令和7年度始動!起業・複業実践者と語る大交流会  MEET UP TERAKOYA vol.1 開催レポート

2025 年 5 月 16 日、佐賀県庁地下の交流拠点 SAGA CHIKA に約 70 名の皆さまが集まり、新年度最初の「MEET UP TERAKOYA」が開催されました。「起業・複業実践者と語る大交流会」をテーマに、佐賀県内で起業や複業を目指す方へより多くの挑戦を後押しする交流イベントです。

今回は史上最多となる70名オーバーという参加者の熱気あふれる会場で「自分にもできると前向きに考えられた」という声が聞こえるものとなりました。
この記事ではそんなイベントの様子をご紹介します。

第一部 Terakoya受講生による「複業座談会」

最初のセッションでは、会社員・看護師・公務員という異なるバックグラウンドを持つTerakoya受講生三名が、どのようにして 「やってみたい」 を形にしたのかを語りました。

事務職として働きながら複業を実践する吉田静花さんは、ノーコードアプリを活用したDX推進や企業パンフレット制作案件、経理の代行業などに携わっています。自分が培ってきたスキルすべてが自分の強みと分かるようになったと話されました。
また「好きなことを極めたい、やりたいことに挑戦したいという欲張りな気持ちが行動の原動力でした」と語り、本業と複業、どちらにも全力で取り組んでいくことで双方にシナジーが生まれる具体例を紹介していただきました。

続いて西田将太郎さん。ドクターヘリのフライトナースとして働きながらも、佐賀県の主催するデジタル人材育成プログラム受講をきっかけにフリーランスへ転身されました。現在は企業のDX支援やkintone保守・点検案件を受託してします。「独立前は不安な面も多かったですが、家族との対話やTerakoyaのコミュニティによる支えが大きな後押しになりました」と、率直な胸の内を共有してくださいました。

最後は富安聡さん。公務員から LP専門グラフィック デザイナーという大胆なキャリアチェンジを遂げられました。さらに佐賀県鹿島市にあるNPO法人でも活躍をされています。
自身のキャリアを見直して感じた危機感と「やりたいことがたくさんある」という想いからフリーランスへ転身されました。Terakoyaはフリーランスとして働く方との交流や学びを得たいと考えて受講されたそうです。その中で、実際に交流を深めて案件を獲得することもできたため「フリーランスになる前にTerakoyaを受講しておけば良かった」と振り返って話してくださいました。

第二部 佐賀出身起業家による「起業座談会」

続いては佐賀出身の著名起業家である2名に登壇いただき、起業のリアルや佐賀での可能性について語っていただきました。

ゲストは 207株式会社 代表取締役CEOの高柳慎也さんと、株式会社ペライチ 創業者 取締役会長である山下翔一さんです。
さらに、株式会社JEPLAN 取締役 執行役員会長である岩元美智彦さんも飛び入り参加をしてくださいました。

今回の座談会では、事前に用意した質問から参加者の皆さんに何を聞きたいか選んでいただき、そのテーマをもとに高柳さん、山下さんにお話いただきました。

【今、起業するならどんな事業で起業しますか?】

高柳さん「僕はもともとやりたいことがあった状態で起業をしています。だから、今起業するとしても同じことを始めるでしょうね。でも、今は生成AIも活用できますし、地方にも簡単にそういった技術が実装できそうなので、まずは複業でしっかり稼いでから起業します(笑) やっぱり、お金を稼ぐ手段があるというのは心理的安全性が違いますからね」

山下さん「最初からイーロン・マスクにDMを送って、弟子入りをします(笑) ようは日本一・世界一とされるような人の元で、自分には見えない景色を見たいですね。1番の世界観を知ることで成長できると思います」

【佐賀×起業の可能性について教えて下さい】

高柳さん「佐賀県は動画コンテンツが少ないので、それをおすすめしたいです。動画コンセプトの制作は、リスクも少なく複業的にもチャレンジしやすいですし、発展性もあります。小さく始めて大きいスケールの案件にできるのが良いと思いますね」

