イベントレポート:妙高市を「五感」で感じ、可能性を探るフィールドワーク

2024年11月、新潟県妙高市で開催された「妙高市を「五感」で感じ、可能性を探るフィールドワーク」が開催されました。このイベントは、妙高市の自然や文化、暮らしを深く体験する1泊2日のフィールドワークです。今回は、当日の様子をお伝えします。

 

◆「妙高市を「五感」で感じ、可能性を探るフィールドワーク」とは

このイベントは、新潟県妙高市による「関係人口の増加」施策の一環として企画されました。これまで開催された「MYOKO MEET UP」イベントを通じ、妙高市に興味を持った方と、実際に現地を訪れて、現地の空気を知り、体験することで、妙高市をもっと知ってもらいたいと考えています。今回のテーマは「妙高を五感で感じる」ということで、実際に地域の自然や文化、人々の生活を軸に交流を深められるようなフィールドワークとなりました。

◆妙高市の多彩な魅力を発見する1日目

当日は「MYOKO COFFEE」からスタート。妙高市の職員さんも参加してくださり、妙高市の資源や課題について詳しいお話を伺いました。当日はラッキーなことに、妙高高原駅に停車するリゾート列車も見ることができ、話を聞くだけでは分からない観光資源を、早速目で見て感じることが出来ています。

MYOKO BASE CAMPと大自然

続いて訪れたのは、国立公園内に位置するワーケーション施設「MYOKO BASE CAMP」。Zoom社との連携により、快適なワークスペースを提供し、心と体の健康から働く人の活力向上、生産性の向上が望める環境を提供する施設として人気があります。当日は地元食材を活かしたグルテンフリーのカレーや、地元豆腐を使用したデザートという昼食を楽しみながら、地域の観光拠点としての機能を学びました。


施設内には最新のテクノロジーが整備されており、自然環境と調和した働き方の可能性を感じさせる場所でした。

つばめ温泉の秘湯巡りと「大日屋」のおばあちゃん

午後はあいにくの雨により予定を変更し、妙高山麓の温泉エリアを訪問することに。標高約1,100mと妙高高原温泉郷の中で最も高所に位置する燕温泉へ向かいました。メンバーはそれぞれ「河原の湯(混浴)」や「黄金の湯(男女別)」で、身体にあたる雨をものともせず、現地の温泉を楽しみました。また、「大日屋」という地元のお土産店を訪れ、個性豊かなおばあちゃんと交流する時間も。地元の歴史やエピソードを語っていただき、観光地では得られない「人を深く知る」貴重な時間となりました。

新井エリアの商店街散策

さらに夕方は新井エリアの商店街を訪問。昭和レトロな雰囲気が漂うアーケードを歩きながら、地域が抱える課題を目の当たりにしました。シャッターが閉じた店舗が多い状況に、「モデルコースを作成して観光客を誘致する」・「自転車を活用したスタンプラリーを企画する」といった活性化案が参加者から続々と提案されました。

妙高妄想会議と「イノベーションや~!!」

 

夜は「妙高妄想会議」で参加者たちがアイデアを発表。
妙高市で出会った人々の魅力を「妙高人図鑑」としてまとめる構想や、地元学生を巻き込んだ朝市の企画、電動自転車を活用した観光ルートの提案が挙がりました。その後の交流会では、地元の日本酒を片手に市役所職員や参加者がフラットに語り合い、妙高ならではの温かさを感じるひとときを過ごしています。
美味しい日本酒とあたたかい空気、妙高市の未来を語り合う時間に、思わず「イノベーションや~!」とスタッフも熱くなる夜でした。

◆里山と自然を体感する2日目

生井さんの里山暮らし体験談

2日目は、里山で暮らす生井(なまい)さんの案内で、山道を歩きながら畑を訪問。生井さんは、夏は農業、冬は除雪といった妙高エリアならではの暮らしを営んでいます。畑では大豆や小豆の収穫を体験し、地域の季節の移り変わりや自然と共生する生活について学びました。また、生井さん手作りの味噌やお餅が振る舞われ、里山ならではの食文化を堪能しました。参加者からも「自然との共存というテーマを考えたとき、都会での生活で見落としていた新たな気づきが多々あった。また、最近は在宅勤務中心だっただけに、五感をフル活用し、実際に見て、匂いを感じて、動いて、食べて、という実体験は非常に貴重だった」という声も聞くことが出来ています。

バーベキューと地域の温かさ

最後のプログラムは、大滝荘でのバーベキュー。地域のおばあちゃんたちが作る温かい料理と共に、参加者たちは笑顔で語らい、イベントの締めくくりを迎えます。

ですが、ただバーベキューをして終わりではありません。当日来てくださった、地元の若手漁師の方から里山の害獣被害や生態系の現状について話を伺いました。現在、妙高市にはジビエ加工場がなく、害獣駆除の副産物を地域の特産品として活用するには課題が残ります。

今後の可能性について熱心な議論が交わされ、最後まで妙高の資源を活かす未来への期待が高まる2日間でした。

◆妙高のポテンシャルと未来への期待

1泊2日間のフィールドワークを通じて、多くの参加者が「人を通じて地域を知る」新たな体験を得ることができました。特に、地域課題を深く体感し、それに対する具体的なアイデアが生まれた点が印象的だったように思えます。

例えば、電動自転車を活用したモデルコースの作成や、地元学生を巻き込んだ朝市の企画、害獣駆除を特産品に変える仕組み作りなど、多様な発想が妙高市の未来に向けた新たな一歩となりました。また、妙高を軸に参加者同士の価値観がクロスし、新たなアイデアやプロジェクトが生まれる場となったことも大きな成果です。

今後も、新潟県妙高を知り、関わりたい!という方を大募集しています。次回のイベントがどのようなものになるか、お楽しみに!

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