イベントレポート:EC売り上げアップにつなげるSNS活用で考えるべき3つのポイント

2020年11月27日、「withコロナを生き抜く経営戦略」の第12回目として、顧客時間にてチーフプランナー・広報統括として、またフリーのソーシャルメディアスペシャリスト・マーケティングプランナーとしてもご活躍されている風間 公太様をゲストにお迎えし、「無印良品公式SNS 500万フォロワーの立役者・風間氏が語るEC売上アップにつながるSNS活用術」セミナーを実施しました。

◾︎今回のイベント登壇者プロフィール
風間 公太
ソーシャルメディアスペシャリスト / マーケティングプランナー
顧客時間 / チーフプランナー・広報統括
音楽学校や劇団四季での広報・宣伝担当を経て、2007年良品計画入社。コミュニケーション担当として、日本での企業ソーシャルメディア黎明期から無印良品 公式Twitter、Facebook、Instagram、LINEアカウントを開設し、500万人を超えるフォロワー/ファンの窓口を一手に担う。また、CRMアプリ「MUJI passport」や睡眠アプリ「MUJI to Relax」、グローバルブランディングなど、無印良品のデジタルマーケティング/OMO戦略全般に携わる。2019年、顧客時間に参画し、事業会社のDXやOMO戦略立案支援を行なう。また、フリーランスのソーシャルメディアスペシャリストやマーケティングプランナーとしても企業アカウント運用支援やマーケティング支援を行なっている。

今回のコロナ禍で、リアルでイベントをする機会もぐっと減り、そのような状況下でも顧客と繋がり続けることができるSNSの重要性を改めてとらえなおしている方も多いと思います。

とはいえ、
・SNSを活用したいけど、何から始めたら良いの?
・SNSを運用しているけど、効果が出ているのか分からない
という方も多いかと思います。

今回の記事では、無印良品にて公式SNSアカウントを開設し、500万人を超えるフォロワー/ファンを持つアカウントにまで成長させた、ソーシャルメディアスペシャリストの風間様から伺った「SNS活用術」の中からポイントを絞ってご紹介していきます。

今回のセミナーも、最後の質問コーナーでは多数の質問が寄せられ、風間様には時間いっぱいお答えいただくなど、参加者の満足度が非常に高い時間でした。
SNS活用を考えている方も、いま運用中のSNSアカウントをより有効活用していきたい方も、ぜひご一読ください。

EC売り上げアップにつなげるSNS活用で考えるべき3つのポイント

今回の風間様のお話から、SNS活用で考えるべきポイントは、下記の3つ。

 ・各SNSの特性を知ろう
 ・運用基本を設計しよう
 ・タイプ別運用メソッドを活用しよう

ひとつひとつ見ていきましょう。

1、各SNSの特性を知ろう

1つ目のポイントは、各SNSの特性を知るということです。各SNSにも下記のような様々な特徴がありますが、自社の目的に合わせたSNSを選び運用していくことでEC売り上げアップに繋げることができます。

 ・ユーザーの年齢層
 ・双方向性、拡散性(シェア機能の有無)、即効性
 ・運用の手間(文章のみ、画像、動画)
 ・運用のコスト
 ・リンクが挿入できるか

例えば年齢層について考慮する場合、Twitterのユーザー平均年齢は35歳、Instagramは10~20代が半数、Facebookは20~30代が多いなどの特徴があります。SNSの世代の属性を考え、自社の顧客層にあったSNSを利用することで、ターゲットに情報を効率よく届けることが可能になります。
また、EC売り上げアップにつなげる上で重視したいのが「リンク挿入ができるか」ということです。その点ではTwitter、Facebookは投稿内にURLを挿入することができますが、InstagramやTikTokはURLを挿入してもそのままではリンクにならないという特徴があります。このような特徴を把握したうえで、目的に応じてSNSを運用していきましょう。

2、運用基本を設計しよう

SNS運用において軸になる運用基本設計をしていきましょう。ここがはっきりと定まっていると、運用の方向や効果測定も定めることができます。逆に、ここがあいまいになってしまうと、SNS運用の迷子になりかねません。
基本の設計としては2つ考慮事項があります。
1つ目は、運用目的の設定です。下記の4点について決めておきましょう。

 (1)情報を届ける対象は誰なのか(ECサイトの顧客)
 (2)どのような情報を届けるのか(自社商品/サービス情報)
 (3)情報を届けた顧客に期待する行動は何か(ECサイトへの来訪)
 (4)その行動は事業に何をもたらすのか(来店/売上増)

