【イベントレポート】Yomiivo(Yokosuka Miura Innovation Voyage) 新規事業開発セミナー -上手な事業計画に意味はない!? 新規事業開発のビジネストレーニング-

2024年6月26日から7月27日にかけて開催されたこのセミナーは、横須賀市、三浦市、そして京急電鉄が共催し、新規事業開発をサポートする無料セミナーです。地元事業者や創業予定者、新規事業を検討している方々を対象に、新しいビジネスチャンスを掴むための知識やスキルを提供し、地域経済の活性化を目指します。

セミナーは、参加者が新規事業を成功させるために必要な3つの要素「心・技・体」に基づき、全3回にわたって実施されました。

・心:新規事業を成功させるために必要なメンタルの基盤を作る(Day1)
・技:選ばれるサービスの作り方や、成功するビジネスモデルの設計方法を学ぶ(Day2)
・体:自分の事業計画をブラッシュアップし、実際に発表・共有する(Day3)

このプログラムでは、ビジネスの知識やノウハウを提供するだけでなく、参加者同士が交流し、協力し合う場としても機能します。横須賀市や三浦市の事業者はもちろんのこと、地域全体での新規事業創出を促進し、共創型のコミュニティを形成することで、持続的な発展をサポートします。


Day1「心」: 心の強さが事業成功のカギ


トレジャーフット代表の田中は、自身の起業経験を振り返り「事業成功のカギは、何よりも強い心を持つことにある」と言います。事業計画やスキルよりも、まずは「強い意志」と「諦めない心」を養うことが重要と述べ、参加者に向けて熱いメッセージを送りました。

続けて、これまで手掛けてきた新規事業の立ち上げや地域活性化の取り組みに触れ、トレジャーフットが進めてきた実績を紹介しました。同社は、地域の事業者と全国から集まるフリーランスをつなぎ、地場産業の経営課題を解決するプロジェクトを年間100件以上推進しています。例えば、地域の特産品を活かした新商品開発や、観光業の活性化を図るプロジェクトなど、幅広い分野での成功例が数多くあります。また、複業人材を活用する「はたふり」プログラムでは、5000人以上のフリーランスが新しい働き方を実現し、地元企業との協力によって多くの新規事業が生まれています。

田中は、成功のために最も重要なポイントとして「諦めない心」を挙げ、「どんなに失敗しても、挑戦を続けることこそが成功の秘訣だ。そのためには、楽しさを感じながら続けられることが大切」とし、「孤独にならず、仲間とともに進む環境を作ることが成功への近道である」と説明しました。

事業成功のためのメッセージ(挑戦、楽しみ、明確な目標)

「諦めないことが成功の鍵である。どんな困難があっても続ける意志があれば、道は必ず開ける」

田中が強調したのは、「諦めない心」こそがビジネスの成功を左右する最も重要な要素であるということです。新規事業や起業の道は、多くの困難や予期せぬ課題に直面するものです。しかし、その都度諦めてしまえば、そこで事業は終わってしまいます。成功した起業家やビジネスリーダーの多くは、失敗や挫折を経験しながらも、それに屈せず、挑戦を続けることで成功を手にしてきました。

田中自身も、独立して外部の人材を地域に集めるプロジェクトを立ち上げた際、周囲から「そんなことをしても無理だ」と否定されました。しかし諦めずに挑戦を続け、最終的にそのプロジェクトは成長し成功を収めました。この経験を通じて、田中は「困難に直面しても続ける意志さえあれば、必ず道は開ける」と語り、事業の中で起こりうる挫折を受け入れ、それでも挑戦し続けることが、成功への近道であると伝えています。「死ぬまで諦めない限り、成功に近づき続ける」と話し、この「諦めない心」がビジネスを長く続けるための最重要要素だと参加者に伝えました。

「楽しむことが事業を長く続ける原動力になる。そして、孤独を避け、仲間と共に歩むことで、成功がより引き寄せられる。

田中は、ビジネスの成功には「楽しむこと」が不可欠だと言います。「どんなに厳しい状況にあっても、自分が楽しんで取り組むことで、事業を続けるエネルギーが生まれます。そして楽しさを感じることで、精神的にも肉体的にも疲れにくくなり、結果的に長期的な成功へと繋がりやすくなります。楽しいことを続けることが、自然と諦めない心を作るんです」と述べ、趣味や興味を持って取り組むことの重要性を語りました​。

また、「孤独を避けること」の大切さも強調しました。フリーランスとして独立した際、初期段階で成功を収めたとしても、多くの人がその後に感じる孤独感に悩まされると言います。周りに相談できる相手がいない、頑張っても誰も評価してくれない、といった孤独な状況が、事業を続ける上で大きな障害となるのです。田中は「一人で事業を続けるのは非常に難しく、仲間と協力することが成功への大きな力となる」と述べ、仲間との協力が困難を乗り越えるための支えになることを繰り返し語りました。

「自分の理想や目標をしっかりと言語化し、それを基に事業を進めることが非常に重要である。」

田中は、事業を進める上で、自身の理想や目標を明確に言葉にすることの重要性を力説しました。目標を漠然と抱えるだけでは、日々の行動や意思決定に迷いが生じ、結果として事業の方向性が定まらなくなってしまいます。しかし、理想や目標を具体的に言葉にすることで、それが指針となり、目標に向かって着実に進むことができます。

また、​​周囲の協力者やチームメンバーにも共有しやすくなり、皆が同じ方向を目指して働けるようになります。田中は、自分一人の努力だけでは事業を成功に導くのは難しいため、明確な目標があることで他者からのサポートや共感を得やすくなると伝えました。

ゴールを見える化::付箋で描く理想の未来

次に行われたワークショップでは、参加者が自分の「理想の人生」や「達成したい目標」を付箋に書き出しました。それらを基に、自分にとって最も大切な価値観や優先事項を整理し、明確にする作業を通じて、参加者は自らの目標や価値観を再確認することができました。田中は「悩む必要はなく、とにかく思いついたことをどんどん書き出すことが大切」と説明し、最終的に少なくとも10個以上の理想や目標を書き出すよう指導しました。また、書き出した付箋を「壁に貼っておく」ことを推奨し、毎日目にすることでモチベーションを維持できるとアドバイスしています。​

次回「選ばれるサービスの作り方」へのステップ

Day2では、「選ばれるサービスの作り方」をテーマに、さらに実践的な内容に進みます。参加者は、サービスが顧客に選ばれるための具体的な戦略や、成功するビジネスモデルの設計方法について学ぶことにより、心の基盤に加え、ビジネス成功のための「技」を身につけることができます。次回のレポートもお楽しみください。

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