トレジャーフットの新メンバーを紹介するコラム「入社エントリ」鈴木美弥子編
大阪市出身。新卒で株式会社INAX(現LIXIL)へ入社、愛知県にてシステム企画を担当。結婚で退職、三重県へ転居し、知り合い0から子育てサークルを立ち上げる。夫の転勤で佐賀県へ移住、ライターを経て佐賀県庁にて県外広報を担当。SAGA Smart Terakoyaに出会い、半年で副業10件を獲得、人生を変えてくれたトレジャーフットの九州支店を立ち上げるため参画。
自分から動く、やってみる。世界は自分で変えられるのかもしれない
トレジャーフットに導かれる人生は、私の大学時代から始まっていたのかもしれません。「環境デザイン」が学べ、経済・経営・理工学部の3つの学部を横断的に学べる大学を選んだのは、「自分のまわりの環境をよくしていきたい。」と思ったからでした。「コミュニティデザイン」や「デザインマネジメント」など、当時(20数年前)としては珍しい分野を学び、「大学の勉強って楽しい!」と思える日々。サークルは3つ掛け持ちし、興味のあることに全力投球していました。
この時感じたのは、「やりたい!と思って、実際に行動してみると、意外と何でも実現する」ということです。この実感は、今も変わらず私の原動力になっています。
その後、新卒で就職した会社では愛知県知多市へ。結婚後に転居した三重県伊賀市では、子育てを通じて出会った友人たちと「みんなで楽しめる場をつくろう」とサークルを立ち上げました。毎月行っていたイベント企画立案から派生してハンドメイド部も立ち上げ、イベントへ何度も出展するまでに広がりました。
仲間と「こんなことやってみたいね」と話し、それを形にしていく経験は、地域にコミュニティをつくり、企画を実行していく今の仕事にそのままつながっています。
そして、夫の転勤により、次に暮らすことになったのが佐賀県でした。
佐賀で見つけた宝物
佐賀県での生活が始まったのは、コロナ禍の真っ只中だった2020年でした。県外移動が制限される中でしたが、私にとっては県内移動は旅行と同じです。当時実施されていた「Go To トラベル」を活用し、県内の有名観光地を巡りました。
佐賀には大好きな温泉も複数あり、有田焼に代表されるやきものや吉野ヶ里遺跡の歴史、有明海や玄界灘の風景、呼子イカや佐賀牛といった美食にも恵まれています。すっかり佐賀に魅了された私は、この想いを伝えたいと思い、地域のフリーペーパーでライターをすることになりました。
子どもも佐賀に馴染み、そろそろフルタイム勤務をと考え始めた頃に出会ったのが、佐賀県庁での県外広報の仕事でした。もともと広報に興味があったうえ、佐賀の良さをもっと多くの人に知ってもらいたいと思っていた私にとって、またとない仕事。幸運にもご縁をいただき、働くこととなりました。
佐賀県庁の広報広聴課で働いた2023年は、特に話題に事欠かない1年でした。吉野ヶ里遺跡で弥生時代の有力者の墓とみられる「石棺墓」が発見され、全国のメディアでも大きく報じられたことから始まり、新時代のエンターテインメントアリーナ「SAGAアリーナ」も開業しました。県外メディアへ佐賀の魅力を伝える役割を担う中で、これまで「ただの住民」では知ることのなかった伝統工芸や文化・歴史、地元の農作物、そして多彩な計画や取り組みに触れることができました。そうして出会った人々とのつながりも、私にとって大きな財産になっています。佐賀県外出身だからこその「ここがおもしろい!」という視点で、県の魅力をラジオ・テレビ・雑誌に届ける仕事は、大きなやりがいでした。その積み重ねで、気づけば「移住者イチ佐賀に詳しい人」になっていたような気がします。そして次第に、地域そのものを盛り上げていきたいという気持ちも芽生えていきました。
Terakoyaとの出会い、受講生から運営へ
トレジャーフットとの出会いは「Saga Smart Terakoya〜シゴトに繋げる起業・複業支援塾〜」でした。2023年度に、トレジャーフットが当時の佐賀県庁産業労働部から受託していた事業です。複業に興味のあった私は、Terakoyaに受講生として参加しました。受講生企画としてイベントを立ち上げたり、半年の間に10件の複業を獲得したりと、気づけば「一番Terakoyaを使いこなす受講生」になっていました。
Terakoyaでの歩みについてはこちら:https://treasurefoot.com/column/4039/
そこで出会ったのが、トレジャーフットの辻さんと西嶋さんです。関わる中で「こんなに尊敬できておもしろい人たちと一緒に働けたら、きっと楽しいだろうな」と思うことはありましたが、同時に「ベンチャー企業での仕事は、私には難しいんだろうな」と感じてもいました。