2つ目は、運用スタイル(アカウントの性格)の設定です。
下記2つの軸に沿って、決めることができます。

 (1)発信重視か、対話重視か
 (2)組織的か、属人的か(組織的に運営していくか、担当者のキャラクターを出していくか)

最近ではおもしろい投稿や、お客様とフランクにコミュニケーションをとることで人気を出している企業アカウントもありますが、必ずしもおもしろいことが売り上げにつながるわけではありません。
ですので、アカウントの性格も、自社の運営状況に沿って決めていきましょう。

また、「SNSはお客様とゆるやかなつながりを築く接点ではあるが、どんな発言でもOKと勘違いしてはいけない」と風間さん。そこを勘違いしてしまうと、炎上など、トラブルのきっかけになってしまいます。
どんなコンテンツを考える際でも、一度運用目的に戻ることで、お客様目線を度外視した投稿になってしまうのを防ぐことができると感じました。

3、タイプ別運用メソッドを活用しよう

3つ目のポイントは、タイプ別運用メソッドを活用するということです。

 ・発信型
 ・対話型
 ・参加型(コミュニティ型)
 ・シェア型(引用型)

今回は時間の関係で2つに絞って解説をしていただきましたので、ここでご紹介します。

①発信型

情報発信型の運用です。ここでは、何をどのように発信するのかという重要なポイントをピックアップして紹介します。
・SNSと相性の良い商品を宣伝する
例えば、風間様が無印良品にいたころに発信し人気が広まった例としては、「インデックスが作れる穴あけパンチ」。普段から認知されている人気商品を宣伝してもあまり効果は見込めませんが、普段目立たないけれどニッチなニーズがありそうな便利グッズこそ、SNSで紹介することで存在が発掘され、人気が高まるケースがあります。
・タイミングに合わせたコンテンツを初回する
Twitterトレンドなどで時代の潮流をつかみ、それに関連した商品を投稿していくことも、多くの人に任視されるために有効な手段です。
・当たり前と思っているが、お客様には伝わっていない情報を伝える
そのサービスや商品ができる過程など、普段お客様が見ることがない情報を伝えたりすることで、その商品制作の背景やこだわりなどがお客様に伝わり、イメージの向上などに繋がります。自分たちでは見慣れて当たり前と思っていても伝わっていないことの中にこそ、自社の魅力がある可能性があります。

②シェア型

良い発信をしたいと思っていても、コンテンツを一から作成するような時間が取れないような方もいますよね。そんな方にもおすすめなのが、このシェア型。これは、既存の投稿(ニュース記事など)をシェアする際、自分の意見や考えを添えて自分のタイムラインで投稿する方法です。コンテンツを一から制作するわけではないですが、投稿主の人柄や考えを伝えることができるタイプです。
自社制作だけに頼らずこういったシェア型だけでコンテンツを制作ができるというのは、経営者や忙しいSNS担当者にはぴったりの手法ではないでしょうか。

SNS担当者に役立つ情報満載のセミナー

最後に、セミナーでの一番大事なポイントをまとめます。

  • 各SNSの特徴を知ろう
  • 運用基本を設計しよう
  • タイプ別運用メソッドを活用しよう

SNS運営に重要な基本部分からテクニックまで、風間様の経験に基づいた知識をお伝えいただき、SNS担当者にとって役立つ情報満載だった今回のセミナー。私自身もSNSを運用している身として勉強になることが多く、メモを取る手が止まりませんでした。最後の質問コーナーでは質問も多数寄せられ、千本ノックのように回答いただきましたが、このことからも参加者の満足度の高さが伝わった時間となりました。

私たちトレジャーフットでは、引き続き、コロナ禍で様々なチャレンジをしているみなさんの役に立つセミナーを開催していくつもりです。 ご興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。

中神 早紀

中神 早紀 (クリエイター)

国際教養大学を卒業。大学時代リトアニアに交換留学し多様な国出身の留学生と関わりを持ち、豊かな個性を持つ人々に出会う。帰国後、日本と海外の豊かな資源を持つ人同士がつながる世界の可能性を見出す。語学のほかにツールを手に入れたいと思いIT企業に入社。システムエンジニアとして勤務。趣味で始めたカメラで、カメラを通して世界を切り取ることの面白さに夢中になり、これが知らない世界を伝える手立てになると気がつく。2019年10月トレジャーフットの一員となり、豊かな資源を持つ人同士が繋がることによって生まれる創造の可能性を広げていきたいと思い、活動中。

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