2025年11月30日(日)、大森ふるさとの浜辺公園にて「つながりの縁日」が開催されました。雲ひとつない快晴の下、平和島駅周辺の事業者を中心におよそ20店舗が出店。地域住民や来場者が足を運び、会場は大いに賑わいました。
このイベントは、京浜急行電鉄株式会社と大田区が共同で2024年7月から推進する「平和島まちづくりプロジェクト」の一環として実施されたものです。プロジェクトの中で開講した事業化支援ゼミ「はじまりゼミ」では、住民自らが企画した「やりたいこと」を形にする取り組みを進めてきました。当日は、その成果として「はじまりのゼミ ブース」で企画が実現したほか、受講生による“初出店ブース”も登場。地域のつながりを実感できる一日となりました。
3カ年プロジェクトの初年度の活動については、こちらの記事をご覧ください。
▼【イベントレポート】やってみたいが詰まったはじまりの縁日
https://treasurefoot.com/report/5132/
平和島で、はじめる

今年度から実施した「はじまりゼミ」は、「平和島で事業を始めてみたい」「趣味を発信してみたい」という思いを持つ地域住民や就業者を対象にした事業化支援ゼミです。全5回のゼミ講座を通じて、アイデアを形にするための企画づくり・アウトプットの講座や支援を行ってきました。
ゼミでは、大田区内外で活躍している「まちづくりのプロフェショナル」を講師に迎え、企画を楽しむことからスタート。「アイデアを考える」「方向性を決める」「計画に落とし込む」「準備する」という段階を経て、11月30日の「つながりの縁日」で思いを形にしていく流れで進みました。ゼミの受講生のほとんどが、もともとこのプロジェクト自体を知りませんでした。事前にチラシやインターネットで呼びかけを行ったところ、「何かやってみたい」という思いを抱いた方々が手を挙げてくれたのです。
初めて出店した受講生からは、こんな声が寄せられました。
「平和島の町とつながることができて嬉しい」
「大田区での活動を多くの方に知ってほしい」
「自分の活動が地域貢献につながるなら嬉しい」
これらの言葉からは、単なる出店体験を超えた、地域とのつながりや自己実現への喜びが感じられます。
賑わうブースで生まれる出会い
日中は気持ちの良い気温となり、会場には多くの人が訪れました。10時の開始時刻が近づくと、出店者全員の準備も整い、いよいよイベントがスタートします。

会場には、4月に開催された「はじまりの縁日」でも出店していたスイーツやビールの販売店に加え、初出店となった洋服販売店、レクリエーションが楽しめるブースなどが並びました。中には、このイベントに合わせてキッチンカーを新調した出店者もいて、みんな気合い十分です。
飲食ブースでは、もちもち食感のクレープ、地元のクラフトビール、本格的な富士宮焼きそば、天然本鮪を使った自家製クラフトツナなど、バラエティ豊かなメニューが揃いました。
大田区との連携により、地域の人気給食メニューの販売もあり、行列ができるほどの賑わいが見られました。
また、体験型のブースも充実し、子供向けの魚釣りなどの縁日企画、サッカーのシューティング体験など、子どもから大人まで楽しめる内容が勢揃い。本社を平和島に構えるアパレル企業による服の端材を活用したエコバッグづくりワークショップなど、サステナブルな取り組みも賑わいをみせていました。
さらに会場には、明治安田生命の商品キャラクター「かめろん」や京急電鉄のマスコットキャラクター「けいきゅん」も登場。制服を着用した記念撮影会や顔出しパネルが出店され、子どもたちに大人気でした。
当日配布していた100部のイベント案内のチラシが全てなくなるほどの盛況ぶりで、公園全体が活気に包まれた一日となりました。
子供たちが見つけた「つながり」
特に注目を集めたのが、「はじまりゼミ」の受講生たちが企画した「はじまりゼミ ブース」です。「大田区・平和島で始める」をテーマに、3ヶ月に渡り講義とワークショップで考え抜いたアイデアが、この日ついに実現しました。
ブースでは、年齢や性別を問わず楽しめる「ボッチャ」体験、チェキを使ったワークショップ、駄菓子のサービス、新潟県産のお米を使ったごはんの販売、ヘッドスパ体験など、受講生それぞれの「やりたい」が詰まった多彩な企画が展開されました。
中でも印象的だったのが、受講生が企画した「つながりの写真集」です。

