【イベントレポート】佐賀バルーナーズと考える地域スポーツの未来

「Challenge TERAKOYA vol.1」は、佐賀県のプロバスケットボールチーム「佐賀バルーナーズ」とのコラボ企画として開催され、試合観戦やアリーナの裏側見学を通じて地域スポーツの魅力と課題を探るイベントです。イベントは2024年1月26日(Day 1)と2月17日(Day 2)の2日間にわたり、企業関係者や学生、受講生らが参加しました。

Day 1: 試合観戦とアリーナ見学ツアー

試合前の特別体験!アリーナの裏側に迫る見学ツアー

試合観戦に先駆けて、普段は立ち入ることのできないアリーナの裏側を見学するツアーが行われました。佐賀アリーナでは、バスケットボールの他、バレーボールやアイススケートなど異なる競技が行われており、それに合わせて床材を張り替える仕組みがあることが説明されました。その後、VIPルームやイベントスペースが案内され、これらの施設が企業のパーティーや結婚式の二次会など、スポーツ以外の用途にも活用されていることが紹介されました。最後に訪れたのは、佐賀バルーナーズの選手たちが練習を行うサブアリーナでした。エース選手が試合前に黙々とシュート練習を続ける姿に、参加者たちは静かに見入っていました。「プロの努力を間近で感じた」「一流選手の姿勢に感動した」との声が聞かれ、スポーツの奥深さを実感する機会となりました。
ツアーを終えた参加者からは、「アリーナの裏側を知ることで、スポーツ運営の奥深さを実感した」「試合だけでなく、会場の活用方法にも関心が湧いた」「こうした運営の工夫を知ることで、地域スポーツの可能性を考える視点が広がった」など、多くの気づきや学びの声が聞かれました。

そして、いよいよ試合本番。会場に足を踏み入れると、熱気あふれるバスケットボールの舞台が広がっていました。初めての観戦となる参加者も多く、「演出がまるでライブのよう」「想像以上にエンタメ性が高い」と驚きの声が上がりました。試合が進むにつれ、迫力あるプレーと一体感のある応援に引き込まれる様子が見られました。

Day 2 – アイデアソンでの議論と提案

2日目は、佐賀バルーナーズの観客動員数増加と新たなマネタイズモデル構築をテーマにしたアイデアソンが開催されました。テーマを2つに分けてディスカッションは進みます。
佐賀バルナーズからは、現在の平均動員数5,000人弱に対し、5,500人達成に向けた課題が提示されました。
特に、一度来た人に「また来たい!」と思わせる仕掛けが重要とのことでした。


テーマ1)リピーターを増やし、安定した観客動員を実現するには?

観客の継続的な来場を促すために、特に初心者やファミリー層へのアプローチが多くのチームで提案されました。初心者が試合をより楽しめるよう、試合解説の副音声配信が提案されました。スマートフォンを活用し、ルールやプレーの意図をリアルタイムで解説することで、知識がなくても試合の流れを理解しやすくなります。さらに、初心者専用の観戦エリアを設ける案も挙がりました。ここではルール解説を聞きながら観戦でき、試合の見どころや応援の仕方もサポートされるため、初めての観戦でも安心して楽しめます。加えて、事前に応援マニュアルを配布し、観戦のポイントを明確にすることで、より主体的に試合に参加できる仕組みが求められました。

応援をもっと楽しく!熱狂できる観戦環境づくり

応援文化を根付かせるため、熱狂応援シートの導入が提案されました。声出し応援を推奨するエリアを設けることで、一体感が生まれ、観客の熱量がチームを後押しする効果が期待されます。加えて、観客席に応援リーダーを配置し、初観戦の人でも声を出しやすい環境を整える案も検討されました。応援の輪を広げることで、より多くの観客が試合の盛り上がりを体感できるようになりました。さらに、エスコートキッズの導入や応援練習会の開催など、親子で楽しめるイベントを実施し、家族での観戦を促進することでリピーターの増加につなげるアイデアも出されました。

ファン同士がつながる!応援の輪を広げる仕組み

ファン同士のつながりを深めるため、公式ファンコミュニティの設立が提案されました。LINEオープンチャットを活用し、試合前後の情報交換や応援方法を共有できる場をつくることで、観戦の楽しみを継続できる環境を整えます。また、家族で観戦しやすい環境づくりとして、家族割引の導入案が出されました。親子で気軽に試合を楽しめる機会を増やし、バスケットボール観戦を家族のイベントとして定着させることで、長期的なファンの獲得を目指します。

テーマ2)バスケットボールの枠を超えた新たなマネタイズモデルを生み出すには?

ここでは、チケット収入に依存せず、多様な収益源を確立するためのアイデアが提案されました。アリーナの利活用を広げ、新たな収益源を確立するため、「バルーナーズ式キッザニア」の導入が提案されました。子ども向けの職業体験イベントを開催し、試合運営やチームの仕事を学ぶ機会を提供することで、新たなファン層の獲得を目指します。また、試合会場を活用したウェディングプランも検討されました。コートでの結婚式や選手とのフォトセッションを取り入れ、試合日以外にもアリーナを活用できる仕組みを構築します。さらに、試合運営の裏側を体験できる職場体験プログラムを通じて、スポーツビジネスへの関心を高め、将来的にチームを支えるファンやスタッフの育成につなげる取り組みも提案されました。

デジタル技術で進化するファンサービスと収益モデル

デジタル技術を活用し、新たな収益モデルの構築を目指し、ファンクラブの有料プラン強化が提案されました。限定イベントや特典グッズを充実させ、ファンの満足度を高めながら安定した収益を確保する狙いがあります。また、QRコードを活用した試合解説の配信を導入し、詳細な戦術分析や選手情報を有料コンテンツ化する案が出されました。さらに、スポンサー広告の掲載による広告収益の拡大も視野に入れています。加えて、オンライン応援メッセージを会場スクリーンに表示するデジタル応援プラットフォームの導入も提案され、ファン参加型の新たな収益源として期待されます。

企業とともに盛り上げる!スポンサー連携による新たな収益モデル

スポンサーとの連携強化を図るため、スポンサーシートやVIPルームの活用、企業向け観戦プランの充実が提案されました。また、選手の肖像権を活用したサブスクリプション型サービスの導入も検討され、企業プロモーションとの連携が期待されます。グッズ販売や企業ブース展開を通じた新たな収益機会の創出も提案されました。

これらの施策により、バルーナーズのブランド価値が向上し、ファンの楽しみが広がるとともに、企業との連携が強化され、新たな収益機会の創出が期待されます。また、観戦環境の充実により、より多くの人が気軽に試合を楽しめるようになることが期待されます。今回のイベントを通じて見えてきたのは、スポーツが持つ無限の可能性と、地域社会とのつながりを深める力。その未来を一緒に描き、動かしていくのは、まさに私たち一人ひとりの挑戦なのかもしれません。

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