イベントレポート:MEET UP! “TERAKOYA” Vol.2 

 

2025年1月16日、佐賀県で開催された「MEET UP! "TERAKOYA" Vol.2」は、「Saga Smart Terakoya」の成果発表と交流を目的としたイベントで、成功事例やディスカッションを通じ多くの参加者が知見と人脈を得る場となりました。

第一部 成果報告会

人生を変えるための挑戦をしたい。そんな思いを胸に、異なるバックグラウンドを持つ3人の方々が「Saga Smart Terakoya」に参加し、それぞれの新たな可能性を切り拓きました。ここでは、参加者がどのように自分のキャリアや人生を変えるために学び、成長し、挑戦し続けているのかをご紹介します。それぞれの挑戦には共通して「学び」と「つながり」が重要な要素となっており、彼らの歩みが私たちに多くの示唆を与えてくれるはずです。

 

岡村氏(株式会社Soooy 専務)

自分を変えるための挑戦

岡村氏(ご本人の希望で名字だけ記載します)は営業職一筋で7回の転職を経験し、「一度きりの人生だからこそ納得のいく仕事がしたい」という強い思いから、新たな道を模索し始めました。その第一歩として、ゼロからプログラミングを学べる「Saga Smart Samurai」に参加し、「リスキリング」(新しいスキルを学び直し、キャリアを再構築すること)に挑戦します。
システム構築の基礎を習得する中で、営業職に特化したキャリアに限界を感じるようになり、より広い視点で物事を考え、経営に関する視野を広げる必要性を意識するようになりました。

そこで、起業や複業を目指す志を持つ仲間が集う「Saga Smart Terakoya」への参加を決意します。この環境で、単なるスキル習得に留まらず、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨する中で自身の成長を実感しました。「仲間とのつながりが自分の行動力を引き出す原動力になった」と語り、コミュニティの力が自己成長に与える影響を深く感じたと言います。

「Saga Smart Terakoya」では、具体的なプロジェクトに挑戦する機会も得られました。流れてきたクラウド型業務管理ツール「kintone」の構築案件に手を挙げ、「応募時点では分からないことだらけだった」と振り返りつつも、学び続ける姿勢と意欲が認められ、プロジェクト参加が実現しました。この経験で得たスキルや出会いが、後に株式会社Soooyの共同経営者として参画する大きなきっかけとなります。「環境を変えることで自分自身も変わる」という信念を胸に、新たなステージでさらなる挑戦を続けています。

 

藤井真紀氏:インスタグラム運用コンサルタント

自らの経験を活かした新しい挑戦

藤井氏は、多忙な職場で体調を崩した経験をきっかけに、「在宅で自分のペースで働ける仕事」を求めてフリーランスの道を選びました。これまで10年以上にわたりIT企業でパソコンインストラクターとして働き、デジタルツールの教育やマニュアル作成などを手掛けて来ました。

「Saga Smart Terakoya」に参加したのは、知人からの勧めがきっかけでした。在宅で仕事をするフリーランスの働き方では、直接人と会う機会が少なくなるため、仲間や新しい出会いを求めて参加を決意しました。「Saga Smart Terakoya」では、セルフブランディングや営業手法などを学び、SNSを活用した案件獲得の基盤を築きました。

主にインスタグラムを活用して日々情報発信を続けた結果、クライアントからの無料相談の機会が増えました。それが案件獲得につながり、インスタグラムを使ったコンサルティングや広告バナー制作を含む4件の案件を手掛けました。具体的には、教育事業者や小売業者のSNS運用を支援し、フォロワー数の増加や商品の販売促進に貢献したのです。

特に、フォロワー数が少ない状態からでも問い合わせが増える運用方法を提案し、ある小売業者のアカウントでは、サポート開始後に毎週100人以上のフォロワーが増加するとともに、問い合わせ件数も着実に伸びる具体的な結果をもたらしました。

今後は、インスタグラム運用代行にとどまらず、クライアントのビジネス全体を支える「何でも屋」として活動の幅を広げたいと語りました。

 

 立石充弘氏:データサイエンティスト

専門性と将来を見据えた挑戦

立石氏は、メーカーで約30年間、データ分析や問題解決に取り組んできました。新技術の開発や品質トラブルの対応など課題の多い分野で、データサイエンスのスキルを活かして多くの問題を解決してきました。

「Saga Smart Terakoya」への参加を決めたのは、自身の専門性を活かしながら、企業や社会に対してより広い価値を提供する可能性を模索するためでした。当初は起業や複業を60歳以降に考えていましたが、コミュニティでの交流や新しい学びを通じて、行動を早める重要性を認識し、新たな挑戦へとつながりました。

挑戦したのは、株式会社BottoKとのプロジェクトで、人材育成のためのトレーニングコンテンツを作成する案件でした。ここでは生成AIを活用してコンテンツを制作し、その技術を人材育成に役立てることで貢献しました。

株式会社BottoKとの協業は現在も続いており、データ分析やAIの基礎を学べる人材育成コンテンツの開発が進められています。このプロジェクトを通じて、立石氏は自身の専門性をさらに深めながら、企業への貢献の幅を広げるチャンスを得ています。

第二部 パネルディスカッション


柔軟性と主体性が切り開く未来



第二部のパネルディスカッションでは、西嶋淳郎氏(Saga Smart Terakoya 現地コーディネーター)がファシリテーターを務め、株式会社BottoK代表取締役の坂田嵩佳氏と、受講生の立石氏が登壇しました。セッションでは、実際に立石氏を起用した背景や、BottoKが求める複業人材の特徴、受講生の学びを実務に活かす具体例について議論が交わされました。

株式会社BottoKは、業務委託を通じて柔軟かつ専門的なスキルを持つ人材を活用し、クライアントごとのニーズに対応するビジネスモデルを採用しています。この仕組みがプロジェクト成功の鍵となっています。特に「柔軟性」「主体性」「成長意欲」を持つ人材の重要性に注目し、「クライアントの多様なニーズに対応し、自ら考えて行動できる人材こそがプロジェクトを成功に導く」と述べました。これらの要素が、BottoKの取り組みを支える基盤であるとしています。

立石氏は、BottoKのプロジェクトで人材育成用のトレーニングコンテンツの開発に取り組みました。eラーニングのコンテンツを作成する中で、データ連携や内容の整合性といった課題に直面しましたが、解決させました。そのカギとなったのは、受講者視点で構成を見直し、内容の順序変更や新しいトピックの追加を提案するなどの柔軟な対応力でした。また、坂田氏とのオンライン面談を通じて、プロジェクトに対する期待や方向性を継続的に調整し、信頼関係を築きました。

坂田氏は、立石氏について「面談時に自分の経験やスキルを誇張せず、率直に説明し、ニーズに応じた柔軟な提案を行った点が特に印象的だった」と評価しました。また、自身の得意分野や過去の成果を飾らずに伝える一方で、プロジェクトの目的や企業のニーズを的確に理解し、どのように貢献できるかを具体的に示しました。この姿勢がプロジェクト成功への信頼を築き、「行動力と提案力がチーム全体の成果を押し上げた」と坂田氏は述べています。

西嶋氏は、これらの事例を通じて「柔軟性」「信頼関係」「行動力」の重要性を参加者に示し、これらの要素が実務においてどのように応用できるかを具体的に伝える有益なセッションへと導きました。

スキルの地産地消を目指す交流会「MEET UP!‟TERAKOYA”」開催レポート

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