そんな私にお二人から「一緒にトレジャーフットで働きませんか」と声をかけてもらったのは、本当に嬉しかったことを覚えています。県庁での広報の仕事もやりがいがあり、続けたい気持ちもありました。それでも「トレジャーフットの九州支店を佐賀に立ち上げる」というタイミングで、こんな機会は二度とないと思い、入社を決意しました。
そして、2025年2月に開催された九州支店開設記念パーティーで入社を発表。決意を新たにし、4月から九州支店メンバーとして加わりました。受講していたTerakoyaは、同じく受講生だった他メンバーと共に、運営側として企画立案や、講座運営を行っています。
九州支店で“ゼロからつくる”日々
九州支店の所属は、私を含めて4名と限られた人数ではありますが、本社所属の他メンバーとは基本的にオンラインで日々やりとりをしています。ただ、毎朝の朝礼で顔を合わせるので、毎日一緒に働いているような感覚があり、孤独を感じたことはありません。
入社後は主に佐賀県庁と関わる事業を担当しており、前職でお世話になった方と再会する機会も少なくありません。前職の広報では「すでにあるものを正しく伝える」ことが仕事でしたが、トレジャーフットでの仕事は、佐賀でのコミュニティづくりやイベント企画など、「ゼロからつくる」部分から関われることが、大きなやりがいになっています。
ベンチャーらしく、入社してすぐに実践の場に立つこともありました。70名を超えるイベントのファシリテーターを任された日、偶然にも午前中にラジオ出演(1時間のフリートーク)が決まってしまったのです。朝はラジオ出演、午後は買い出しや会場準備、そして夕方から初めてのファシリテーター。緊張する暇もなく駆け抜けた一日でしたが、この経験のおかげで少し自信がついたように思います。そして現在、担当している事業の一つに「コスメ県SAGAコミュニティ運営業務」があります。佐賀県は、高品質な原料や製造工場、物流拠点までが揃い、「日本一コスメビジネスがしやすいまち」を目指しています。県庁で広報をしていた頃、この取り組みに触れて「こんな素晴らしい挑戦を佐賀が進めているなんて!」と感動し、複数のメディアへ連携し、好評を得た経験もありました。だからこそ今、この構想に直接関われることは大きな喜びです。
この事業では「コスメ県SAGA」をもっと多くの人に知ってもらい、関わる人の裾野を広げるために、コスメビジネスコミュニティ「CosPa(Cosme Park SAGA)」を立ち上げました。毎月佐賀でイベントを開催するだけでなく、東京など県外でも情報発信を行っています。
さらに、トレジャーフット自身も異業種参入の立場からコスメ開発に挑戦する予定で、その様子を動画で発信していく予定です。ただ事業を支援するだけでなく、自らも当事者として関わることで、現場のリアルや気づきを共有していきたいと考えています。そして、「コスメといえば佐賀」と認知されるようになればいいなと思います。
佐賀から、これからの地方創生へ
トレジャーフット九州支店は、先ほどご紹介したTerakoyaとコスメ事業に加えて、生成AI講座やスポーツビジネス塾の事業も受託しています。形は違っていても共通しているのは「仕事(産業)」に関わり人材を育成するものであることと、「コミュニティ」が軸になっていることです。
「転勤妻」として複数の土地に暮らしてきた経験から感じるのは、どの土地にもそれぞれ固有の魅力があるということです。その上で、そこに住み続けたいと思えるかどうかは、「おもしろい仕事」と「仲間」がいるかどうかが重要な要素だと思っています。
だからこそ、私はトレジャーフットの仲間と共に関わる事業に全力で取り組み、「佐賀のようにやってみたい」と全国の地域から言ってもらえるような成功モデルにしていきたいと考えています。私自身もTerakoyaで一歩を踏み出したことで、新しい仕事や仲間と出会い、人生が大きく広がりました。そうした経験があるからこそ、私たちの関わる事業が火付け役となり、そこから地域の人たちが動き出すことが、地方創生につながるのだと感じています。
また、九州支店ではカフェを併設したコミュニティスペース兼事務所の立ち上げも構想しています。地域に開かれた拠点として、人が集まり、交流や学びが生まれ、新しい挑戦のきっかけとなるような場にしたいと考えています。
そして未来を担う子どもたちにも、大人たちが挑戦を楽しむ姿を見てもらいたい。そうした背中を見て育った子どもたちが、自分もやってみようと一歩を踏み出せるようになれば、この地が次の世代まで元気であり続ける、本当の意味での地方創生につながるのだと思います。
佐賀から、日本の未来をもっと明るくしていく。その一歩を、これからも積み重ねていきます。