大な自然により多様な生態系が織りなされています。




屋久島には九州の高い山ランキングのうち、上位8位までの山がすべて存在しています。
その山々が標高約2000メートル級の高山を含んでいるため、山の麓(山裾)、中腹、山頂周辺で気候や生息している動植物がそれぞれ異なっているのです。
具体的には麓(山裾)では九州・沖縄のような暖かい地域の植生が、山頂にいくにつれて北海道のような寒い地域の植生を見ることができます。屋久島の山間部だけで日本列島を北から南まで縦断できるような気候が体感できると思うと、自然の神秘に驚かされますね。

こういった珍しい生育帯が世界自然遺産登録の根拠となる生態系面の評価につながっています。

そして、冒頭でも記述した通り、屋久島は雨の島とも称されるほど、降水量が多い島です。
その頻度は「梅雨があるというよりも366日雨が降る」「1ヶ月のうち35日雨が降っている」とゲストのおふたりが語るほど。
この天気は島全体が雨ばかりというよりも、島の東部は雨が多く、南西部は少ない。山頂に向かうほど雨が多いという特徴があるようです。この雨はあたたかい黒潮の水蒸気が屋久島の高い山々によって冷やされて降っていると言われ、これらの雨が屋久島の美しい自然をさらに発展させているのでしょう。

そんな屋久島は海だけでなく、川も美しい島としてその名を馳せています。前述した通り、山々が連なる屋久島では標高差が大きいことから、1本の川に多くの滝があり、その高低差を利用した水力発電が盛んです。

自然との共存により、さらに美しい風景を楽しむことのできる島。

それこそが田口さんの教えてくださった屋久島の大いなる魅力ではないでしょうか。

■屋久島の特産品「サバ節」とは? 





屋久島について知った後は、丸勝水産株式会社の眞邉さんから、屋久島のサバ節について教えていただきました。

そもそも皆さんはサバ節って何かご存知ですか?

サバ節はその名の通り、サバを利用してつくられている「お節」です。かつお節と同じ、発酵食品で、丸勝水産では、屋久島の水や屋久島の木々を使って伝統ある「古式直火窯製法」にこだわったサバ節が製造されています。

今回のイベントでは、オリーブオイルと合わせて黒コショウなどで味をつけた特製サバ節付チケットの販売も行っていたため、参加者の方はサバ節をつまみながら眞邉さんのお話を楽しめました。事前に召し上がった方によると、ご家族みんなで取り合いになるほどの美味しさだったとか……



この特製サバ節、普通に食べても美味しいそうですが、今回は生産者さんならではの美味しい食べ方をご紹介していただけることに!

屋久島での定番は塩らっきょうと合わせて食べることだそうですが、おすすめはスライスした玉ねぎを電子レンジで温めたものへサバ節・ポン酢・大葉を合わせてることで、サラダ感覚・おつまみ感覚で楽しめるそうです。
さらに、サバ節は屋久島の学校給食で食べられており、とても身近な食材だそう。パスタやピザに合わせても美味しいと勧めていただけました。



美味しいサバ節で舌鼓を打ちつつ、今度はサバ節の歴史について教えていただきました。

もともと、屋久島では江戸時代に作成された「諸国鰹節番付表」という『全国の美味しいかつお節ランキング』表で西の大関(西の第1位)とされるほどに美味しいかつお節の産地でした。かつお節の生産で栄えていた江戸時代、明治に入ると鰹の漁獲量が様々な理由により減少したことをきっかけにサバ節作りにシフトしています。

ではそのサバ節、どうやって作られているのでしょうか?

屋久島のサバ節はお腹に点々模様がある「ゴマサバ」が使われています。
材料となるゴマサバは、頭を落としたのち、包丁を入れて開いて内臓を取り出します。屋久島の超軟水を使って丁寧に洗われたサバは、竹製のせいろに並べていきます。昔ながらの道具を使うことで、表面の仕上がりがきれいになるのが特徴なんだそう。
その後、50分ボイルされたサバは手作業で3枚に割って中骨を落とし、燻していきます。屋久島の水・屋久島の薪にこだわって作られるサバ節を燻す際にでる煙は「町の香り」として認められているほど。

燻されたサバ、脂分の多いものは今日ご紹介したオリーブオイル漬けなどよく見かける加工品に。脂分の少ないものはお味噌汁や冷奴にのせても美味しい、サバ節のフレークとして加工されます。

加工段階で出た不要になった頭や骨、さらにはサバを燻す際に使われた薪の灰は、屋久島の特産であるぽんかんやたんかん作りの肥料として使われており、海のものが山のものを育てる循環が起きています。

これが眞邉さんが誇る自然との共生、めぐりゆく命を大切にする産業です。

■最後は交流会

イベントの最後は参加者全員が2グループに分かれて交流会を行い、参加者の皆さんから時間いっぱい様々な質問が飛び交ったり、田口さんや眞邉さんからも質問があったりと、熱気にあふれた時間となりました!

「なかなか聞けないけど、せっかくだから」という時間、屋久島に住まわれている方にとって当然でも、私たちには驚くべき大発見も飛び出ます。

例えば、「屋久島の杉である『屋久杉』は、本州にも普通に生息している杉と同じ種類である」ということ!みなさんはご存知でしたか?

種類は同じ杉でも、屋久杉は本州の杉に比べて「油分を多く含んでいる」そう。雨の多い屋久島では倒木も腐りやすそうですが、逆に腐りづらいんだとか。屋久島独特の自然環境が織りなす神秘は直に見てみたいという気持ちを熱くさせてくれます。

また「ふるさと納税の有効な使い道とは?」というテーマについてブレインストーミングも行われ、グループ内で熱気あふれる意見交換も行われています。

参加者全員、新発見や新しい視点での意見交換など心躍る時間になりました。

■まとめ

コロナ禍で、なかなか旅行にいくことが難しい時勢が続いています。こういった状況下だからこそ、屋久島の皆様の方から「リアルなお話」を聞くことで新たな印象、新たな発見が生まれる時間となりました。まだまだ盛り上がる「屋久島を語る会」。次回も素敵なゲストをお迎えしてお話を聞いてまいります!
また屋久島町では、屋久島の様子を紹介するSNSやふるさと納税の特設サイトなどをご用意してるのでご興味のある方はぜひ一度ご確認ください!
▼屋久島町公式HP
http://www.town.yakushima.kagoshima.jp/

▼屋久島町公式インスタグラム
https://www.instagram.com/yakushima_official/

▼屋久島町公式Youtube
https://www.youtube.com/channel/UCLg8ZCZO8g-D7pJx4albjSQ

▼屋久島町ふるさと納税特設サイト
https://yakushima-furusato.jp/

そして、トレジャーフット では、イベント以外にも「地場産業の発展に貢献する」というミッションのもと、地場産業と複業希望者のマッチングを推進しています。私たちと一緒に地場産業のさらなる発展を目指してくださる方を募集中です!

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小橋 りさ

小橋 りさ

岡山県出身。大学卒業後、地元の最大手企業に就職。配属3日目で新規事業の企画を立案し、様々な新規事業に携わる。地元での声優イベント開催や、県下最大級となるコワーキングスペースを立ち上げる。結婚を機に退職し山口県へ拠点を移す。トレジャーフットに出会い、現在は社内初となるフルリモートスタッフとして、日々奮闘している。

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