山下さん「僕は佐賀人として、コンテンツではなく精神が刷り込まれていると思っているんです。そして佐賀の良さって革命・革新を起こしていく部分だと感じています。これは攻撃的なものではなくて、あらゆるものをアップデートしていく精神と解釈しています。このDNAこそが佐賀の最強な部分だと信じているので、それを持って起業してほしいですね」

【仲間の集め方ってどうしているんですか?】

高柳さん「一緒にビジョンを語って、そこに熱量があれば、基本的に人はついてきてくれますね。そのなかで僕は四次元ポケットのようなものを作りたいとずっと思ってきたんです。それを実現するためには物流に課題があると気づいたので、そこの分野で起業しました。”こうなりたい”と言い続けることで仲間を集めることもできますし、事業も進めていけると思います」

山下さん「まずはコアメンバーとそれ以外のメンバーと分けて運用したほうがいいですね。コアメンバーは自分の思いを伝えることですぐに通じますが、それ以外は一般の人向けのメッセージに変えましょう。コアメンバーだけでなく、その先にいる仲間や顧客といった他の人へ伝わりやすい伝え方って何だろう?と考えるんです。そうすることで、どういう伝え方をすれば、自分の気持ちを知ってもらえるのかに気づくことができるようになります。そうすることで、自分が求めている仲間を集められるんだと思いますよ」

【飛び入り参加:岩元さんの声】

第2部最後は、飛び入り登壇してくださった岩元美智彦さん(株式会社JEPLAN 取締役執行役員会長)により、循環型社会へのビジョンと実績を伺いました。
同社は2007年に資本金120万円で創業し、現在は約145億円規模。北九州・川崎に世界最大級のケミカルリサイクル工場を持ち、携帯電話やPETボトルなどを分子レベルで分解して「地上資源」として再資源化する技術を確立しています。この方法は劣化せず無限に循環できるため、石油依存と資源紛争の抑止に寄与すると強調されました。

「正しいを楽しいへ」というキーワードをベースに様々な活動を進めてこられた岩元さん。マクドナルドのハッピーセットおもちゃ回収(参加者400万人超)、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のデロリアンを使ったリサイクル啓発、子どもたちが集めた服10万着をバイオジェット燃料に変えてJAL機を飛ばす企画など、ワクワクする仕掛けでリサイクルを文化へ昇華させてきました。オリンピック東京2020大会では全国から650万台の携帯電話を集め、全メダルを地上資源のみで製造するプロジェクトにも貢献しています。
現在は500社超の企業と連携し、国内50自治体が「リサイクル平和宣言」に参加。ドバイでの新プラント建設を皮切りに海外展開を加速し、「経済・環境・平和」を同時に実現する循環経済圏を世界標準にしたいと呼びかけました。

起業を考えている参加者の方は「密度の濃い話を聞くことができて、改めて起業のモチベーションが上がりました。起業家として何十年も第一線でご活躍されてる方の考え方について触れ、自身のキャリアを考える上でも参考になりました」と話されました。

第三部 カンパイ大交流会

第三部は「カンパイ大交流会」と題し、参加者同士が自由に交流を深める時間となりました。参加者は事前に用意された「カンパイ交流カード」を活用し、自身のプロフィールや繋がりたい人、自分の得意分野を共有しています。例えば、「Pythonについて話せます」「ECサイトに詳しいです」など、具体的な情報が共有されました。

前回のMEET UP Terakoyaも大盛況でしたが、今回の大交流会も熱気あふれる交流の場として、自身のやりたいこと、できることをアピールしながら、可能性を見つけられる機会となりました。

最後に

令和7年度もトレジャーフットはSAGA Smart Terakoyaをアップグレードしながら、展開していきます。
本年度は複業・起業の2軸から講座を開催。より具体的に皆さんの「やりたい!」を形にするサポートを行います。
第1回講座は7月20日(金)開催です。
興味のある方は、是非ご参加ください。

 

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