トレジャーフットの新メンバーを紹介するコラム「入社エントリ」井上 雄太郎編
福島県桑折町出身。大学卒業後15年間広告会社に勤務し、大手電機メーカーの企業ブランディングから商品プロモーションと幅広い領域のコミュニケーション設計に従事。休日を利用して地域振興のボランティアに参加し「コミュニティ」「地方創生」への関心が高まる中で、地域の課題解決を通して多くの人が「笑顔」になれる仕掛けづくりを進めるためトレジャーフットへジョイン。
言葉で築いた人とのつながり
高校時代から本を読んだり、本屋を巡ったりすることが好きで、「言葉」を扱う仕事に就きたいと考えていました。出版社への就職も検討していましたが、何気なく目にしたCMから言葉で気持ちや面白さを伝え、人の記憶に残せることに強く魅力を感じたのです。
こうして新卒で広告会社に入社し、Webサイト制作のディレクターやメディア関連の営業、プランニングを担当しました。特に電機メーカーを担当した際には、toB・toCの両方を経験し、幅広い学びを得ることができました。流行や新しいものへの関心が高かったこともあり、メディアに携われること自体が楽しく、普段出会えない人や独創的な発想に触れられる日々は大きな刺激でした。CMや広告制作のクリエイティブに関われたことも、貴重な経験のひとつです。
15年間で培った経験は、今の私にとって大切な財産です。当時の同僚や先輩、取引先の方々とは今も良い関係を続けています。業務は大変なことも多かったですが、支え合い、時に厳しく指導していただいたからこそ「人との関わりの大切さ」に気づくことができました。
自分と向き合う時間
前職で働いていた際、土日にも業務をこなすほどの繁忙期がありました。その時に自分と向き合い、リフレッシュする時間を過ごしたのが神保町でした。
夜遅くに仕事を終え、一息つくために神保町の喫茶店へ。そこで食事を済ませてゆったりと過ごすことが気持ちを回復させるルーティンとなっていました。
大好きな本屋が立ち並び、様々な本に出会うことができるこの場所はとても居心地が良かったです。今でも時間があれば、神保町を含め全国の本屋へ足を運び、まだ出会った事のない本を探しています。
中でも私はチェーン系書店ではなく、「独立系書店」へいくことが好きです。「いつか自分の本屋を出店したい」という思いもあり、店員さんの思いやこだわりなどを聞いています。店員さんも喜んで話をしてくれるので、ただ本をみるだけでは終わらない、本屋自体の魅力までも知ることができて、とてもワクワクした気持ちになります。
独立系書店の魅力は、店主の個性や思いが込められた選書にあります。大型書店では見つけることのできない、隠れた名著や、その街ならではの本との出会いがあります。これらの経験を通じて、「場所」や「空間」が人に与える影響の大きさを実感するようになりました。
現在も個人的な活動として、休日には各地で開催される古本市に「ほんわか書房」として出店しています。仕事とは違った形で人と関わることができ、毎回充実した時間を過ごせています。新たな本に出会った時のお客さんの表情や言葉を通して喜びを感じることができ、とてもやりがいを感じます。私にとって本は単なる情報の媒体ではなく、人の心に寄り添い、新しい世界を開いてくれる存在です。
進みたい道への第一歩
前職での経験も長くなり、業務内容にも慣れてやりがいを感じる日々でした。ですが、コロナ禍をきっかけに「本当に自分のやりたいこと」について見つめ直すようになりました。
そんな時に出会ったのが、トレジャーフットでした。今では共に働くメンバーである柴田さんのSNSで見かけた採用イベントがきっかけです。当時は、特に転職を意識していなかったものの、地方創生に興味があり2024年秋に開催されたオンライン・リアル両方の採用イベントに参加しました。
イベントを通じて、トレジャーフットの根源でもある「T理論」にとても共感したことを今でも覚えています。外部人材活用・人材育成・コミュニティの3事業を連携させることで、地域に雇用やリモートワークを生み出し、スキルの地産地消を実現して持続的な地域活性化につなげる戦略ー本当の意味で地域を元気にする仕事ができると知りました。
これまで地域振興のボランティアに参加する中で感じていた課題や疑問に対して、トレジャーフットが取り組んでいるアプローチは非常に理にかなったものだったのです。単発的なイベントや一時的な支援ではなく、持続可能な仕組みづくりを通じて地域を支えていく姿勢に、深く感銘を受けました。
また、地元である福島県に関わるプロジェクトもあると聞いて「いずれは地元で仕事をしていきたい」「これからの転機を前に行動したい!」と思ったのです。その後は自分の気持ちに正直に、トレジャーフットへの入社を決意しました。
この場所から、地域のために
私の入社日は、3ヶ月に一度開催されるビジョンデイでした。関東や佐賀など、全国各地で働くメンバーが所属するトレジャーフットですが、この日はたまたま社員全員が集まる日だったのです。初めての転職ということもあり、緊張と不安が大きかったですが、実際に顔を合わせて話をすることで優しい人が多いなと感じました。
前職では幅広い世代の方々とともに働いていましたが、トレジャーフットでは同世代のメンバーが多く、とても新鮮でした。年齢が近いことで、共通の話題や価値観を共有しやすく、すぐに打ち解けることができました。
トレジャーフットは自分のやりたいこと、この会社で成し遂げたいことを持って仕事をしている人たちが多いと感じることもあり、尊敬しています。ビジョンデイでは、会社全体の方向性や各プロジェクトの進捗状況について詳しく聞くことができ、「この会社で働くことの意味」を実感することができました。そして入社前から期待していた「地域の課題解決に貢献できる仕事」ができる環境であることを改めて確認でき、これからの仕事に対する期待がより一層高まりました。
成長の毎日
入社後は、福島県や東京都大田区平和島のプロジェクトなど複数を担当し、メンバーとともに日々模索を重ねています。その中で、自分にはまだスキルアップが必要だと強く感じています。資料作成やイベント運営の力を高めれば、プロジェクトの進行はよりスムーズになり、関係各所との連携や参加者の満足度向上にもつながるはずです。
業務を通じて自分の得意・不得意が明確になってきたため、苦手な部分にはしっかり向き合い、得意に変えていきたいと思います。特に地域の皆さんとのコミュニケーションでは、相手の立場や背景を理解し、適切な言葉や提案方法を工夫することの大切さを実感しています。広告業界での経験は活かされていますが、地域の課題解決という新しいフィールドでは、また別のアプローチが必要だと気づかされる毎日です。
読書を通じて得た知識や感性も、地域創生の仕事に活かされており、様々な分野の本から得たアイデアや視点を、プロジェクトの企画に反映させるよう心がけています。自分の感じたことを言葉にのせて、多くの方に穏やかな時間を届けていきたいという思いは、古本市での活動と地域創生の仕事、どちらにも通じるものがあります。
トレジャーフットでの新しいキャリアは、私にとって大きな挑戦です。広告業界で培った経験を基盤としながら、地域創生という新しい分野で成果を出していくことは簡単なことではありませんが、だからこそやりがいがあり自分自身の成長につながると確信しています。
トレジャーフットの一員としてこれからも言葉を力に変えて、地域に前向きなエネルギーを広げていきます。