今回はトレジャーフットで、プロ人材として活躍していただいている池ケ谷 周平(いけがや しゅうへい)さんにインタビューを行いました。池ケ谷さんのこれまでのキャリアから、得意領域、今実施しているプロジェクトや今後について、様々お伺いしました。
静岡県出身、山口県光市在住。現在はマーケティングやブランディングを軸に、地域企業の伴走型のコンサルティング支援を行っている。新卒で大阪のセールスプロモーション会社に入社し、名古屋営業所長などを歴任。2016年10月より東京へ転勤し、化粧品メーカーや大手酒類メーカーのデジタルマーケティング支援に従事。2019年に東京のデジタルマーケティング会社へ入社し、2020年2月には広島営業所の立ち上げ責任者として配属される。初年度に通期目標を達成し、新人賞を受賞。また、広島県庁のデジタルマーケターや、山口県平生町の広報アドバイザーなども務め、地域行政との連携も経験。現在は山口県を拠点に、マーケティング支援会社「eachvista株式会社」を設立し、地域企業が抱える本質的な課題に対し、マーケティング戦略を通じた解決を目指している。
◆ 「地方発デジタルマーケティング」を切り拓く
───まずは池ケ谷さんのこれまでの経歴について教えてください。
私は静岡県焼津市で生まれ育ち、大学では建築を学びました。卒業後は総合セールスプロモーション会社に入社し、本社のあった大阪でチラシやPOP制作、イベント企画、SNS運用、Web制作など、オフラインとオンラインを横断したマーケティングを経験しています。その後、名古屋営業所の責任者としてチームマネジメントを行い、再び大阪、最終的には東京と、地域ごとの市場特性を肌で感じながらスキルを磨きました。携帯キャリアや飲料メーカーといった大手クライアントの案件も担当し、お客さまに鍛えていただいたことは私の基盤になっています。
その後、地域企業支援に強みを持つソウルドアウト株式会社に転職しました。そこでは広島営業所の立ち上げを任され、責任者としてデジタル広告運用だけでなく経営者伴走にも深く携わりました。
現在は起業して、eachvista株式会社を立ち上げており、山口県を中心として様々なクライアントの課題解決を行っています。主に支援を行っているデジタルマーケティングやオフラインマーケティングは1社目で、2社目である前職で地場産業支援を深く経験したことで、現在のeachvistaを創業する土台になったと思っています。
───池ケ谷さんはお住まいのある山口県で起業されていますが、山口県を選んだ決め手は何でしたか?
もともと僕は東京で出会ったパートナーと結婚をしていたのですが、コロナ禍もある中で「暮らしと仕事のバランス」を考え直したとき、彼女の実家がある山口県に目を向けました。
実は、僕自身も学生時代にヒッチハイクで山口を訪れた経験があり、そのときの思い出が強く心に残っていたんです。
地方でこそ自分の経験が活きると感じて移住し、eachvistaを立ち上げました。
───実際に山口で事業を始めて感じた山口独自の課題はありますか?
実は山口県って、IT系の広告出稿にかける金額の比率が、全国で最下位というデータがあったんです。
僕自身がそれを知ったのは、移住する前のことでしたが、実際に移住してみると確かに「何から手を付ければいいのか分からない」という声が多く、そもそもITやDXという言葉自体が浸透していない企業もいらっしゃるような状況でした。それと同時に最新の情報やリアルな話が入ってこない状況自体に危機感を持っている企業もいらっしゃったんです。
そこで山口県内のビジネスにおけるマーケティングの理解向上と、またマーケティングに関わる人々の成長につながるエコシステムを築くことを目指して、FUGU Lab(フグラボ)というマーケティングコミュニティを立ち上げました。
最新のマーケティングトレンドをリアルタイムで共有し、第一線で活躍する業界人をお呼びしたセミナーも開催しています。
こうした取り組みを行うことで、最新の情報を山口県内の企業へお届けし、ITリテラシーの向上や地域活性化に貢献したいと思っています。
◆ 広告と経営をワンセットにした支援とは
───トレジャーフットのクライアントへはどういった支援を行っていますか?
