イベントレポート:越境EC入門編:中国など海外EC市場開拓の3つのポイント

2020年9月3日、「withコロナを生き抜く経営戦略」の第8回目として、JUTOU株式会社 代表取締役としてご活躍されている辻 雄多郎様をゲストにお迎えし、「【メーカー・先着20名限定】越境EC入門編:新規参入における3つのポイント」セミナーを実施しました。

◾︎今回のイベント登壇者プロフィール
辻 雄多郎
JUTOU株式会社 代表取締役 / 越境EC・インバウンドマーケター
東京都八王子市出身。中央大学法学部を卒業後、国内独立系コンサルティングファームに新卒入社。入社1年目より日本企業の中国・東南アジア進出サポートに従事。 JUTOU株式会社立ち上げ後、中国・東南アジア現地の日本企業、ローカル系企業のコンサルティング、EC業績拡大、WEBマーケティングサポートを専門として実績・ノウハウを積み上げていく。 中小企業から1,000億円以上の大企業、消費財から工業製品まで、幅広い規模・業種において累計100社以上のサポート実績があり、インバウンド、越境ECのスペシャリストとしてクライアントからも高い評価を得ている。

「越境ECは本当に難しいです。」

そんな”忠告”から始まった今回のセミナー。しかし、そんな越境ECにも「成功確度を上げる3つのポイント」が存在します。 今回のイベントセミナーの登壇者は、中国ECのプロであるJOUTOU株式会社 辻様です。辻様のご経験や知見をもとにした内容であり、ネットで調べてもなかなか出てこない、貴重な情報を余すことなく話してくださいました。

また、参加者の満足度が非常に高く、越境ECを検討している方にとっては、間違いなく役に立つ内容だったと思います。
今回の記事では、重要な内容をピックアップし、「越境ECを成功させる3つのポイント」をご紹介していきます。
中国のみならず、越境ECを考えている、もしくはすでにスタートさせている方も、ぜひご一読ください。

越境ECを成功させるための3つのポイント

先に結論をお伝えすると、次の3点が越境ECを成功させるための3つのポイントです。
 ・エリア・チャネルを絞ろう
 ・”コスパ”の良い商品に絞って売ろう
 ・KOLプロモーションを攻略しよう
前提として、今回の内容は 「簡潔に表現していること」「toBではなく、toC向けである」ことが前提となっています。

1、エリア・チャネルを絞ろう

越境ECをスタートさせる場合、むやみやたらに様々な国へ展開すれば良いというわけではありません。
在庫リスクを全世界に持つのではなく、展開したい国を絞り、できるだけ現地在庫・現地発送で海外ECに取り組むことが重要です。
越境ECとはいえ、日本で売れている企業の事例の多くは、「現地在庫・現地発送」で成功している取り組み事例になっているようです。
これが「越境EC」なのかと言われれば疑問ではありますが、まずは展開したい国のエリアを絞ることが大切なポイントです。

チャネルについては、その国での「No.1モール」で出店することをおすすめします。
No.1モールに出店すべき理由は、
 ・ユーザーが一番集まっており、集客しやすいため
 ・売れなかった際に、商品が悪いのか、自社の集客が悪いのかを判断できるため
という2つです。
自社サイトを多言語で作るやり方もありますが、自社サイトへの集客は、時間やコストがかかってしまうもの。優先順位は低いのではないかという議論がありました。

2、”コスパ”の良い商品に絞って売ろう

2つ目のポイントは、「コスパ」についてです。
ズバリ、海外ユーザーに売れる商品は、必ずしも日本で売れている商品ではありませんし、自分たちが売りたい商品でもありません。
では、どのような視点を持てばいいのか。
私たちが考えるべき視点とは、現地ユーザーにとっての「コスパ」の良さです。
「コスト」と「パフォーマンス」のバランスの良さを見ることが大切です。
製品のパフォーマンスとしては、次のような項目が、普段辻様が見ている具体例となります。

日本では、商品の雰囲気でなんだか売れている状態や、ストーリーで売れているという事例がありますが、越境ECでは、きちんと効果が見えること、商品の特性がはっきりわかることが成功の鍵となるようです。
商品の質を一つ一つ検討し、言語化していくことが必要なのですね。

3、KOLプロモーションを攻略しよう

モールにおけるプロモーションは、基本的には、日本のプロモーションと変わりはありません。
例えば、以下のような施策や、それに伴う数値目標のことです。

 ・EC内:キーワード広告・アフィリエイト広告・ライブコマース
 ・EC外:KOLプロモーション・検索エンジンプロモーション

ただ、特に中国や台湾では、商材名によるキーワードでのコンバージョン率は非常に低いといった特徴があります。
競争が激化しすぎて、ブランド指名買いをする方が多いからですね。
他にも、検索エンジンからのコンバージョン率が低かったりといった傾向があります。

そうした背景があり、ECモール「外」での施策を打つ必要があり、ここで考えられる手段の一つが「KOLプロモーション」となります。 そもそもKOLプロモーションとは、どういう意味でしょうか。

KOLとは、” Key Opinion Leader ”のことを指し、有名なブロガーや、多くのフォロワーがいるSNSアカウント、人気の動画投稿者など、流行の最先端を行く人たちのことです。
日本でも、有名youtuberやインスタグラマーによる企業案件などが増えてきていますよね。

海外では、日本よりもKOLに頼る売り方をしており、一般的となっているようです。
しかしその一方で、失敗する例がかなり増えているといいます。

そこで、私たちがやるべきことは、
 ・事前調査を徹底的にやる(成功の9割を占める)
 ・信用できる代理店を使う
 ・KPIはフォロワー数等ではなく、購入 といった考え方を持つ
といったことです。 KOL一つ取ってみても、様々な視点を持つことが非常に重要なのですね。

以上が、越境ECにおける重要な3つのポイントです。
まずはこのポイントを押さえることが必要ですが、もちろん「100%」成功するとは限りません。
しかし、辻様のようなプロフェッショナルの方の知見をお借りし、成功確度を高める、つまり売れる確率を上げていくことは可能です。ぜひ、正しいやり方で、売上を伸ばしていきましょう。

中国越境ECのプロによる熱量あるセミナーに!

最後に、セミナーでの一番大事なポイントをまとめます。

  • エリア・チャネルを絞ろう
  • ”コスパ”の良い商品に絞って売ろう
  • KOLプロモーションを攻略しよう

「越境EC」という、ややニッチなテーマであった本セミナー。
しかし、辻様の貴重なご経験や、トーク術、そして熱量。どれを取っても大満足のセミナーとなりました。
今後、こうした分野での展開を狙っている方にとってみれば、役に立つ内容ばかりだったと思います。
私自身も「目からウロコ」の内容ばかりで、非常に濃い時間を過ごせました。

私たちトレジャーフットでは、引き続き、コロナ禍で様々なチャレンジをしているみなさんの役に立つセミナーを開催していくつもりです。 ご興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。

齊藤 圭

齊藤 圭

中央大学卒業後、地元に貢献したい想いから地方銀行に就職。しかし、理想と現実のギャップに違和感を感じ、1年半で退職した後、フリーランスのWebライターに転身。金融知識や海外12カ国を訪問した経験から、幅広い分野にて記事を執筆する。ライスワークとして仕事に注力するも、さらに燃焼できる仕事を探していた中で、もともと興味を持っていた地域課題解決やコミュニティ事業に力を入れているトレジャーフットに出会う。地方で課題を持つ人々、スキルを活かす複業人材、高いモチベーションを持ってコワーキングに集う方々、一緒に働くメンバー、全ての人のハブとなり、役に立つことが目標。

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