【イベントレポート】MYOKO MEET UP#01 MYOKO COFFEE 野村さんと考える、妙高をフィールドに“あそぶ”の未来。

2024年9月5日、妙高市で「MYOKO MEET UP#01」が開催されました。このイベントは、新潟県妙高市で「新たな“こと”・おもしろい“こと”」にチャレンジしているゲストと、地域の人と交流したい、地域に貢献したいという想いのある首都圏に住まう人材が「妙高市をフィールドにやってみたいこと」を考えるものです。

 

◆今回のゲスト

MYOKO MEET UP、記念すべき初回のゲストは、MYOKO COFFEEを運営する野村幸太郎(のむら・こうたろう)さんです。
野村さんは新潟県長岡市出身。コーヒー好きが高じて、オーストラリアのメルボルンで、4年間カフェで働いた経験があり、その中で、カフェ文化の素晴らしさに気づいたと言います。帰国後 「妙高にはカフェが少ない。人が集まるきっかけを作りたい」という想いから、コーヒーの魅力を多くの人に知ってもらう活動を始めました。
現在の活動としては、スペシャルティコーヒーの焙煎及び小売・卸売業、セントラルキッチンによる菓子製造業、飲食店の運営、各種コンサルティング業務をしながら、妙高を盛り上げています。

◆妙高市ってどんなところ?

今回のイベントは、参加者の約半数が妙高市外の出身者ということもあり、妙高市役所企画政策課の丸山さんによる妙高市の紹介からスタートしました。

人口約3万人の妙高市は長野県に隣接する新潟県南西部に位置しています。
主な産業はスキーや温泉等の観光業の他、米づくりを中心とした農業など。冬は3mを超える積雪も珍しくない豪雪地帯で、特別豪雪地帯に指定までされているそうです。
地域資源としては国立公園や美しい自然景観、温泉、地元産のお米や豪雪地帯であることを活かしたお酒が挙げられます。北陸新幹線を利用すると約2時間で東京へ行けるほか、車では約3時間半というアクセスの良さも特徴です。

そんな魅力あふれる妙高市ですが、人口減少、なかでも生産年齢人口の減少が課題となっています。丸山さんは、各事業の担い手不足解消のためにも、関係人口の増加や移住・定住促進が喫緊の取り組むべき課題だと語りました。

 

◆野村さんによるゲストトーク「水に流されるように生きてきた」

妙高市について知ったところで、続いてはゲストトークの時間です。MYOKO COFFEEを運営する野村さんによるトークが行われました。
前述のとおり、新潟県長岡市出身の野村さんは、オーストラリアのメルボルンで4年間カフェ文化を学び、帰国後に妙高市に移住。現在は、コーヒーを通じて地域の魅力を発信し、地域の活性化に貢献しています。

野村さんは、妙高市への移住を決めたきっかけや、事業の成り立ちについても詳しく語りました。
妙高市での生活を選んだ理由としては、自然豊かでありながら、生活のコストが低いことや、物件の手頃さを挙げてくれました。
また「スノーボードが好きで、学生時代から妙高で練習していた」と語り、妙高市への親しみも大きな要因だったことを明かしています。

事業を立ち上げたきっかけとしては、妙高市に住んでから気づいた「コーヒー文化の少なさ」にあるといいます。大好きなカフェ・コーヒーの文化が少ないなら、自分で事業を立ち上げてしまおう!と思い、MYOKO COFFEEは始まりました。

MYOKO COFFEEでは、スペシャルティコーヒーの店舗提供や高品質な豆の卸売販売などを行っています。また、単なる飲食店としてではなく、人と人をつなぐ場として機能しているのが特徴です。

地元の接骨院やパン屋さん、ランニングショップと協力して、運動後にパンとコーヒーを楽しむイベントを実施したり、店内でライブを開催してコーヒーを楽しめるようにしたりすることで、観光客だけでなく地元住民が交流できる機会を生んでいます。

水のように流れる中で生まれた交流をきっかけに、コーヒーと掛け合わされた体験を提供することで、素晴らしいものを作り出したいという思いから、野村さんは活動を続けているのです。

 

◆もっと知りたい妙高市

ゲストトーク後は、質問タイムとなりました。
最初は「妙高はビジネスを始めやすい街?」という質問が寄せられました。
野村さんは、移住先を特に決めていなかった中で、妙高の家賃が過去に住んでいた場所と比較して非常に安く、物件も多かったことから「ビジネスを始めやすい街」だと感じたと語っています。また「妙高は、観光シーズンを見据えることで、ビジネス展開が可能になる」と話してくれました。

続いての質問は「妙高で事業をしていて良かったと思える瞬間は?」というものでした。
野村さんは「スペシャルティコーヒーの提供者として特別なひとりになれたこと、そしてプレーヤーとして地域の人々や観光客と直接交流し、その反響を感じる瞬間が非常に嬉しい」と語っています。

最後に「妙高にいる仲間について知りたい!」という質問が出てきました。
野村さんからは、MYOKO COFFEEを運営するスタッフの紹介がありました。
妙高市の取り組みをきっかけに、妙高へ移住してMYOKO COFFEEのスタッフとして働いているそうです。この取り組みは、妙高市にある空き家をNPO法人と建設会社が協力して、購入とリフォームを実施し、賃貸物件として貸し出すというものです。
こういった取り組みが活用された結果、野村さんの仲間が増えていっているようですね。

ちなみに、野村さんによると最近では妙高の家賃も少しずつ上がってきているそうです。
特に観光エリアやスキー場に近い地域では開発が進み、リノベーションも行われています。
ですが、妙高市は有数の豪雪地帯のため「冬をなめてはいけない」と野村さんは力説してくれました。玄関を開けて、降り積もる雪に「どうやって外に出よう」と途方に暮れることもあるんだとか。

妙高市への移住を考える際には、雪とどう付き合うのかも考える必要があるようですね。

◆ ワークショップ:妙高市でやってみたいことを考える

イベントの後半では、参加者がグループに分かれ「妙高市をフィールドにやってみたいこと」を妄想するワークショップが行われました。
このワークショップは「難易度や実現可能性にとらわれず、自由にアイデアを出し合う」というルールで進んでいきます。
参加者からは「雪を食べたい!」という想いが形になったイベントアイデアや、都市部に住まう子どもたちをターゲットにしたサマースクールの提案など、様々な「やってみたい!」が飛び交いました。

妄想という形で気軽にアイデアを共有することで、妙高市における新たなプロジェクトの可能性を探る場として非常に盛り上がることができました。また、「できる・できない」を気にすることなく、共有しあうことで新しい視点で妙高市の可能性が広がる瞬間も生まれています。

 

◆ 最後に

今回の「MYOKO MEET UP#01」では、地域との関わりに興味を持つ都市部の人材と、自分の出身地や住んでいる地域を盛り上げようとする人が一堂に会する貴重な機会となりました。
妙高市の未来を担う人々が集い、地域と都市部をつなぐ新たなプロジェクトが生まれることで、妙高市の活性化に向けてさらなる挑戦が続くことでしょう。

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