現在は、中古車買取サービスを運営している会社様の支援を行っています。
課題としてはWebからのお問い合わせを増やしていきたいということでしたので、まずはWeb広告の運用から支援させていただきました。広告運用だけでなく、広告クリエイティブの制作まで行った上でサポートをしてきましたが、広告運用だけでは限界があると思い、Webサイトのリニューアルの提案を行ったんです。
───ご支援は広告運用だけに留まらなかったんですね。
そうですね。サイトリニューアルでは、サービスの良さや価値を改めて洗い出し、地域に根差した会社としてのブランドを確立できるように取り組んできました。
ちょうど最近、リニューアルしたサイトのローンチができましたので、ここからさらに広告運用も行いながら、当初の課題であるお問い合わせ増加に向けた支援を進めていこうとしています。
───実際の成果としてはいかがでしたか?
実は、Webサイトのリニューアルだけでなく、Web広告と動画広告を統合運用する形での広告運用支援も行っていました。
ブランドの方向性や広告出稿時の戦略立案まで徹底した伴走支援を行ったところ、広告予算は変えずにコンバージョンを約1.5倍に伸ばすことができたんです。
マーケティングという領域を様々経験してきましたが、地場産業で広告費捻出だけを行って、課題解決を進めていくって意外と難しい。だからこそ、ブランディングや経営領域も含めて一緒に伴走しながら、クリエイティブ出稿戦略やクリエイティブ制作自体も一緒に考えるようにしています。
◆モットーは「一次情報」
─── 仕事をするうえで大切にしているモットーはありますか?
最も大切にしているのは「一次情報」です。顧客の声と経営者の意思、この二つを丁寧に聞き取って言語化しないとブランドは動きません。
そのためには必ず現場に足を運び、工場でも店舗でも直接ヒアリングを行います。北海道の案件でも現地へ行きますし、トレジャーフットさんの案件でしたら鳥取や島根まで行って、現地の空気感まで把握した上でクリエイティブに落とし込むようにしていました。
机上のデータだけでは、地方企業の本質的な課題は解けないと考えています。
───この一次情報をもとに、どんな企業の支援へ取り組んでみたいですか?
食品メーカーなど百年以上続く老舗企業の支援に力を入れたいと考えています。山口県を拠点に様々なクライアントからご相談をいただいていますが、実際に老舗と呼ばれる企業では基盤や技術は素晴らしいのに、次のステージに踏み出せず成長が停滞しているケースが多いんです。
ただ、これからの時代、人口も減っていく部分はどうしてもあるでしょうから、その状況で「どのようにして売り上げを伸ばしていくのか」が重要だと思っています。
だからこそ、老舗企業こそ、既存のブランドを伸ばしていくのか、変革させていくのか、考えていく必要があります。チャレンジングなことではありますが、ワクワクしますね。
「守るべきものは守り、壊すべきものは壊す」いわゆる「破壊と創造」のスタンスで、一次情報をもとにブランドと組織を同時にアップデートしていきたいと思います。
おわりに
「北海道でも、どこだって行きますよ!」
そう笑顔で話してくださる池ケ谷さんは、難しい支援であってもワクワクして楽しみながらも、マーケティング・ブランディング・経営という複数の視点から、クライアントの支援に取り組んでいらっしゃいます。
マーケティングに関する課題はもちろんですが、複合的な課題も含めて、池ケ谷さんのような地場産業のリアルを知る方にご支援いただきたい企業はぜひ、お気軽にお声掛けください。
そして、トレジャーフットには池ケ谷さんのように、共走してくれるプロ人材が、課題解決に尽力してくださいます。まずはお気軽にお問い合わせください。