【イベントレポート】平和島エリアの未来を考える 平和島妄想シティトーク

2024年9月24日、平和島エリアの未来を考える参加型ワークショップ「平和島妄想シティトーク」が開催されました。本レポートでは、イベントの流れ、議論の要点、参加者が提案したアイデアをまとめ、平和島の街づくりのビジョンを明らかにします。

イベント概要

このイベントは、大田区、京浜急行電鉄株式会社、そして株式会社トレジャーフットが協力し、平和島の現状や課題を整理し、それを基にした未来のビジョンを描くためのワークセッションでした。参加者同士が対話と協力を深めながら、平和島の活性化に向けたさまざまなアイデアを共有する場となりました。

進行は、株式会社トレジャーフット 代表取締役 田中祐樹が務めました。田中は、住民一人ひとりが「自分ごと」として地域の未来を考え、積極的に関わることの大切さを強調し、イベント全体を通して参加者の自由な発想を促しました。行政、企業、地域住民が一体となり、協働で平和島の持続可能なまちづくりを進める重要なステップとなったイベントです。

平和島まちづくりプロジェクトの紹介

イベントでは、京急電鉄の下村氏が「平和島まちづくりプロジェクト」の概要を紹介しました。このプロジェクトは、平和島駅周辺の再開発と同時に、地域全体の活性化を目指す取り組みです。従来の再開発は主に「建物を建てること」に焦点が当てられていましたが、今回のプロジェクトではそれに留まらず、地域住民や地元事業者が一体となって街の魅力を高める「協働型のまちづくり」に重点を置いています。

下村氏は、「これまでのように建物を建てるだけでは、街の価値は向上しない。住民が『この街は良い場所だ』と思えるように、皆で課題を解決し、地域の魅力を高めていく必要がある」と述べ、街づくりに対する新しいアプローチを提示しました。今後3年をかけて進められるこのプロジェクトでは、住民や地域の事業者が積極的に参加し、平和島の再開発を単なるハード面での改善に終わらせず、ソフト面でも価値を高めることで、持続可能な発展を目指しています。

平和島の魅力と課題の整理

次に、参加者たちは平和島の魅力と課題についてディスカッションを行い、地域住民から寄せられた505件の意見を集約した「ホンネPOST」を基に、それらを整理しました。ここで出た主な内容は以下の通りです。

平和島の主な魅力

・交通の利便性:京急本線を通じたアクセスが良好で、都心、横浜、羽田空港などにも行きやすい。
・豊かな自然環境:海や緑地があり、リラックスできる場所として評価が高い。
・充実したレクリエーション施設:アスレチックやボートレース場、温泉施設などがあり、さまざまな楽しみ方ができる。

平和島の課題

・終電時間の早さ:夜間の交通アクセスが不便で、観光客や住民にとって制約が大きい。
・地域のつながりの希薄さ:住民同士の交流が少なく、コミュニティの一体感が不足している。
・ギャンブル施設の影響:ボートレース場が街のイメージに悪影響を与えているという指摘がある。

このディスカッションを通じて、参加者たちは平和島の強みと課題を整理し、今後のまちづくりに生かすための方向性を確認しました。

三大魅力・課題の抽出

この後、参加者は前のディスカッションで挙げられた魅力と課題の中から、特に「発信すべき魅力トップ3」と「解決すべき課題ワースト3」を抽出しました。まず、各テーブルで話し合いを行い、それぞれが考える平和島の魅力と課題について意見交換を行いました。その後、グループごとに出されたアイデアはテーブル内で共有され、意見を集約しました。

発信すべき魅力 トップ3

・交通アクセスの良さ:多方面への移動が容易で、特に羽田空港へのアクセスの良さは国内外からの訪問者にも評価されている。
・豊かな自然環境:都会にありながら、海や緑地が広がり、住民や訪問者がリラックスできる環境が整っている。
・充実したレクリエーション施設:さまざまなアクティビティが楽しめる施設が揃っており、家族連れや若者にとっても魅力的な要素である。

解決すべき課題 ワースト3

・終電時間が早いこと:特に夜間の交通アクセスが改善されない限り、観光客や地域イベントの参加者にとって不便が大きい。
・住民同士の交流不足:地域コミュニティが希薄で、住民同士が交流しづらい環境が課題となっている。
・ギャンブル施設の影響:ボートレース場が街のイメージを低下させているという声が多く、改善が求められている。

平和島妄想ワークセッション

イベントの中心となった「妄想ワークセッション」では、参加者が「3年後の平和島、どんな街にしたい??」をテーマに自由に未来のビジョンを描きました。個々の参加者が思い描く理想の平和島をワークシートにまとめ、それをテーブル内で共有しました。各自のアイデアに対して他の参加者がフィードバックを与え、さらにそのアイデアを深めていました。

参加者たちは以下の手順でワークを進めました。

1.個人で妄想を発散
2.テーブル内でアイデアを共有
3.他の参加者からフィードバックを受けてアイデアを深める

これにより、住民一人ひとりが自分ごととして街づくりに積極的に関わる気運が高まりました。

ワークセッションが終了した後、参加者はイベント全体についてのフィードバックを行い、感想や改善点を共有しました。このフィードバックは、今後のイベントの質を向上させるために活用される予定です。また、最後には次回の「平和島フィールドワーク」が案内され、地域住民がさらに深く街づくりに関わる機会が提供されることが発表されました。

田中は、「平和島の未来は、住民一人ひとりが自分ごととして関わることで初めて実現します。今日生まれたアイデアを基に、次回のフィールドワークで具体的なアクションに移していきましょう」と述べ、イベントを締めくくりました。

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