【企業インタビュー】全社を巻き込むブランディング活動をプロ人材とともに推進 | ノア精密株式会社様

ノア精密株式会社は、東京浅草周辺に拠点を置き、1982年の誕生から約40年以上にわたり自社ブランド「MAG」をベースとした時計および計器類製品の企画製造販売を行ってきました。「商品を通じて社会奉仕、企業を通じて生活向上」という企業理念のもと、「人に寄り添い、寄り添い続けるブランド」を目指しています。

ノア精密株式会社では、家庭用や業務用の時計、温度湿度計やタイマー、ギフトに最適なプレゼント用の名入れ時計など様々なラインナップを揃えています。またオリジナル製品の開発依頼やOEM受託、記念品ノベルティのご要望など、お客様のニーズに寄り添う製品開発も対応しています。

モノ消費からコト消費、そしてトキ消費と変化する時代に、主力製品の時計から生じた「ハカル」をテーマに商品開発を行い、お客様の快適な暮らしに寄り添いながら、多様化するニーズや社会・環境に貢献し対応できるサステナブルな企業を目指しています。


今回は、ノア精密株式会社 プロモーション室の大矢場様に、実際にプロ人材を活用してどのような成果が得られたかなど、実体験をお話いただきました。

 

市場の変化を背景に自社ブランド訴求の必要性が高まった

ーー まず、ブランディングプロジェクトが始まったのが2021年中頃からでしたが、開始した当初の課題感について教えていただけますか?

私たちノア精密は、東京浅草周辺に拠点を置き、約40年以上にわたりMAGブランドの商品を製造販売してまいりました。

元々は、競合となる他社メーカーとの戦い・棲み分けの中でビジネスを発展させてきましたが特に近年は、製造から販売までを全てを担う大手リテール企業やベンダーなどプレイヤーが市場に増えてきました。そうした中で、私たちNB(ナショナルブランド)の立ち位置としてどのようにビジネスを展開していくべきか、という課題がありました。

こうした背景がある中で5〜6年前に、社内に「プロモーション室」という部署を立ち上げました。これまでのBtoBビジネス、具体的には小売店様や代理店様にある程度を任せていた一辺倒のPRだけでなく、私たちの会社やブランドを自ら積極的に発信していく方向性に舵を切る必要が出てきたのです。また小売店側(EC)での販促方法や彼らのSNSでの発信などを見ていると、私たちのブランド活動の捉え方を変えてゆかねばと課題になっていました。

ーーお客様へ直接届ける必要性が増したのですね

はい、そうです。しかし、私たち”MAG”ブランドの育ててゆくべき方向性やビルド方法、PR手法について、社内に知見がありませんでした。

実際に、EC市場の拡大や売上進捗が好転してきた事実と、私たちのSNSをどのように伸ばし、ブランドをどう発信するか……。これらが相互に結びついていなかった、ということが課題でした。

厳密には、結びついていなかったというよりも、SNSとECが相乗効果をもたらすまでには相当な時間がかかると捉えていました。実際にいくつかのサービスを使ったものの、あまり成果が出ておらず、ECとSNSは、別物だと諦めてしまっていたのです。

もちろん自分たちで勉強しながら進めていたところはありますが、そのような動きがある中で、数年前に初めて齊藤さんとお話させていただきました。プロ人材のビオリーナさんともお話するなかで「もっともっとやらないといけないんだ」と感じたことを覚えています。

ーー ちなみに、なぜトレジャーフットとのプロジェクトをお選びいただいたのでしょうか?

当時は特に他に検討しているサービスがなく、タイミングがよかったなと思っています。「渡りに船」とも言えるかもしれませんが、ただ、私がぼんやり考えていたことを、齊藤さんに、受け止めていただき「それだったら、こうですよね」とロジカルに、返してくれたことが安心感に繋がったと思います。「この人に頼めば、ある程度自分たちの意図に沿った提案をしてくださる」という所感を持ちました。

プロジェクトの内容としても、ビオリーナさんと事前にお話する中で「これはもう、プロの方々と取り組むべきだ」という意識になりました。自社の特性として、あまり外部の方に依頼するようなカルチャーではなかったのですが、社内のキーマンそれぞれを説得しにいったことを覚えています。
ブランドマネジメントの最初のレールを引いてもらった

ーー プロ人材のビオリーナさんが加わって考え方に変化はありましたか?

はい。ビオリーナさんがチームに加わったことによって、ブランドという軸に沿いつつECやSNSが相互に結びつきながら、交わりながら、伸ばしていくという捉え方ができるようになりました。

それまでは「SNSの立ち位置としてのブランド」と「ECの立ち位置としてのブランド」は別軸になっており、今ほど一貫した活動はできていなかったと感じています。ブランドは最終的に1本になっていく、交わっていくという意味で、ブランドマネジメントの最初のレールを照らしていただいたことは非常に重要な考え方だったなと振り返って感じます。

加えて、自分たちが想っていた「ブランドとは?」という部分についても言語化、明確化させることができました。

ーー ありがとうございます。実際にビオリーナさんとのプロジェクトを開始してから、良かった点やターニングポイントはありましたか?

