イベントレポート:5/22(金) withコロナを生き抜く経営戦略#3「プロファシリテーターが教えるオンライン会議術」

5/22(金)、「withコロナを生き抜く経営戦略」の第三回目として、現在独立し、数多くの企業の会議に入り、プロファシリテーターとしての手腕を発揮されている園部 浩司さまをゲストにお迎えして「プロファシリテーターが教えるオンライン会議術」セミナーを実施しました。

◾︎今回のイベント登壇者プロフィール
園部 浩司(そのべ こうじ)
園部牧場株式会社 代表取締役社長/プロファシリテーター
NECマネジメントパートナーで25年勤め、最年少で業務改革推進本部 部長に就任。在籍事業部(300名)の組織変革プロジェクトリーダーも経験し、1年間で2億円の営業利益改善に導く。企画力、プレゼン力、プロマネ力、ファシリテーション力を徹底的に磨き、全社(3,000人)の業務プロセス改革を責任者として推進。これら大規模プロジェクトのマネジメント経験をベースに2016年4月独立。「枠を超えろ!」をモットーとした人材育成・組織変革・風土改革コンサル会社、園部牧場(株)を2016年4月設立。

「ファシリテーター」とは、会議を良い方向へと導く司会・進行役のこと。良い会議をする上で、議論の要点を整理したり、人の意見を引き出すようなファシリテーションは、大きな効果があるそうです。

また、社名の「園部牧場」とは、人を育てるという意味だそうですが、園部さまはプロファシリテーターとして活躍するだけでなく、ファシリテートができる人材を増やし、会議のレベルを底上げしようと活動されています。「良い会議ができれば必ず良い仕事につながる」と信じ、現在は多数の会議改革の支援を行われています。今回は、そんな園部さまのセミナーから学んだ、印象的だった点をご紹介します。

会議とはなんなのか

会議にも様々な種類があるのですが、いわゆる問題解決型の会議は、以下のような分類になっているそうです。会議の中で、現状の問題をはなしていたらいきなり解決策を話し始めたり、かと思えば原因を探し始めたり…と、さまざまな意見が飛び交って結局結論にたどり着けないという経験をした方も多いのではないでしょうか。

園部さまは、問題解決型の会議では、下の図のようにステップを踏んで、整理して話し合いを進めていくことが大切だといいます。これを導いていくのがファシリテーターの役割なのです。

オンライン会議での解決すべき課題

これは、グループワークで話し合いが行われました。
その結果、今回のセミナーでは
・顔出しに抵抗感がある、うつりが悪い
・音が途切れる、映像が途切れる
・背景の音がうるさい
・相手の情報が読み取りにくい
などが挙げられました。

園部さまが自社でヒアリングした時も最終的には、シンプルに「いかにリアルの会議室と同じ環境が作れるか」ということ。そこで提示されている解決策は以下でした。

1.環境を整えよう
・インターネット環境への投資:通信速度は20mbps以上推奨
・静かな環境の用意:家族と理解を深める
・会議参加者の中でのツール未熟者へのフォロー:5分前に入室いただくなど

2.画面写り、音質の改善
・カメラの位置:カメラは少し上から、離れて写す(肩まで見えるくらい)
・明るさ:照明を買い、顔色を明るく
・音声:高性能マイクを買い、音質がクリアに聞こえるように
・背景:クロマキーを使い、仮装背景を使う(生活感をなくす)

3.話のリズムをつくる
・発言してもらう人を指名する:コツは、正解を求める問いかけをせず「感じたことを教えてください」などと問いかけると、意見が出やすい。全員に問いかけると発言者がでにくいので、一人一人に問いかける
・リアクションはいつもの2倍で:相手に伝わりやすいよう、身振り手振りを大きく

こんな風に、課題を明確にして解決策も明確にすることで、「オンライン会議術」と漠然と考えていたことも明確になり、すぐに実行しよう、というモチベーションになりました。

コミュニケーション

今回はオンライン会議術のセミナーでしたが、ぎゅっと内容を詰め込んで、コミュニケーションについてもレクチャーしていただきました。これが大変興味深かったです。コミュニケーション能力に応じて、相手にプロフィット(利益)を与える人にも、コスト(損益)を架ける人にもなる、というお話です。

コミュニケーションプロフィットがある人:説明がわかりやすい、いつも笑顔、相手を元気にする発言、話しかけやすい
コミュニケーションコストが高い人:説明がわかりにくい、不機嫌な態度をとる、相手の発言を否定するなど

コミュニケーションはとり方ひとつで相手のモチベーションを引き出すものなので、上のようなことも意識して会議に臨むと会議の結果も全く違ってきそうですね。園田さまが最後に仰っていた「人の能力は大差ない、いいコミュニケーションがとれればみんないい活躍ができる」という言葉も印象的でした。

Zoom内でのグループワーク

グループワークが計三回おこなわれました。「グループワーク」と聞くとドギマギしてしまう私ですが、今回のグループワークは参加しやすかったです。少人数(3~4人)でのワークだということに加え、「ここまでのセミナーで感じたこと」という、答えがない問いをしていただいたおかげです。

園部さまもセミナー中に仰っていましたが、誰かに質問して話してもらうときは「感じたこと」など、正解・不正解のない問いをすることがポイントと言っていた意味が実感できたワークでした。

イベントを終えて

自らがファシリテーターとして会議を進行される園部さまらしく、要点やセミナーの進行が整理されており、大変わかりやすく実践的なセミナーでした。また、ファシリテーターとしてだけでなく枠を超えようとするその姿勢に多くの人がインスパイアされているんだなと感じました。

今後も、今必要とされている情報をお届けするために、引き続きオンラインイベントを開催していきますので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。なお、当日の様子は以下の動画からもご覧いただけます。

中神 早紀

中神 早紀 (クリエイター)

国際教養大学を卒業。大学時代リトアニアに交換留学し多様な国出身の留学生と関わりを持ち、豊かな個性を持つ人々に出会う。帰国後、日本と海外の豊かな資源を持つ人同士がつながる世界の可能性を見出す。語学のほかにツールを手に入れたいと思いIT企業に入社。システムエンジニアとして勤務。趣味で始めたカメラで、カメラを通して世界を切り取ることの面白さに夢中になり、これが知らない世界を伝える手立てになると気がつく。2019年10月トレジャーフットの一員となり、豊かな資源を持つ人同士が繋がることによって生まれる創造の可能性を広げていきたいと思い、活動中。

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