【イベントレポート】 平和島エリアの未来を考える: 第一回 平和島エリアリノベーション タウンミーティング

2024年8月20日、「第一回 平和島エリアリノベーション タウンミーティング」が開催されました。このタウンミーティングは、平和島まちづくりプロジェクトの一環として行われました。​​​​​​

平和島エリアは、東京都大田区に位置する工業・物流の拠点でありながら、温泉施設や公園、ショッピングモールなども備えた便利で住みやすい地域です。
しかし近年、カフェや飲食店の減少により、住民が気軽に立ち寄れる場所が不足し、地域のイベントやコミュニティ形成が難しくなっています。さらに、高齢化や人手不足による地域活動の衰退も課題となっています。

この平和島まちづくりプロジェクトは、大田区と京急電鉄が協力し、平和島駅周辺の再開発とグランドデザインの策定を通じて、商店街や企業、地域の住民と連携しながら、平和島全体の活性化を目指す取り組みです。

平和島エリアリノベーション タウンミーティングでは、地域の課題を共有し、住民や関係者が主体的に解決策を考える機会を提供することを目的としています。

本記事では、イベントレポートの形で当日の様子を紹介します。

多様な参加者たちによる期待される未来づくり

京急電鉄は、大田区と共同で平和島エリアの街づくりプロジェクトを推進しており、地域の課題を共有しながら、住民や関係者と共に解決策を模索しています。

2024年度からは、株式会社トレジャーフットと共に、住民や地域事業者を巻き込みながら、「ワークショップ」や「フィールドワーク」、コミュニティの運営などを通じて、地域主体のまちづくりを加速させ、持続可能で価値のある街づくりを進めていきます。

今回のタウンミーティングには、平和島エリアにゆかりのある多様な顔ぶれが集まりました。具体的には、商店街会長(不動産業者)、アロマフレグランス製品を手がける事業者、DTPオペレーター、花のモニュメントを手がけるクリエイター、料理人、アートギャラリーの運営者、結婚相談所の経営者、スポーツ推進委員、街づくりカフェの経営者などです。各参加者が自己紹介を通じて、自身の専門分野や活動に対する熱意を語り、その意気込みが伝わるとともに、地域の未来についての活発な議論が行われました。

平和島エリアの今:直面する課題と未来に活かせる資源

イベントでは、トレジャーフットが、地域の現状と課題についてプレゼンテーションを行いました。平和島エリアが抱える具体的な問題点や地域の魅力を下記にまとめます。

課題

1.休憩や集まる場所の不足:かつて存在したカフェやレストランが減少し、住民が気軽に立ち寄れる場所が不足している。
2.世代間の交流の希薄さ:若い世代と高齢者の交流が少なく、コミュニティのつながりが弱まっている。
3.地域イベントの減少:地域活動に関わる人手不足により、祭りやイベントの開催が難しくなっている。
4.インフラの使いにくさ:街灯の不足や、スーパーが狭く利用しにくいこと、公共のスペースが限られていることが課題となっている。

魅力・資源

1.大田ふるさとの浜辺公園:豊かな自然とリラックスできる環境が、地域住民にとって大切な場所となっている。
2.旧東海道沿いの歴史的街並み: 歴史を感じられる街並みが観光資源としてのポテンシャルを持っている。
3.コミュニティの潜在力:住民同士のつながりや、地域をより良くしたいという熱意が、今後のまちづくりの重要な資源となり得る。

未来の平和島エリアに向けての第一歩:アイデアの創出

今回のメインセッションでは、参加者一人ひとりが、自分の考えやアイデアを付箋に書き出す個人ワークが行われました。

・ピンク:地域の魅力
・ブルー:地域の課題

その後、用意された平和島エリアの地図に「マッピング」を行いました。

付箋紙に書かれた地域の魅力、課題を地図上に配置することにより、地域全体の課題や魅力を視覚的に把握することができるようになります。そして二つに分けられたグループごとに具体的な解決策や未来のビジョンを検討しました。下記がその話し合いの結果です。

グループ1:アートや文化的資産と下町の魅力の活用

このグループは、平和島エリアが持つ「アートなどの文化的資産」や「下町っぽさ」を大きな魅力として強調しました。しかし、同時に「外から入りにくい」雰囲気や、豊富な資源があるにもかかわらず「一体感がない」ことを課題として指摘しました。これらの資源を結びつけ、地域全体の一体感を高める取り組みが必要だと提案しました。

グループ2::外国人観光客と自然資源の活用

もう一つのグループは、平和島エリアが持つ「外国人にも注目されそうなアトラクション」や「豊かな自然環境と、それを楽しむためのバードウォッチングなどの自然観察の機会」を強調しました。一方で、「情報を一括して得られる方法がない」「ガード下が暗く、若い人が立ち寄りにくい」ことを課題として挙げ、情報の集約やガード下の明るさの改善を提案しました。

次回に向けて:「平和島妄想会議」とコミュニティ「じわじわ、へいわじま」

最後に、今回のタウンミーティングで得られたアイデアや意見を、これで終わらせるのではなく、今後も継続的に繋げていきたいね、となり、オープンチャットを通じて情報共有や意見交換を行い、より多くの住民の方々と繋がっていけるようにコミュニティを作りました。

コミュニティー名は、「じわじわ、へいわじま」です。

次回は「平和島妄想会議」という形で、さらに多くの意見やアイデアを集め、地域の未来を一緒に描いていきたいと考えています。

そしてこの会議は、平和島エリアだけでなく、規模を拡大して開催していく予定です。

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