はい。まず、ブランドチームを組成する必要性をアドバイスをいただき、社内でもキーパーソンになるようなメンバーを集めました。これにより、ブランディングへの意識が高まりましたね。

一方で、もともと意識が高い社内のメンバーは良いのですが、そうでないメンバーがいることが私としては気がかりでした。もちろん社員によって、意識の「グラデーション」がつくことは致し方ないですし、そういうものかもしれません。実際、社内でも「意識は簡単には変わらないよね」という空気感が少し流れていたように感じます。しかし、私自身は「ブランド活動に興味がないのは仕方ない」と割り切り、諦めたくありませんでした。

変化のきっかけは、ビオリーナさんに開催してもらった「勉強会」でした。ブランディングやマーケティングに関して、ビオリーナさんにレクチャーしていただいたのです。
ブランド活動に対してあまり興味がない人も「思ったよりも真剣に聞いてくれているな」と感じたのが印象的でした。実施後のアンケートでも前向きな反応がありました。

会社が向かうべき方向性に対して皆が一致するためにも、この勉強会はひとつの大きなきっかけだったと振り返って感じます。嬉しかったし、ブランド活動に対して、よりドライブをかけていかないとなと思いました。

「外部に依頼する」という突破口が開けた

ーー プロジェクトが副次的にもたらした効果などは何かありましたか?

あまり内容としては適当な回答ではないかもしれませんが、先ほども少し触れた通り、もともと私たちの会社は「自社内で解決させる意識、外注コストよりも社員に還元」という風土が強かったです。基本的には、内製で頑張るというスタンスで、人手の足りない中小企業では一般的な「人に仕事を付ける」となります。このプロジェクトを通して「外部を活用する」という新しいアクションで既存の固定概念のようなものが突破できたことは、ひとつのポジティブな効果だったと思います。

「餅は餅屋」ではないですが「長けている人を引っ張ってきた方が早く達成できますよ」という考え方は良い意味で浸透したなと思います。

なので、今後も私たちがやりたいことに対して、柔軟に手段を選択できる土壌を整えられたことは、ある意味、今回の副次的な効果だと思います。実際に、ビオリーナさんとのプロジェクトだけでなく、Webマーケティングの専門家である徳川さんや、Webデザイナーの水尻さんにも参画いただきました。

ーー そうですね、ブランディングプロジェクトと並行して、WebマーケティングやWebデザインでもプロ人材をご活用いただいております。

どんなビジネスも、1回目の成果や満足度によって、継続したお付き合いがあるかどうかは変わってくるものなので、そういう意味だと、1回目の期待を超えてきてくださったので、次に繋げられたなと感じています。

「齊藤さんに聞けば良い人を紹介してもらえるかも」という信頼感がありましたね。

ーー ありがとうございます。ちなみに、大矢場さんが外部人材を活用する上で、大事にされているポイントなどありますか?

私自身はもともと営業出身ということもあり、話をするのも好きなので、ある程度お話しながら内容を伝えることができます。しかしメンバーによっては、そうした「会話だけで正確に伝える」ことが苦手な社員もおります。そういったメンバーも、毎回のミーティング前に「しっかりと準備する」ということをいつもやってくれています。

「なんとなく困っていて・・・」という不明瞭な状態で、プロ人材に質問を差し上げ、適切な回答が返ってくることはあまりないと思っております。我々自身がなるべく問題を明確にした上で、質問や依頼するように気をつけているつもりです。

その上で、「返ってくるもの」を見極めるように意識しています。そこが両者で合致すると、より良いコミュニケーションや良いアウトプットが生まれますよね。

企業の社員は「考える」作業に集中する必要がある

ーー 弊社トレジャーフットのサポート体制についてはいかがでしょうか。何か改善するところなどあれば、教えていただきたいです。

トレジャーフット齊藤さんのサポート体制には非常に満足しているので、本当にあまりないですね。「泣きついて大丈夫」な存在として捉えています。

その上で、今後も会社全体という視点で、広く情報を交換していきたいなと感じています。プロジェクト内容や目先の施策だけでなく、トレジャーフットさんが手がけている別のプロジェクトや、行政案件なども深く聞いてみたいです。雑談から生まれる新しいアイデアや活動といったものも大事にしていきたいなと感じます。

ーー Treasurefootのサービスをどのような企業におすすめしますか?

正直なところ、外部に依頼せず、全てを内製化でやろうとすることもできなくはないと思います。ただし、流行り言葉でいうところの「タイパ」(タイムパフォーマンス)が良いとは言えないのではないでしょうか。そこに外部人材を活用するメリットがあると私は感じます。

今の日本社会として人材不足に困っている中で、我々企業の社員は、「商品やサービスを通してどのように市場を作るか」という「考える作業」に集中する必要があります。一方で、それを実行するための戦術や手を動かすところは、専門的な人材に入ってもらうことが重要だと捉えています。戦略を引いてもらうことだけでなく、それを実現するための手法や、そのためにやるべき施策などは、上手に外部の方に入っていただくことが、適切な棲み分けだと私は考えます。

もし、外部人材を活用することに懸念を感じている企業様があるのであれば、そうした考え方をしてみることをおすすめしたいですね。
「どこに何を依頼するか」という話もあり、クラウドソーシングなど低コストで外部人材を活用できますが、与件を整理した上で最適な人材の紹介があった方が、絶対的な時間の節約になると感じます。そして、与件に対する目標の達成率の確度も高くなると感じています。

今回は、ノア精密株式会社の大矢場様へインタビューを実施いたしました。

今後もトレジャーフットとして、綿密なコミュニケーションや適切なサポートを行いながら、ノア精密様の事業成長に貢献していけるよう伴走してまいります。

外部人材活用にご興味のある企業さまは、ぜひお問い合わせよりご相談いただけますと幸いです。

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