子供たちが各出店ブースや会場内を周り、来場者や出店者を撮影。その写真を展示パネルに載せていき、会場のあちこちで切り取られた素敵な瞬間が写真として残ります。
この「つながりの写真集」という企画そのものが、子供たちにとって大きな挑戦でした。イベントで出店するという初めての経験。初めて会う大人たちに「写真を撮らせてください」と声をかけること。カメラを構えて、相手の笑顔を引き出すこと。一つひとつが、子供たちにとっては勇気のいる行動だったはずです。
それでも子供たちは、会場を駆け回りながら積極的に声をかけ、シャッターを切り続けました。最初は恥ずかしそうにしていた子も、次第に自信を持って撮影を楽しむ姿が見られました。その成長の過程そのものが、このイベントの大きな成果の一つです。
展示パネルを見にブースへ足を運んだ方々とのつながりも、また感慨深い瞬間でした。撮影された人々が自分の写真を探しに来たり、「ありがとう」と子供たちに声をかけたりする姿は、まさにこのイベントが目指す「つながり」そのものです。子供たちにとっても、ただ楽しむだけでなく、イベントの一部を創り上げる経験は、かけがえのないものになったことでしょう。
語り合う喜び、知り合う楽しさ

「つながりの縁日」の魅力は、単にモノを売り買いする場ではなく、人と人とが出会い、対話する場であることです。出店者の多くは平和島駅周辺で活動する方々で、日頃から地域に根ざした活動を行っています。
イベントを通じて、出店者同士も新たなつながりを築いていました。異なる業種や活動をしている者同士が出会い、お互いの取り組みを知ることで、今後のコラボレーションや相互支援の可能性も広がります。
また、来場者にとっても、普段は知らなかった地域の事業者や活動を知る貴重な機会となりました。「こんな活動をしている人が平和島にいたんだ」という発見が、地域への愛着や誇りにつながっていくのです。
3年目へ みんなで作るまち
平和島まちづくりプロジェクトは、いよいよ3年目に突入します。「はじまりの縁日」「つながりの縁日」を通して、地域全体が着実に活性化し始めました。
このプロジェクトは、京急電鉄という民間企業と大田区という自治体が連携し、住民自らが「やりたいこと」を実現できる仕組みを作ることが強みです。
こうしたイベントを継続的に開催することで、一度きりの盛り上がりではなく、長期的な関係性の構築が可能になります。回を重ねるごとに新たな参加者が加わり、地域のネットワークが広がっていく。そんな好循環が生まれつつあります。

平和島まちづくりプロジェクトは、2026年度に向けて「コミュニティの自走化」を目指しています。これまでの取り組みから生まれるコアメンバーを中心に、地域と大田区・京急電鉄が一体となり、地域主導の持続性のあるまちづくりの基盤を構築していく計画です。
我々は、引き続き平和島に関わりたいという思いを持つ方々を募集しています。「何かやってみたい」「地域のために活動したい」という思いがある方は、ぜひプロジェクトに参加してみてください。
今後も民間企業と自治体の双方の強みを活用しながら、連携した取り組みを進め、平和島の町の発展に貢献してまいります。次回のイベントや「はじまりゼミ」の開講情報については、以下の公式アカウントをチェックしてください。
じわじわ平和島Instagram
https://www.instagram.com/heiwajima.ar
公式LINEオープンチャット
https://line.me/ti/g2/IyErJltqu1HEJtD9ewE41gve9k7ZMR4kypLVvQ?utm_source=invitation&utm_medium=link_copy&utm_campaign=default
最後に
「つながりの縁日」は、単なるイベントではなく、地域の人々が出会い、つながり、新たな可能性を生み出す場でした。出店者に来場者、そして運営に関わったすべての人々が、この日を通じて平和島というまちの一員としてのつながりを深めていました。
これからも、平和島まちづくりプロジェクトは地域の皆さんとともに、この町をより魅力的な場所にしていきます。次回のイベントでも、また新たな「つながり」が生まれるのが楽しみですね。
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